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神谷大輝の小説

自作の小説をアップロードしていきます
また日記や色々な出来事もアップロードしていきます

鈴虫が騒ぐ時は プロローグ

2024-07-03 20:04:26 | 日記
目覚めよ、柳沢亜留(やなぎさわある)よ。我の声の赴くままに。そして全てを解決して見せろ

なんか理由わからん声が聞こえる、これは一体何なんだろうな?
すぐには解らない、しかし淡々とこの声の先に有るものが解る気がする。
俺はどうしてか悪魔という存在について考えてしまった。目を開けると、洋室のリビングに居た。
あれ?ここ何処だ?自分の家に居たのに?一体なんで?
目の前にはゴスロリの服を着た女性が一人居た
「お前は誰だ、俺をどうするつもりだ!!」
女性は俺の剣幕にびくともせずただ座っていた。一体こいつは誰なんだ?俺をどうするつもりなんだ?
「クククッ面白いのお我を見ても恐怖せぬとは、見事じゃな、我の名はアマンダ・ソーカル」
女性笑い、終わった後こちらを向き
「我と楽しいゲームをせぬか?」
「ゲームだと!!」
「ああ、そうじゃゲームじゃ。我が今からクローズドサークルなホテルを舞台にお主を使ってのぉ、事件を起こすんじゃ、そして何回か質問時間を設けるのじゃ。正解すればどんな願い事でも一つだけ、本当に叶えてやる、どうするんじゃ、やるのかやらないのかどっちじゃ」
「受けて立つ」
「まずは練習問題」

☆夢が島

俺の名前は柳沢亜留高校一年生
俺は朝目が覚めると、目覚まし時計を止めて起きる準備をする事に。しかし朝からなんだか元気が出ないな。
朝御飯食べないとな。母の柚希がキッチンで朝御飯を作っていた。朝御飯の香りが寝室まで漂ってきた。
もちろん旨そうな匂いだ。
今日はベーコンエッグとトースト、ミネストローネとゆで卵だ。
今年中三の瑠夏は反抗期真っ只中で、母にいつも文句を言ったり、ご飯を食べなかったり。もう手が掛かって仕方なかった。
夜は遅く帰って来るし朝帰りも多くて、父親の海斗にも反抗をするように。
いつもいつも、洗濯物を一緒にするなだとか、父親の入った風呂には入りたくないとか、本当に手が掛かる。
俺にも反抗するのだ、まあその都度鉄拳制裁をしているが、母も父親も何も言わない。
だから俺は無視されている。まあそっちの方がいいんだけどさ。
春の朝の爽やかな風と、ひんやりとした空気が気持ちいい。
「亜留、さっさと食べて学校行っちゃって」
「今日は創立記念日で、学校休みだぜ」
俺の高校は私立なので創立記念日がある、その日は休みなので、学校に行かなくても良い。
だから今日は自分の部屋でゲームをやることに。
「わたしこれから仕事だし、お父さんもわたしも帰るのが遅いの、亜留留守番してくれる?」
瑠夏の事は話題にも出さず、母と父親は空気扱いを徹底してやることに。
まあ瑠夏が悪いから仕方ない、反抗期だからってやって良いことと悪いことがある。
それを思い知らせるためだろう。
「解った、鍵掛けとく、瑠夏お前は友達の家に行ってろ」
「まじうざいんですけど、言われなくても帰って来る訳ねーだろ、まじうざいんですけど」
本当にこんなに手が掛かる妹は要らないよな。

全員出払い一人でゲームやっていると、玄関の方からチャイムが聞こえる。
玄関を開けると
「おっす、亜留俺様が遊びに来たぜーーイエーイ」
バタンとドアを閉めチェーンロックにした
「すまんすまん、テンション高すぎたな。本当に中に入れてよ」
こいつは数少ない俺の友達の泉川優大(いずみがわゆうだい)で、俺と同じ名神高校に通うクラスメイト兼親友だ。
優大を家に上げる事に。しかし二人きりだと淋しいな。
「俺様、亜留と一緒にゲームセンター行きたいなと、思ったりして」
ゲームセンター、二人でゲーセンか…まあそれもありかな…ありなのかな?ありだよな?
「ゲーセンかいいなあ、じゃあ行くか」

