さいごのかぎ / Quest for grandmaster key

「TYPE-MOON」「うみねこのなく頃に」その他フィクションの読解です。
まずは記事冒頭の目次などからどうぞ。

犯行告発ep2・サファイア・アキュゼイション2

2009年07月14日 13時40分35秒 | 犯人特定
※初めての方はこちらもどうぞ→ ■うみねこ推理 目次■ ■トピック別 目次■


犯行告発ep2・サファイア・アキュゼイション2
 筆者-初出●Townmemory -(2009/06/24(Wed) 20:18:17)・(2009/07/02(Thu)13:43:36

 http://naderika.com/Cgi/umi_log_cbbs/umi_logcbbs.cgi?mode=red2&namber=27555&no=3 (ミラー
 http://naderika.com/Cgi/umi_log_cbbs/umi_logcbbs.cgi?mode=red2&namber=27988&no=3 (ミラー
 Ep4当時に執筆されました]


●再掲にあたっての筆者注
「うみねこのなく頃に」公式掲示板にて、「サファイア・アキュゼイション」(蒼き告発)シリーズという企画が行われています。

 これは、各エピソードの各殺人現場で、いったい誰が殺人をし、誰がその共犯者なのか、考えうるパターンを最大3個まで挙げて、その結果を集計し、
「いったい誰がどのくらい怪しまれているのか」
 を、数値化してみよう、という企画です。

 わたしが提出した答えを、以下に再掲します。
 今回はep2に関する回答です。

 2回に分けて集計されたものを、ひとつの記事としてまとめます。
 引用部(青字)は、出題者・藤井ねいのさんの書き込みから抽出した出題部です。

 犯行告発ep1・サファイア・アキュゼイション1

 以下が本文です。


     ☆


 アキュゼイションに回答します。


>【EP2】第1の晩 礼拝堂
>〔被害者〕右代宮蔵臼・右代宮夏妃・右代宮秀吉・右代宮絵羽・右代宮留弗夫・右代宮霧江


 パターン1:朱志香(殺害・死体加工)、源次(被害者を礼拝堂へ誘導・死体加工・礼拝堂飾り付け)、南條(死因の隠蔽)
 パターン2:朱志香(殺害・死体加工)、源次(被害者を礼拝堂へ誘導・死体加工・礼拝堂飾り付け)、南條(死因の隠蔽)、熊沢(礼拝堂飾り付け)


 バリエーションは、熊沢を含めるかどうか・礼拝堂飾り付けを犯行関与に含めるかどうかです。判断がむずかしかったので、集計時にどちらか一方のみにしていただいてもかまいません。(熊沢は殺人が行われることを知っているという考えです)

 まず、楼座に「遺産相続に関して重要情報あり。ついては親族会議を中座し自室にて指示を待て」と、怪文書か口頭かで伝えておく。これで親族会議が被害者ちょうど6人になる。
 源次に、「ベアトリーチェ様が礼拝堂にてお待ちです」と6人に伝えさせ、礼拝堂に呼び出す。
 そこには、例のブレザーを着た朱志香がおり、自分が金蔵称号を受け継いで右代宮家当主となったことを宣言する。
 証拠として指輪、3本のインゴット、そしてきちんと法的に整備された財産譲渡証明書のコピーなどが提示される。
 きわめつけに、「私が当主であることを承認してくれたら、困っている大金を無条件に融資しよう」とでも言う。インゴットは一家ずつに与えられた継承祝いの引き出物。これで6人全員が朱志香の当主継承を承認する。大人6人は朱志香をなめていて、言うことをきかせる方法はいくらでもあると思っている。

 あとは、「では右代宮家のさらなる繁栄を願って乾杯しよう」で毒殺。源次に手伝わせて加工。
 ハロウィンの飾り付けが、殺害前か殺害後かは、不定。

 ちなみに施錠の謎は、赤字を信じないだけで開きっぱなしになりますが、
「指定の時間が来たら鍵を開け、それからまた指定の時間に鍵を閉めに行け」
 と真里亞に命令しておいたら、赤字に抵触せずに密室化できます。これは普通の考え方ですね。これでいいと思います。


>【EP2】第2の晩 朱志香の部屋
>〔被害者〕右代宮朱志香・嘉音


 パターン1:朱志香(死んだフリ)、南條(検死で虚偽を言う)

