朝日記130530 英国ロマン派詩人シェリー詩「ひばりへ(To a Skylark)」その1
おはようございます。
朝は南の窓戸に雨が打ち叩いてていました。
五月にて梅雨に入ったのですね。
徒然こと
英国人の友人から シェリー(Percy Bysshe Shelley)の詩
「ひばりへ(To a Skylark)」が送られてきました。全21節からなるながい詩です。 よしと気合をいれて、この数日 カントの哲学は ひとまず脇に置いておいて、この翻訳にあそんでいました。
*最初に送ってきた節は以下のものでした。
We look before and after,
And pine for what is not:
Our sincerest laughter
With some pain is fraught;
Our sweetest songs are those
that tell of saddest thought.
ほどなく、この節の日本語への翻訳詩が送られてきました;
一羽のひばりへ 詩 シェリー 和訳バリー・バーン
われらが来し方や未来方をみて
存在ではないものを慕う。
われらの楽しみのきわみには、すこし痛みが付ける
われらのもっとも甘い歌はもっとも
悲しい思いについて話す。
(細部のところは 改良の余地はあるにしてもなかなかのものです)
このひとは、最近、オックスフォード大学の社会人学級で日本の習字をならっています。その課題作品として「慰め」を送ってきました。 私は はたと目を留めます。かれの習字では、文字「慰」で、その字の造りのなかの 5つの点「、」がりますが、これを「。」(ゴマの実のかたち)におきかえてあったことでした。表音文字圏のひとの表意文字への典型的な興味のもちかたではありますが、彼のとらえかたに新鮮な感性を感じました。そして「慰めにはなみだがある」tears with Nagusamiというフレーズで かれを称揚したのでした。
*ちょうど、橋下発言が世界的にはしり、友人のメンタルには「慰安婦問題」があったのでしょう。
*これもまた、意外なことに ’にっぽんあやうし’と ただ感心もしてもおられないというおもいもはしりました。それやこれで この件につき、ネットなどで、勉強することになったのではありました。
(Comfort women ウィッキペディア 英文
http://en.wikipedia.org/wiki/Comfort_women
これが一番 しっかりした内容とおもいます)
*そんな折に 送られてきたのが 上にあげたシェリーのこの「ひばりへ」の詩の一節でありました。
ちなみに わたくしの訳は 以下です;
一羽のひばりへ 詩 シェリー 訳荒井康全
来し方 いずくに われらの見しは、
無かりて あるを ねがうなり
きわみて 囃やす われらの者は、
痛みに 満ちる きわみなり
甘き きわみの われらの うたは
哀しき おもい 伝うなり
***
(どこかに、拘りを曳いていますね)
*友人のおもいは もののとらえかた ひとへとの共有のしかたは やはり理屈や概念表現だけでは どうしようもないものがある。そのことを伝えてきたのであろうと おもいなおしました。 さすが 英国のひとです。
別途 全訳を掲載もうしあげます。
徒然ことおわり
***
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