夢が島それは人口三千人の小さな島だ。そこに俺たちは住んでいる。
ゲーセンも夢が島にはあるが、少数しかないのだ。
ゲーセンに向かう途中で「きゃあー」と絹を裂く様な悲鳴が聞こえた。
声のする方に向かうと、人が倒れていた。ただ気絶してるだけだった。側には金属バットがある。
しかし悲鳴を上げたという事は襲われたという事だろう。しかし誰がなんの為に?
ふと周りを見渡すと、優大がこちらに向かってくる途中だった。
「亜留、どうしたんだ?急に走り出すからびっくりしたぜ」
優大はそう言うと
「おかしいな人は通らなかったぞ」
優大のその言葉の意味を理解するのに時間が掛かった、意味が解ると、謎しか無い。
この先は行き止まり、俺は倒れていた被害者に気を取られて犯人は奥に逃げたと思ったが、先は行き止まり。更に優大は人を見てない、不可能犯罪だった。まあ死んでは居ないが。
「おかしいな」

「質問タイムだ。まずどうやって犯人が逃げたかじゃな」
「質問していいのか?」
俺がそう訊くとアマンダは笑いながら
「質問タイムなんじゃから、質問して良いに決まっておろうが」
「まず、犯人は被害者自身か?」
「答えはNOじゃ。犯人は被害者ではない」
犯人が被害者じゃないなら、一体どうやって行き止まりの状況で俺にも、優大にも見つからずに逃げる事が出来るんだ?
「解った、犯人は被害者を何らかの薬を使って眠らせて、金属バットを置き、悲鳴を上げて駆けつける前に去った」
「まあ、正解じゃな、しかし事件は始まってはおらぬぞ、これはほんの腕試し。ここからSTORYが始まるのじゃ。事件現場はホテル、出入り不可の場所じゃ」

黄昏ホテル

今朝は早く起きてしまった。わくわくしている所為かなかなか寝付けなかったのだから、仕方ない。
今日は両親と俺親友の優大と一緒に、夢が島の離島にある黄昏ホテルに招待された。
本当は瑠夏も招待されていたのだが、反抗期真っ只中だから反抗して留守番すると言い出した。
まあ反抗期だから仕方ないよな。
みんながみんな瑠夏の味方ではない。
俺たちは今は船に乗っている所だ。 
「きゃっほい、俺様が来たー」
と恥ずかしい事を言ってるのは、親友の優大だ。優大は中々の運動神経していて、野球からバスケ、サッカースポーツならなんでも御座れだ。
しかし優大は両親と凄く仲が良くて、すっかり意気投合してしまった
「優大先にホテルを散策しているよ」
ホテルを散策しているとカップルが腕を組んで歩いている。
男の方はスマイルアップみたいな顔で。女性の方はアイドルみたいな顔の女性だった。
「ねえ〜みかりん」
「な〜にゆうくん」
カップルはベタベタイチャイチャしている、人前では辞めて欲しいんだよね。
またホテルを散策すると一人の男子が居た
「君の名前は?」
「俺の名前は黒桐和幸だよ、今日は招待されて良かったよ。君に会えたから」
「そうか、僕は柳沢亜留だよ」
「亜留くんはどうしてここに?招待されたの?」
「そうだよ。招待されたんだ」
「じゃあ」
と言い分かれた。
黒桐君と分かれて一人ウロウロしていると放送が鳴った 「ご飯の準備が整いましたので、食堂まで。」
食堂に着くと、夕食が始まった。全員16名でそれぞれ食事をとっている。
明日は海水浴だ

僕らの夏休み

2024-06-27 20:14:13 | 日記
小学生の頃に見た花火をずっと忘れられない。あの頃は幼かった。父さんと祭りに参加して、金魚掬いや、りんご飴、綿菓子に輪投げ。色々な屋台で父さんと一緒に食べて遊んで。
本当に楽しかった、父さんと母さんと遊べる最後の夏祭りは。父さんと母さんは僕たちもアメリカで一緒に住まないかと、打診された事があったけどあの頃は拒否してしまった。
もちろん姉たちも拒否してしていた。英語は翻訳装置と呼ばれる、頭に被るヘルメットみたいな装置を付ければいいから、言葉の壁はない。
だけど僕たちは日本に残る事となった
あの日家族全員で見る花火は切なく儚い花火だった。
もっと一緒に居たかった、もっと楽しみたかった。しかしそれは叶わない願いだ。
それでも父さんが思い留まってくれる事を信じた。しかし現実になることはなかった。父さん達はそのままアメリカへ転勤した。花火のように儚く一縷の想いは届くことはなかった。僕はそうして想いと、決別して中学、高校に進学した。