 これだけ。単純。
 嘉音はもともと存在しない。朱志香が空想から生み出した「家具」(真里亞のさくたろうに相当するもの)。
 ふたりの幽霊が出てくるシーンは、生きてる朱志香と、そのエア彼氏の脳内会話。

 楼座がさくたろう人形を壊したように、嘉音のモデルとなるものが破壊されるようなイベントが過去にこの部屋で起こっていれば、「嘉音はこの部屋で殺された」の赤字が成立します。
「嘉音なんてどこにもいないじゃないか!」と誰か(戦人)に決めつけられた、とかでも可です。


>【EP2】第4~6の晩 夏妃の部屋
>〔被害者〕紗音・郷田俊朗・右代宮譲治


 パターン1:朱志香(殺害)

 6本めのマスターキーで鍵をがちゃっと開けて、消音器つきの拳銃でばすばす撃つだけです。

●追記(090714)
 赤字は、ベアトリーチェが「こうであったらいいな、という願い」(個人的な真実)を口にしたものであり、必ずしも六軒島の物理的事実と一致してはいないという考えです。
 つまり、わたしを含めたさまざまなユーザーが、「こんな真相だったらいいな」という願いを、ネット上で様々に口にしているのと、現象として同じだと見ています。
 参考→ グランドマスターキーの発見・もう謎なんてない赤字の真偽と、「真実」の定義について



---------------------


 アキュゼイションに回答します。
 よろしくお願いします。


>【EP2】第7・8の晩 使用人室?
>〔被害者〕熊沢ちよ・南條輝正


 パターン1(のみ):朱志香(殺害)

 裏口に血まみれで現れて、ぐちゃぐちゃどろどろの流血ショーをやったあげく、2名をさっくり殺したのは、そのまんま朱志香だと見ます。
 犯行が行われたあと、客間に報告に行った郷田が、モゴモゴと言葉をにごして、結局だれがやったのか言えなかったのは、「死んだはずの朱志香が現れて殺した」とはとても言い出せなかった、と見ても、そのまま通ります。

 さてさて、このパート、ぜひ語らせてほしいことがあるので、どうかペラペラと語らせてくださいな。

 まず、「金蔵の筆耕」という描写がありましたな。あれ、「朱志香が源次に命じて魔女の手紙を書かせている」と見ました。
「お二人の死体をお借りします」の一文が急遽必要になったので、書かせたのだと考えます。
 つまりこの時点で、「使用人チーム5人が1室に集まったら、そのうち2人を殺そう」というプランがあったと考えるわけですね。

 さて、以前の告発でも書いたのですが、わたしは、源次・南條・熊沢が犯人側の協力者だと考えております。
 そして、使用人室に集まった5人とは、源次・南條・熊沢と、紗音・郷田。
 つまり本来の計画では、ここでは、「紗音と郷田」の2名が殺されるはずだったと見ます。この2名を消せば、あとはグルばかりなので偽証しほうだいです。

 ところがですね、この2人を殺せない理由ができてしまった。
 まず紗音。紗音が死んだら、それを知った譲治がものすごく哀しむだろう、泣き叫ぶだろう、絶望するだろう。それを考えたら、殺せなくなってしまった。朱志香がループ記憶を持っていると考えれば、この想像はより強化されます。どっちみち、最終的には殺すんですが、できることなら、紗音と譲治をいっぺんに殺したい。そうすれば、生き残ったほうの絶望を見なくてすむ。

 そして郷田のほうなんですが。
 朱志香さん、紗音から郷田のしょうもない勤め態度について、たびたび耳にしているはずです。自分ばっかおいしい目にあおうとするとか。ミスを紗音に押しつけるとか。
 とんでもないヤツだ。生かしておく価値ないな。
 だからep1では真っ先に殺したのかもしれないです。
 ところが、そんな郷田の別の側面を、うっかり見てしまうわけですね。
「この郷田を信じろとは申しません、紗音さんだけは信じていただくわけにはまいりませんか!!」
 楼座に対して、そんなふうに、熱血で詰め寄りました。

 しまった。こいつは大した奴だった。私の目が曇っていたから、この男の価値に気づかなかっただけなんだ。私に愛がなかったから、郷田が立派な男だという事実が視えなかっただけなんだ。
 カネに目がくらんで人殺しの片棒をかつぐような奴より、ずっと情愛のある男じゃないか。

