ソウルソサエティ、それは人間が死んだ後に行く場所。
そこには死神が住んでいて、護挺十三隊と呼ばれる隊が存在する。そして死神は護挺十三隊に入隊するのを目的として職務に就いている。
虚圏と現世と尸魂界は、魂の均衡が保たれて存在している。
尸魂界は魂の原点とも、言われる世界だ。魂の均衡が崩れると、三つの世界が一つになってしまうのだ。
現世に現れる虚は斬魄刀で浄化して、尸魂界に送られる。
ただし虚になった後の罪が浄化される、虚になる前の罪は浄化されず、地獄へ落ちる。
護廷十三隊の隊長も死ぬと地獄へ落ちる。
斬魄刀は自分の魂が反映されると、言われている。
現世に虚退治に行ったり、瀞霊廷の安全の確保、流魂街の安全が護廷十三隊に求められる。
僕こと夕凪時生は、護挺十三隊の十番隊の一席を務めていて、なんとかこなしている。
僕の斬魄刀『両面宿儺』は氷雪系の斬魄刀で、空気中の霊子と水素を氷の斬撃に変える能力だ。
僕は鬼道、縛道は使えるが、あんまし戦闘では使わない。
僕は今は現世で虚の反応があったと、される場所へ赴いている。
阿良々木俊隊長は忙しいので、僕と二席の鏑木東次郎(かぶらぎとうじろう)と一緒に現世で任務を実行している。
鏑木の斬魄刀は龍神丸、焔を圧縮した斬撃を飛ばして放つ斬魄刀だ。
現世の空座町が一番悪魔が現れ易い場所である。そして今は空座町にいる。悪魔を探していて、空座町の上空を視察している。
上空から何かが飛んで来た、よく見ると虚だ。
「血肉を引き裂け両面宿儺」
斬魄刀を始解した。
「氷河龍滅」
氷河龍滅は空気中の水素を龍の斬撃にして放つ技だ。虚に当たり虚は炎系統の技を放ってきた。
「氷竜氷壁」
炎の技を氷の壁で防いだ。
「氷碧弾」
氷の砲撃を放って、当たり虚は消え去った、しかしおかしい。反応した虚の霊圧ではなかったのだ。
「鏑木どう思うんだ?霊圧が違い過ぎる」
僕は疑問に思った事を鏑木に尋ねた。
「多分まだ何処かに居ると思う、阿良々木隊長に連絡しよう」
僕は急いで阿良々木隊長に連絡をした。したのだが応答しなかった。
「阿良々木隊長が応答しない、どうなってるんだ?」
はっ。はーはー…またこの夢か。なんでいつもこの夢を見るんだ?
約三百年前の出来事の夢だ。
阿良々木隊長は、あの後から尸魂界で姿を消した。
何で阿良々木隊長は失踪したのか?
他の隊の隊長の二番隊隊長・中岸夕栄(なかぎしゆうえい)、
五番隊隊長・朝霧春樹
副隊長・木津川綺堂(こつがわきどう)
六番隊隊長・春川優斗
副隊長・安川乃一
その計六名が行方を晦ませた。
僕は思うんだ、あの6人が行方不明になった理由は、何かこの尸魂界の中で知られてはいけない、何かを知ったんだと。
だから行方不明になったんだな。
阿良々木隊長はよくできた隊長だった、部下思いで、仕事に熱中して、虚も簡単に倒して。
強くて優しく人柄のいい隊長だった。
僕は阿良々木隊長の事を考えながら、書類整理をしている。
副隊長の鏑木東次郎と一緒に、阿良々木隊長を探した事もあった。
でも見つからなかった、もしかしたら死んだのかも知れない。
生きていて欲しい。そしてまた一緒に戦いたい。そう思うのは間違っているのだろうか?
いや間違ってなどいないんだ!!
絶対!!
はあ、仕事するか……ん……流魂街で何人か蒸発?消えた?
一体どういう事だ?死神も蒸発しているのか?
何でだ?
総隊長は何か知っているのだろうか?
いや知らないな。
ちんたらしていても始まらないな!長谷川衣織(いお)隊長の所に行くか!
衣織隊長率いる十二番隊は技術開発局で、色々な実験や道具を作っている。
でも衣織隊長は少し苦手なんだよな…はあ…
まあ行くか
技術開発局は、色々な機械や薬が、そこらかしこにあるのだ。
かなり悪趣味な外見をしていて、入るのを躊躇ってしまう。
まあそれでも中に入らないといけないからな。
意を決して中に入った。
やはり色々な機械や薬があり、それが気味悪いのだ。なにやら実験動物みたいな生物が、培養液に漬かっている。
「おやおや、これは時生隊長じゃないかね。僕的には会いたくない部類の人間だよ」
衣織隊長は明らかに僕の事を嫌っているのだ!