僕の名前は大神一輝高校一年生で、青春真っ只中の16歳である。
両親は海外で働いていて、姉の志穂と刹那と妹の友奈との4人くらしで、志穂姐は二十四歳で夜中に帰ってくるからあまり接点はないので、よく知らない。
刹那姉は高校三年生で塾に通っている。
愛東看護学校に合格する事を目標にしている。
愛東学校で看護師の資格を取得するのが夢らしい。
刹那は人一倍正義感があり、曲がった事が嫌いだ。
妹の友奈は中学三年生で数学が苦手らしい。
友奈は友達の遥とちょくちょく遊んでいて、家に連れて来る位だった。
カレーが好きで三食カレーでも飽きないので、給食係の僕にカレーを毎日出せと言い出す始末だ。
ちなみに掃除係は友奈で会計係が刹那だ。買い出しは僕か刹那で行く。友奈に任せるとカレーばかり買いそうだからだ。
僕はアニメが好きで、小遣いでアニメグッズを買い集めるのが趣味だ。
ファンタスティックオンラインも好きで、LV22で装備もそこそこ強いやつで、魔法も結構習得している。
僕の夢は小説家になることだ。僕はヒーローになりたい訳でも、英雄になりたい訳でもないが。僕の物語であることは確かだ。
僕の物語は僕は主人公となる。しかし主人公でも僕は違うと思う。
僕は僕を信じる。
家族を信じる。
友達を信じる。
未来を信じる。
主人公なんてたいそれた人物ではない。
ヒーローではない
英雄ではない
そんな僕の物語