 それで、「カネに目がくらんで人殺しの片棒をかつぐような奴」のうちから2人選んで殺したんだと、そう解釈してみたりすると、ドラマチックでしょう。

(だんだん自分がお祭の香具師のように思えてきた……)

 最後に、死体を持ち帰った理由。
 この時点で碑文殺人の残りはあと3人。朱志香は、ぴったり3人殺す自信がなかった。勢いあまって4人殺しちゃうかもしれない。客間に4人籠城してる状態で3人だけ殺すのは難しいし、使用人室に譲治・紗音・郷田・源次がいる状態で、源次が「ここに残る」と言い出さなかったら、やっぱりまきぞえで源次ごと殺しちゃうかもしれない。
 そこで、4人殺しちゃったら、熊沢にだけ杭を打って発見させ、南條の死体は隠したままにしとこう(逆でも可)。うまく3人ちょっきり殺せたら、両方の死体に杭を打って放り出そう。そんなつじつまあわせのためかと思います。このアイデアは誰が犯人だとしても汎用的に通用しそうですよね。


>【EP2】第9の晩 ホール?
>〔被害者〕右代宮金蔵・源次・右代宮戦人


 パターン1のみ:朱志香(起爆)

 爆発物でドボンだと想像いたします。
 ひょっとしたら書斎で朱志香が、自分の犯行をまとめて暴露する、というようなくだりもあったのやもしれませんね。


>【EP2】その後 屋敷外
>〔被害者〕右代宮楼座・右代宮真理亞


 パターン1のみ:朱志香(殺害)

 屋外でのあのバトルシーンが実際にあったのかどうかが、そもそも怪しいですが、あったほうがテーマにかなう(真里亞が母の愛を再確認する)気がしますね。
 としたら、実際には、楼座と朱志香の銃撃戦が発生した、くらいのゆるい想像でOKな感じがします。


 続き→ 犯行告発ep3・サファイア・アキュゼイション3



■目次1(犯人・ルール・各Ep)■
■目次2(カケラ世界・赤字・勝利条件)■
■目次(全記事)■


■関連記事
●犯人特定
「朱志香=ベアトリーチェ」説・総論
 朱志香説総論その2・家具の正体と黄金郷の正体
 サソリのお守りが効いた理由
 ep4は親チームのドッキリではないか?
 魔女が鏡に弱い理由
 留弗夫「俺は殺される」と「07151129」
 「魔女の手紙」の取り出し方

●盤面解析
 駒の動きその1・南條(大爆発説)
 駒の動きその2・戦人、真里亞、嘉音
 ルールXYZを指さそう
 駒の動きその3・銃(とわたしはだあれ)
 駒の動きその4・盤面(I)
 駒の動きその5・盤面(II)
 駒の動きその6・盤面(III

 チェックメイト――黄金郷再び・金蔵翁の黄金郷
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犯行告発ep1・サファイア・アキュゼイション1

2009年07月12日 00時51分47秒 | 犯人特定
※初めての方はこちらもどうぞ→ ■うみねこ推理 目次■ ■トピック別 目次■


犯行告発ep1・サファイア・アキュゼイション1
 筆者-初出●Townmemory -(2009/06/09(Tue) 23:33:15)・(2009/06/17(Wed) 02:55:46)

 http://naderika.com/Cgi/umi_log_cbbs/umi_logcbbs.cgi?mode=red2&namber=26613&no=3 (ミラー
 http://naderika.com/Cgi/umi_log_cbbs/umi_logcbbs.cgi?mode=red2&namber=27109&no=3 (ミラー
 Ep4当時に執筆されました]


●再掲にあたっての筆者注
「うみねこのなく頃に」公式掲示板にて、「サファイア・アキュゼイション」(蒼き告発)シリーズという企画が行われています。

 これは、各エピソードの各殺人現場で、いったい誰が殺人をし、誰がその共犯者なのか、考えうるパターンを最大3個まで挙げて、その結果を集計し、
「いったい誰がどのくらい怪しまれているのか」
 を、数値化してみよう、という企画です。