それは今に始まった事ではないので、慣れてはいるが、やはりむかつくのだ。
衣織隊長は外見は男性アイドルみたいな顔に、体付きで。性格は凄く歪んでいるのだ。
斬魄刀は明鏡止水で、斬られると視覚を奪われて、始解を解くか十分経つかのどっちかでしか解けない。
だから余り戦いたくない相手だ。
「で何の用だね、用が無いなら出ていってくれないかね」
本当にむかつく奴だな、そんな事を思いつつ、用件を伝える事に
「死神が消失する原因は解っているのか?」
「この僕に向かってそんな発言、理解できないね。」
と言い呆れながら
「魂魄に必要以上に虚の力か、悪魔の力を与えたなら魂魄は蒸発するだろうね(作者の考えです)」
魂魄に必要以上の力か…
「後だね、解っていることは、この瀞霊廷にその犯人が紛れていると言う可能性がある、という事だね。」
この瀞霊廷に裏切り者がいる…
「信用出来る部下を連れる事だね」
「忠告ありがとうな、やるべき事をやらないとね」
しかし裏切り者を探すというのはな…
やるしかない、阿良々木隊長を見つける為にも。
「そうだね、まあ君には必要無い情報かも知れないが、このところ君のところの副隊長の、鏑木が三時間前に同じ事を訪ねてきたのだよ」
鏑木が同じ事を訪ねた…どういう事だ?
「まあ君の差し金じゃなかったみたいだね。忙しいんだとっとと、出ていきたまえ」
☆
衣織は実験動物の調整をしている、この実験動物は浅打に融合させて育てている。
しかし斬魄刀にしたいと考えて作ってはいるが、衣織の満足のいく斬魄刀にならなかった。
これは総隊長の小大地青龍が許可をだしている。
斬魄刀を作り、死神に与えるその実験は総隊長の悲願でもある実験だ。
「もう少しだよ、もう少しで完成するんだ」
衣織が斬魄刀に目を向けている時に、何かの気配を感じた。
「誰だね!」
しかし誰も現れない
「なんだ、気の所為か…」
次の瞬間目の前に誰かが現れた
「おうおう、お前が長谷川衣織か?」
筋肉ムキムキでがたいが良くて、強面の悪魔が訪ねてきた
「確かに、僕が長谷川衣織だよ、君は誰なんだい?」
「俺様か、俺様はガイズ・ウルフェイスだ」
ガイズは斬魄刀を奪い去った。
ガイズの目的は一体?
一番隊隊舎で総隊長の浅桐小十郎が全隊隊長が集合するのを、待っている。そして暫くして全隊隊長が揃った。
二番隊隊長神奈川翔子
三番隊隊長雪原誠治
四番隊隊長伊佐祥平
五番隊隊長中山新羅
六番隊隊長小大地青龍
七番隊隊長白雪美香
八番隊隊長山川海斗
九番隊隊長一条桐斗
十番隊隊長夕凪時生
十一番隊隊長高井久良(くうら)
十二番隊隊長長谷川衣織
十三番隊隊長和賀井哲郎
全員揃い総隊長が事件を語る。
「皆に集まって貰ったのは他でもない、技術開発局から斬魄刀が何者かにより奪い去られた。衣織隊長どんな斬魄刀が盗まれたのだ?」
「僕が丹精込めて作っていた、虹鬼神だよ。能力は全ての系統の技を使える斬魄刀だよ」
周りがざわつき出した、全系統の技を使える斬魄刀は、脅威になりえるからだ。
そんな斬魄刀が敵か?味方か?解らないそんな奴に斬魄刀が盗まれたのだ!!
「まあ、始解をそんな簡単に使わせる斬魄刀ではないんだけどね。」
「それがどんな敵に奪われたんだ?」
翔子が強い口調で訊いた。
「ガイズ・ウルフェイスとか言ってたねぇ。まあ僕はあの斬魄刀に発信機を付けておいたからね、今は……反応がないだと?一体どういう事だ?」
「反応がないのでは仕方ないですわね。わたくし達が出来るのは、ただ敵がまた現れるのを待つだけですわね」
美香は仕方ない様に言った。
「とにかくみなその敵を探すのだ」
「後ね総隊長殿、奴らは悪魔だと名乗っていたねぇ、三千年前に、総隊長殿が絶滅させたはずなんだけどねぇ。まあ僕は僕でやってみる事にするよ。まあ悪魔だとしたら、念には念を入れた方がいいですよ」
☆
会議が終わりそれぞれが動き始めた。衣織隊長は直ぐ様研究室に缶詰状態になってしまった。
久良隊長は喧嘩早いので、早速悪魔達を探しに向かった。まあ十一番隊は喧嘩好きなのが有名だ。
「おい、時生。おめえは奴らの事、どう思っているんだ?」
桐斗隊長はそう訪ねてきたが、僕は少し悩んだ後
「悪魔だとしたら油断ならないな。三千年前に絶滅した筈だと衣織隊長は言っていたけどね」
まあ悪魔なんか今では、伝説になっていて、みんなの記憶から消えかけていた。まあ無理もない、今まで一度も現れなかったんだから。
それにしても悪魔か…僕は空を見上げて。(多分阿良々木隊長は悪魔と遭遇したのかもしれないな)
と想いを馳せていた