名古屋市西区の庄内通駅のすぐ近くに、僕は住んでいる。そして学校はさくら通り線の駅の近くだ。
よく晴れた月曜日で今はもう夏になる時期の7月で、暑くて蒸し蒸しするので少し億劫だ。
僕は夏生まれだが夏が嫌いだし、暑いのもきらいだ。
暑い日差しのなか、日を避けながら、学校まで行くのに苦労している。まだ7時だと言うのに暑くてたまらなかった。
朝から暑いとやる気を失うのだ。昨日は夜中の2時までファンタスティックオンラインをプレイしていた。なのに朝は必ず5時30に起きる
早起きは三文の徳というけど、夏は例外じゃないかなと僕は思う。
5時30分に僕は起きると朝ご飯の準備を始める。今日の朝ご飯は、白米、焼きシャケ、ほうれん草のお浸しと卵焼きだ。それを6時30分に作り終えると、7時まで待ち刹那と友奈を起こす。
「友奈起きろ朝だぞ」
友奈は起こすと、すぐに起きて寝ぼけているのか、また寝ようとした。
「友奈また寝るなよ、起きろ!!」
すると友奈は起きて
「おはようございます、お兄さま」
と挨拶をしてから、黙々と布団を片付けた。
「友奈朝ご飯は出来てるから早く食べろよ」
「わかりましたわ、お兄さま」
友奈はそのまま洗濯場に向かって行った。そこで友奈は顔を洗い、歯磨きをし始めた。まあ友奈は起こすのは楽でいいのだが、問題は刹那姉なのだ
「起きろよ、刹那姉」
「後もう少しだけ」
テンプレートみたいなセリフを言うとまた寝た。なんでこの人はこうなのかな?これでも姉か?
僕は何でかそう思ってしまう。歳上とは到底思えるはずもない。めんどくさいなあ
「起きろ、遅刻するぞ」
「えー、今日学校ないよ」
「いやあるだろ。嘘を吐くな早く起きろ」
といい布団を取り上げた。刹那姉はそれでも寝ようとする。だが嫌がる刹那姉を起こして、俺はリビングに向かう。
そして二人がご飯を食べ終えると、学校に向かった。
学校までの道のりを歩いていると、同じ様に歩いている幼馴染の紗月がいた。
紗月は見た目はクールそうだが、実際はとても甘えん坊な女の子だ。
いつもロングヘアでいい香りがするのだ。多分シャンプーの匂いか、洗剤の匂いだ。
「おい紗月、おはよう」
僕は気軽に声をかけた。紗月は振り向くと
「あっ、一輝君おはよう。今日も暑いね」
と紗月はそう口にした。そして俺の隣で歩き始めた。
「ああ、今日は一段と暑くなるってニュースで言ってたぞ」
今朝のニュースの話をすると紗月は
「へぇーそうなんだ、ワタシ今日テレビ見てないんだ」
「なんでだ?」
怪訝そうに俺が訊くと
「だって、今日漢字のテストでしょ、願掛けだよ」
「そう言えば来週から漢字のテストだって忘れてたよ」
「一輝君だめじゃん」
笑いながら紗月は言った。その笑い顔はとても可愛かった。
「おーす、おはよう。紗月に一輝」
後ろから声を掛けてきたのは、同じく幼馴染の佐藤隆史だった。
佐藤隆史俺の友達で、金髪でチャラい感じのいわゆるヤンキーみたいな風貌をしていて、でも性格は良い。
「さっきの話だけど、俺は勉強ちゃんとしてたよ、紗月と一輝はぶっちゃけどうなんだよ。自信あるのか?」
「僕は勉強したけど、自信ないよ」
「ワタシも」
そう俺たちが言うと
「そっか、まあ二人なら大丈夫じゃないの、っと。まあ呑気に勉強しているなら…まあいいか。」
と言い隆史は去った。
「何なんだろうなあいつ、やけに挑発的だな」
「さあ、そんな事より、早く学校に行こう」
「ちょっまっ」
先に走り去った紗月を見てるしかない、僕だった。
おいおいそんなのありかよ。僕は唖然としていた、そこからは、ゆっくりと歩き始めた。
とことこ学校に向かっていると、後ろの方から声が聞こえた
「大神先輩おはようございます」
一柳圭人がこちらに向かって来た。圭人はいつも僕と話をする。
「おはようさん」
「先輩は一人寂しく学校ですか、寂しいですね」
圭人は生意気な事を言ってきた。これがなければ良い奴何だけどな。
「ほっとけ」
俺は拒絶する様に言ってみた。しかし何事も無かったかの様に
「いやいや、尊敬しているんですよこれでも」
と本当かどうか解らない事を言ってきた。圭人はミステリアスな奴だ。秘密しかない。
「嘘つけ」
冗談混じりに言ってみると
「本当ですよ、そもそも先輩は自分に自信無さ過ぎですよ。そんなんだから、紗月先輩振り向かないんですよ」
と訳わからん事を言い始める始末だ。
ここで違うと訂正しないと、後々面倒な事になるから、はっきり言っておこう。
「言っておくが、僕は別に紗月の事を好きではない」
「そうですか、いやあ、ぼくの予想で言っただけですよ。先輩はもっと自分に自信持ってくださいよ、尊敬する先輩のそんな姿見たくないですし」
「お前が言うと、全部ふりに思うのはなんでだろうな」
「いやいや、ふりだなんて。」
圭人は白々しくそう言うと
「あっもう学校に着きましたよ。じゃあぼくはここで」
といい圭人は逃げていった。
僕は圭人と別れると教室に向かって歩き始める。朝とはいえ暑くなる季節で、少しうんざりした気分だった。
そもそも圭人と何故話すようになったか?それすら思い出せないままだ。
なんとなく不思議な気分になるのを自覚していた。

春物語 最終話完結 立ち向かう意思

2024-06-25 08:34:55 | 日記
俺は何であんな事をしたのだろうか?本当は一緒に小説書きたいのに。
あんな事をしたんだ、もう仲良くは出来ない。そんな権利俺にはない。
もう無理なんだよ、あいつは俺の事を友達と思ってくれない。
「信二解ってるよな?」
蓮田は俺の弱味を握ってる、なんで……俺はなんで…
「蓮田、お前校長室に来い」
先生が急に蓮田の腕を掴んで言った
「なんでですか、郷田先生」
蓮田は困惑しながら言った
「早川の恥ずかしい写真持ってるんだろ?」
「それを、なんで…」
「早く来い」