 わたしが提出した答えを、以下に再掲します。わたしが、具体的にどんな犯行状況を想定しているのかが、おわかりいただけると思います。

 2回に分けて集計されたものを、ひとつの記事としてまとめます。
 引用部(青字)は、出題者・藤井ねいのさんの書き込み内から抽出した出題部です。

 以下が本文です。


     ☆


 サファイア・アキュゼイション(蒼き告発)に回答します。
 この数値化シリーズ、おもしろいですね。


>【EP1】第1の晩 園芸倉庫
>〔被害者〕右代宮蔵臼・右代宮留弗夫・右代宮霧江・右代宮楼座・郷田俊朗・紗音


パターン1 朱志香(殺害犯・死体運搬・死体加工)、南條(検死虚偽報告)
パターン2 朱志香(殺害犯・死体運搬・死体加工)、源次(死体運搬補助・死体加工補助)、南條(検死虚偽報告)


 基本的に、朱志香が拳銃を使用して殺害。南條は、銃創を発見しても伏せておく。この流れ。
 台車があれば運搬はそれほど難しくないが、時間短縮のため源次が協力した可能性があります。半壊顔面と全壊顔面の差は、加工者の違いによるもの。たぶん半壊が朱志香。いや……逆かな?

●追記(090713)
 半壊顔面を加工したのが朱志香、で良いと見ます。
 自分が作り出した死体の顔を、正視できる人とできない人の差が出たのだと今は考えています。



>【EP1】第2の晩 客室
>〔被害者〕右代宮秀吉・右代宮絵羽


パターン1のみ 朱志香(殺害犯)、源次(口裏合わせ)、熊沢(口裏合わせ)、南條(検死虚偽報告)

 チェーンを切ったのは朱志香で、殺害時。
 確実性を考えると、絵羽夫妻生存時にドアにチェーンはそもそもなかった(取り外してあった)。殺害後、チェーンを取り付け、切断しておいた。そう考えるのが妥当か。
 源次と熊沢は、「チェーンがかかっていた」「チェーンを切断した」と証言する係。南條は、アイスピックが銃創に差し込まれたものだということを黙っている係。
 嘉音は、金蔵同様、事件当時この島に存在しない架空の存在と見ています。よって、事件に関わりようがないと見る。


>【EP1】第4・5の晩 ボイラー室
>〔被害者〕右代宮金蔵・嘉音


パターン1のみ 朱志香(金蔵殺害、嘉音消滅宣言)、源次(金蔵死体運搬)、熊沢(口裏合わせ)、南條(検死虚偽報告)

 金蔵を殺したのは朱志香。死体を運んだのが源次。
 嘉音は架空の存在(真里亞にとってのさくたろうに相当するもの)。朱志香が、「嘉音は今後、存在しない」と決めたら存在しないことになる。この場合、嘉音は自殺ではなく他殺ではなく事故死でもない。
 南條と朱志香が、嘉音を必死で救命しようとした、というのは虚偽。


 こんな感じでよろしいのでしょうか。

-------------------------------

 第2弾に回答します。
 よろしくお願いします。


>【EP1】第6~8の晩 客間
>〔被害者〕呂ノ上源次・南條輝正・熊沢ちよ


 パターン1(のみ):朱志香(殺害)

 なんとこれだけです。単純。
 アリバイは幻想描写による捏造。
(それにしても、「アリバイは幻想で捏造」の手を使う人、少ないですね。すごいラクですよぉ……)

 源次、南條、熊沢は共犯者なので、犯人朱志香が「私だ、開けろ、終わったぜ」と言えば、ドアを開けます。終わったぜというのは、夏妃、譲治、戦人を殺してきたぜという意味。この時点、碑文殺人の残り被害者は3人なので、3人殺して殺人計画が全部済んだぜといえば源次たちは安心します。
 まあ、朱志香はマスターキーも持っていると思うので、ガチャッっと自分で開けてもOK。

 あとは、真里亞に、「壁に向かってお歌を歌っていなさい」と命令し、3人を射殺すれば良い。散弾銃を使ったかどうかは、金蔵書斎の防音性しだいです。たいした防音性でもないのなら、消音器つきの拳銃で射殺して顔耕しの必要があります。

 終わったら夏妃への決闘状を置き、「何分後に書斎に電話をかけなさい」と真里亞に命令するだけ。

 これ、真里亞を共犯とするかどうかは難しい境界線だと思います。必要だと思ったら真里亞も集計して下さい。


●追記(090712)
 この局面については、その後、別のアイデアを思いついて、
「源次、南條、熊沢に、顔面が破壊されたように見える特殊メイクをかぶらせる。メイクにはプラスチック爆弾と信管が仕込んである。『メイクを使って死んだふりをしろ』と命令しておいて起爆スイッチを押し、本当に殺す」
 これでも良いな、と思い始めています。
 遠隔スイッチを想定するので、朱志香が書斎から出る必要がない、というメリットがあります。
 ep4の第一の晩でも、同じことがあった可能性があります。
 参考→ 竜騎士トラップ解析1・ミラクルスナイパーはいない



