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朝日記220808―書簡―ハートランドを制すは世界を制すか(その2)

2022-08-09 01:25:54 | 自分史



 朝日記220808―書簡―ハートランドを制すは世界を制すか(その2)


 

―書簡―ハートランドを制すは世界を制すか(その2)

 

荒井康全

 親愛なるいろはさんからの書簡

掲げられた話の内容と、私の書いた内容がかけ離れて、戸惑われたのですね。
すみません。
発想の飛躍をもう一度辿ってみました。
安倍元総理の国葬のこと、私個人としては、そこまでやらなくてもと思っていましたが、もう岸田内閣が決めたことですので、どんなに反対意見が出ようとやるのだと思います。
やるからには負の為政ばかりを取り上げ、騒ぎ立てるのではなく、善政もきちんと評価して、立派に安倍さんを送ってさしあげるべきだと思っています。
多くのお悔やみの言葉の中でも、プーチン大統領の文章は、安倍さんとどれだけ親交を深めたかが慮れる行き届いた内容だと思われ、ほろっ涙が出そうになりました。
国葬が実現した場合、早々にロシアの慰問は受け入れないと言う話が出るのは、おかしな話だと思った次第です。
プーチン大統領と安倍さんが何度も重ねた会談ながら、具体的に何か有利に動いたのか。
北方四島においては結局のところ何もなかったような評価でした。
確かロシアは領土を割譲しないという表明をしてしまいましたね。(これはクリミアを指しているのかどうか)
それでも経済対策として、原発ばかりに依存しない様に、サハリン2など、ロシアからのエネルギー供給は大きな進展を見せていたのではないでしょうか。
今年の2月末にロシアのウクライナ侵攻が始まった時、岸田内閣は早急にウクライナ側に着きました。
年末、或いはそれ以前からのロシアの何らかの動きを把握しての行動だったのでしょうか。
表面に現れたものだけを見聞きして、何故そんなに早く行動を起こしたのか疑問でもあり、
日本は北方四島、エネルギー問題を抱えているにも関わらず、ロシアに敵対する行動を日本がとっていいのか、とても不安になりました。
ウクライナとロシアの問題は国際的なものではなく、内政問題だと今も思っています。
ロシアとの対話を諦め、アメリカやNATOを引き入れ、事を大きくしたのは英雄になりたかったウクライナのゼレンスキーその人自身ではないのかと思えます。
それに対して日本は賛成も反対もせず、戦争はやめて対話で解決しましょうと言い続けていく事もできたのではないか。
その思いは今でも変わらないです。
日本がウクライナに味方する事で、安倍さんが積み重ねてきたロシアとの信頼を、一瞬にして壊してしまいました。
岸田総理は人の話をよく聞くと言っていましたが、この判断を下した時は安倍さんの話を聞いたのでしょうか。
誰の話を聞いてそうなってしまったのか経緯を伺いたいものです。
この先、関係を修復する為にどれだけの年月がかかるのかと思うと、暗澹たる気持ちになります。


 わたくしからの書簡

親愛なるいろはさん
論を構成されましたね。ひとつの筋として理解します。
安倍さんの外交は、あくまでも戦後体制の維持にその重心を置いたとおもいます。
その理由は、先回に掲載された以下の一文にて記しました;

朝日記220808 ―書簡―ハートランドを制すは世界を制すか
https://blog.goo.ne.jp/gooararai/e/988f72b6d6d5e917e77e93c0c994d3b2

ロシアのウクライナ侵攻に対してそれを単なる内政問題とするか歴史的理解が不十分で断定はできません。ソ連崩壊での過程で独立国となった、ロシアもそれを承認したということから出発することになります。ウクライナをふくめ東欧諸国でのソ連からの解放への歓喜の様子、ウクライナでは民衆がレーニン像を倒す情景が目にやきついています。
開放というのは、独立国として方向性が表意と選択があり、単純に西側体制に向かったとみます。あくまでも主権行為の発揮とみます。もっともウクライナも親ロシア派と親西欧派はその時点で割れていましたが西側モデルの民主主義国家を目指したとみていました。ロシア自体も共産党独裁体制に対してゴルバチョフからエリチンそしてプーチンと民主主義国家として国家経営を軌道にのせるべく見えていましたが、気が付いてみれば専制独裁支配となりました。連邦解体でロシアとの主権分離内容がどのように決まったのか不勉強でわかりません。私の理解範囲ではウクライナはロシアの内政と単純にきめるか解釈選択の問題に帰します。(日本国の問題はアメリカの内政として片付けるかどうかも解釈態度の問題となります)。
 残るのは、コジェーブの四つの権威の内のひとつ力学powerが前面に出てきます。(そうではない賢者の知恵の出しあいが先であるということもありますが、一方がすでに軍事進攻してしまっている状態です)
 ウクライナのゼレンスキーがどのような出自であるかは別として、この国の国民が選んだ大統領です。その大統領がロシアの一方的な侵攻にたいして防衛に立ち向かうことは、ただしい態度とおもいます。この国の国民の意思を背負っている正当なる権力行使とみるべきではないでしょうか。 最初からロシア内政としてロシア支配をみとめるというのもかれらの選択です。私は 今回はロシアに理が弱いとおもいます。
 日本がロシアに抗する立場をとるまえに侵攻をとめるべく外交交渉について触れられましたが、事態は否定的です。
 理念としてすべての国と共存共栄ということは普遍的義ですが、残念ながら人類世界は性悪説をとります。かならず他への故なき侵害をする勢力が知恵を絞って控えているとみるべきです。これは、人類生存過程で筋でも競合が根底では存在前提となります。
全方位外交というのがありますが、ビスマルクのあとウィルヘルム一世がこれを唱え、気がついたらフランス包囲戦略がドイツ包囲に変わっていたという典型例があります。

国家運営としては同盟国との安全保障が基本的選択と私は考えます。とはいえ、これもどこかの国のようにさぼっているとオセロゲームのようにひっくり返ります。これは明治開国以降の日米の関係の歴史が教えるところでした。
北朝鮮や中国そしてロシアが手ぐすねひいているなか、政治やメディアはpolitical correct問題で貴重な時間を埋め、国土防衛をひとごとのようにしていますが、これはワイドショー的亡国的なさぼりです。猛省をうながしたい。 
ところでロシア支持のスキームは誰かが継続的に考えておく必要があるとおもいます。いまの論建てで思考展開してみることをお勧めします。
ただ世論空気というものが思考の選択幅をせばめてくるのが常であり、心配ではありますね。



関連essayは以下です;

朝日記220808 ―書簡―ハートランドを制すは世界を制すか

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