「勝次お前もしかして」
「加奈枝が教えてくれたんだ、さあ一緒に小説書こう、速水もね」
「「ああ」」
三人で小説を書き投稿する、そんな日々はこれからも続く

SUPERAnother

2023-04-24 23:16:12 | 日記
あなたは呪いのカナタさんを知っていますか?
呪いのカナタさんは、満月の夜にとある神社の大きな木の元で、呪い殺したい相手の名前を書いて祝詞を唱えると、呪い殺してくれるというオカルト話。
それに巻き込まれた者たちの物語

2023年4月11日(火)

呪いのカナタさんは本当に在るんだわ絶対に!!
私はそれに願った、きっと叶うはず!!
私の全てを奪ったあの女に復讐する方法よ!!
絶対にあの女だけは許してたまるものか!!
私の彼氏を奪って、私の仕事を奪って、何もかもを奪ったあの女だけは!!
冷静になるのよ私、失敗する事はない、そう自分に言い聞かせた。
私はどうしてこんな事になったのかを、冷静に考えた。
その答えはあの女よ!!長谷川唯なのよ!!
私のなかでも信じられない程、嫉妬や憎悪を抱いている。
私の仕事である声優で主人公である、桜木朔子役を奪った。
漫画で連載していて、もしもアニメ化したら、絶対主人公である桜木朔子の声優になりたかった、なるのが夢だった!!
それなのに病気になって桜木朔子役を演じる事が出来なくなった時期に、少しだけ代わる予定だったのに!!桜木朔子役をそのまま演じる様に手をまわして絶対許さない!!

「あらなに遥さん、こんな所に呼び出して。もしかして貴女の元恋人を、返して欲しいのかしら。」
何をいけしゃーしゃーなこと言っているのよこの女
「違うわ、少しだけ話がしたかったのよ」
冷静になるのよ私!!
「あら、私は話なんて無いわよ、勝手にこんな神社に呼び出さないでくれる」
馬鹿じゃないの、私だってこの女とこんな場所に来たくないわよ
「あらそれはお互い様でしょ、忘れてるかもしれないけど、私達アイドル声優なのよ、人気のない所じゃないと話が出来ないじゃない」
「まあ、それもそうね。話は何なのよ早く言ってくれる?」
「そうね私ね願ったのよ呪いのカナタさんに」
「呪いのカナタさん?何よそれ!!」
唯は感情を剥き出しにして怒鳴ったけど、全然怖くないわ。
「もうすぐ貴女と私は死ぬわ、黄泉の国へと行くのよ」
「冗談も程々にして、帰るわ」
「もう遅いわ、カナタさんが直ぐそこに来ているわ、後よもういるわ」
「えっ」

2023年4月11日(火)赤井陸

俺は赤井陸愛知県守山警察署捜査一課に所属している。
最近カナタさんというホラーな話が流行っている、何でも願えば誰でも呪い殺してくれるという。
まあ尾ひれ背びれついた噂話に過ぎないけど。
そんな存在がいたら、刑事も職務を全うできない!!
呪いなんざ、あって欲しくないな。
「あなた、今日稲穂の幼稚園の面談があるの、あなた参加出きるかしら?」
こいつは俺の妻の優花で、俺みたいな奴を好きになってくれた女だ。
優花との出会いはロマンチックでも運命的でもなく、普通に出会って普通に結婚した。
「今日は非番だから行けるけど、指示が出たらそっちに行かないといけないから」
「刑事も大変ね」
稲穂は俺たちの宝物だ、中々子供に恵まれなかったけどようやく、恵まれた時の感動は馬鹿にならない程喜んだものだ。
俺たちは結婚前と変わらず愛し合っている、おしどり夫婦と呼ばれている。
「いなほさいきんね、すききらいしなくなったんだよ」
「稲穂お喋りができるのか?」
俺は驚いた稲穂と最近接してなかったからか、お喋り出来るなんて知らなかった!

殺人現場

「おう非番なのにすまなかったな」
と吉村大輝警部は社交辞令をした。
「取り敢えずこっちに来い」
俺を殺人現場の死体の場所まで連れて行った。血なまぐさい臭いがした、被害者は二人で心中かと思われる、にしても両方顔が無いとはエグいな!
両方共女性みたいだ。この現場何故か嫌な予感がする、この殺し方尋常じゃない、俺は何か関わってはいけない事件に関わってしまったみたいだ。
「警部これはどういう状況何でしょうか」
「被害者は二人で、身元は指紋で判ったが、神奈川遥さん二十九歳職業声優、同じく声優の長谷川唯さん二十二歳、死亡推定時刻は午前二時この神社で殺害されていた。」
午前二時そんな時間にこの場所で殺人を犯したのか?
この場所は滅多に人が通らないから、確かに殺人には向いている場所だ。
でもこの二人何でこんな場所に?
「何でもこの場所で打ち合わせをって普通しますか?こんな場所で?」
と一人の花川貴史巡査は独りボケツッコミみたいな事をしている・・・意味不明。
ここには何か悍ましい程の悪意を感じる。
「そして凶器は見つかっていませんが、断面的にチェンソーか、電動ノコギリとかの凶器じゃないかと鑑識は言っていますね」
被害者は首を切られて頭を持ち去られている、つまり犯人は頭を持ち去る事が警察への挑戦状なんだ。
だからなんとしてもこの事件解決させないとな。
「なんだ、早川の奴まだ来ないのか?」
早川とは俺の相方の刑事の早川任三郎だ、いつも遅刻をしては怒られてばかりでその度に警部の雷が落ちることになり、俺まで叱られる事に。
いい迷惑だよ全く。でも早川は頭はいい方でいつも解決へ導いてくれた。俺の自慢の相棒だ。
「あいつはまた、パチンコでもしてるんじゃないですか?」
そう俺が言った時に丁度現場に早川が現れた。
「すいません、ちょっと女房と揉めてまして」
「おい早川、遅いぞ」
「いやあ、女房の奴が呪いのカナタさんとかいう、オカルト話を信じちまって。怖いから今日は早く帰ってきてって泣きついてきて」
カナタさんか確かにあのオカルト話、今知らない奴はあんましいないだろうから。
「全く幽霊とかいるわけ無いだろう」
「とにかく聞き込みに廻ってくれ。」

町中に長谷川さんと神奈川さんの目撃情報を調べているが、夜中の2時なんてみんな見ている訳がない。
「先輩、本当に目撃者なんているんすか?」
早川は不満気に呟いた、それは俺も同感だ、死亡推定時刻が夜中の2時だし、人気のない神社だいる訳がない
「あのなぁ、確かに同感はするが断言出来ないぞ。なにせ確かに人気はないが、二人の叫び声が聞こえるはずだ。近くに家があるんだ聞こえているはずだ」
そうだ、二人は頭が無くなっているんだ、つまり何らかの凶器を犯人は持っているはず。
そんな凶器を持っているのを目撃したら、絶対叫ぶはずだ。
まずは神社の近くにある小学校の付近にある家を訪ねた。
チャイムを鳴らすと、ピンポンとチャイムがなり、家の中からその家の住民が出てきた。
「はーいどなたですか?」
女性は俺たちを怪訝に思っていそうで、直ぐに警察手帳を見せてから身分を名乗った
「私は赤井陸で、隣が早川任三郎です。少しだけ話を聞かせて貰えませんか」
「知っている限りでいいですか?そもそも何の取り調べなんですか?近くの神社に警察が来ているみたいですけど」
「はい先程警察に殺人事件の通報がありまして、それの取り調べと言うより事情聴取ですので拒否権はあります」
「ならいいですよ、何が訊きたいんですか?」
俺は一息入れると
「まずは午前二時に叫び声は聞こえましたか?」
「叫び声?・・・いいえその時間帯は徹夜で漫画を書いていましたけど、全然聞こえませんでしたよ、あと神社ですよね、そんな距離の叫び声、ここまで聞こえませんよ」
確かにそうだった、馬鹿だぁ俺は・・・
聞き込みは諦めるしかない
「すいません以上です、他に思い出した事があったら、こちらへ連絡をして下さい」
名刺を渡すとその場を去った。

4月12日 (水) 赤井陸

あれから進展はなしだ、まああんな夜中でしかも人気のない神社で起こった殺人事件を直ぐに解ける訳がないからか。
でも解けない謎なんてない、きっと解けるはずだ。
この殺人事件は少し特殊だけど絶対に解決する。

「先輩、知っているんすか?呪いのカナタさんって」
それは昨日噂話を聞いたばかりだ。
「ああ知っているよ」
「なら、神社で祝詞を唱えるのが方法の一つだという事もっすか?」
神社で?・・・まさか・・・そんな訳ない、呪いなんてないんだ!!絶対に!!
「何が言いたいんだ?」
「要するにっすね、呪いのカナタさんの仕業じゃないんすか?」
「呪いなんてない!!絶対!!」

4月11日(火)春川ますみ

わたしは春川ますみ、今日は朝早くに起きてしまった。パトカーの音で起こされたのだ。
全くサイレンを朝早くに鳴らさないで欲しいとわたしは思う。
朝早いんだからそうそう混んでいないはずなんだから。
そもそも朝っぱらからサイレン鳴らすとか、近所迷惑になることも考えないのかしら。
はぁ朝から最悪よ!!
わたしは顔を洗うと、朝ご飯を食べた。わたしの朝ご飯はいつも、パンにハムエッグとコーヒーと決まっている、そんな習慣が身についてしまった。
今日は帰ってきたら酒でも呑みましょう。
わたしはここから自動車で二十分の所にある、カナミ新聞社に勤めている。
車で行くのだが結構道は複雑なの。

「そういえば仁美あんた、また翔子の彼氏を奪ったみたいじゃない、一体あんた何を考えているの?」
宮川仁美と若田麻衣子が何か話しているのが聞こえて来た。
なんか仁美って、人の彼氏を奪う事を生き甲斐にしている、そんな感じがする。
前も中田由紀子の彼氏を奪っていたし、その前は原山佳奈多の彼氏を奪っている。
そんなに人の彼氏がいいのかな?
仁美は可愛いんだから彼氏を奪わなくてもいいのに。
でも仁美は人の彼氏を奪うのは辞めないわね。
「まあワタシは人の彼氏が宝石なんだよね、ていうかみんなチョロイのよね、ワタシがただ奪うだけって知らないし、この会社以外の男性しか狙わないから、ばれる心配無いのよね。」
そういう所は狡賢いのよね。確かにこの会社で仁美の男癖の悪さを知らない男いないからね。
「まあ騙される奴が悪いのよ」
この性格を知っていれば騙される事ないのにね。
「前も確か原山佳奈多って子の彼氏を奪ってなかった?確か自殺したんじゃなかった?」
「あんなのブサイクが粋がってたから悪いのよ。」
「まあそうね、それよりイケメン漁りに行かない?」
そこからは違う話になった。
なんで自殺した子にそんな事が言えるのよ。
「編集長なんで仁美を首にしないんですか?」
「まあ今は昼休みだし、人の恋愛沙汰に首をつっこむのもねぇ」
駄目だ使い物にならない。
編集長も仁美に恋い焦がれているんだろうな。
「わたし殺人事件の取材に行ってきます。」

事件現場 春川ますみ

事件現場でわたしの家の近くの神社で殺人事件が起きていたみたい。
今朝のパトカーの音はこれだったのね。
殺人事件の進展は無しのようだ。
花川貴史という刑事に取材してみることにした。
「すいません、取材協力お願いできますか?」
「いいですよ」

4月12日 (水) 赤井陸

「なあお前、呪いのカナタさんっていると思うか?」
俺は優花に訊いてみた、まあ優花は信じているだろうけどな。
優花はオカルト話に目がなく、結婚する前からオカルト好きだった。
「私はいないと思うな」
えっ予想外の答えに仰天した。あの優花がそんな事を言うなんて。
「私ね確かにオカルト好きだけど、明らかに作り話って話しは信じない事にしてるの。後私は雪女とかそういう話も好きよ。」
「そうなんだ、それよりも昨日はゴメンな面談行けなくてさ」
「あら、そんなの結婚前から決めていた事じゃない。何を謝る必要ないわよ」
「そうかお前ありがとう」
「じゃあおやすみなさい」