>【EP1】玄関ホール
>〔被害者〕右代宮夏妃


 パターン1(のみ):朱志香(殺害)

 アリバイは幻想描写による捏造。
 夏妃を手紙で呼び出し、姿を見せ、「犯人は私」と言って、夏妃を射殺する。

 なんでそんな行動をとったかというと、13人も次々と殺してきて、朱志香の精神はそうとうな圧迫にさらされつづけている。絶対吐いたりしてると思う。
 自分で始めたことだけど、「もういやだ」と思ってる。
「誰か私を止めてほしい」と思ってる。
 で、お母さんに止めてもらおう。お母さんの手で自分を殺してもらおうと思った。そんな想像をしております。

 もうひとつ補助線として想定したいのは、朱志香はお母さんを殺したくなかった。だから「決闘」という体裁がえらばれたんだと思います。
 朱志香が犯人だとするなら、朱志香は、誰も魔法を信じない世界の孤独な魔女・ベアトリーチェです。
 でもお母さんは、自分があげたサソリのお守りを、きちんとドアノブにかけてくれました。
 サソリのお守りが魔を払う、というのは、おまじないであって、つまり「魔法」です。お母さんは、朱志香の魔法を信じてくれたということです。
 もうひとつ。夏妃は書斎で、あらゆる信用や信頼を失ってもいいから朱志香を守りたいのだ、という意志を明確にしました。
 私、愛されてないと思っていたけど、お母さんにこんなに愛されていたんだ。
 それに気付いたら、もう、お母さんを殺せません。

 でも、右代宮関係者を全滅させるプランはすでに完璧に動いています。いまさら後戻りとか、できません。
 そこで、黒か赤かの賭けに出ることにします。
 お母さんと対決しよう。
 お母さんが私を殺してくれたら、そのままこの島から生還してもらおう。

 でも、夏妃は娘を殺すことはできなかった。

 そんなことが起こったんだろう、とまあ、想像をたくましくしておりますですよ。


>【EP1】第9の晩以降
>〔被害者〕右代宮譲治・右代宮朱志香・右代宮戦人・右代宮真里亞


 パターン1(のみ):朱志香(起爆)

 右代宮邸のどこかに設置された大量の爆発物を起爆した。あるいは、時限装置を解除しなかった。
 これで、朱志香本人も含めて、死体ごと消滅です。あてずっぽで言いますが、たぶん爆発物の量は10トンくらい(これが黄金か)。源次が設置に関わっているようなことは、ないでしょう。

 朱志香が死ぬと、「私は朱志香で、この現実世界にいる」と観測する「私」がいなくなりますので、猫箱の猫と同じ状況になります。彼女は誰にでもなれて、どこにでも存在できる可能性を手に入れます。
 そこで、彼女はベアトリーチェの姿を手に入れ、お茶会空間やら、メタ世界といった、「どこでもない場所」で存在しはじめます。

 以上でございます。


 続き→ 犯行告発ep2・サファイア・アキュゼイション2



■目次1(犯人・ルール・各Ep)■
■目次2(カケラ世界・赤字・勝利条件)■
■目次(全記事)■


■関連記事
●犯人特定
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 朱志香説総論その2・家具の正体と黄金郷の正体
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 魔女が鏡に弱い理由
 留弗夫「俺は殺される」と「07151129」
 「魔女の手紙」の取り出し方

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 駒の動きその1・南條(大爆発説)
 駒の動きその2・戦人、真里亞、嘉音
 ルールXYZを指さそう
 駒の動きその3・銃(とわたしはだあれ)
 駒の動きその4・盤面(I)
 駒の動きその5・盤面(II)
 駒の動きその6・盤面(III

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「魔女の手紙」の取り出し方

2009年06月15日 18時05分33秒 | 犯人特定
※初めての方はこちらもどうぞ→ ■うみねこ推理 目次■ ■トピック別 目次■


「魔女の手紙」の取り出し方
 筆者-初出●Townmemory -(2009/06/11(Thu) 21:57:36)

 http://naderika.com/Cgi/mxisxi_index/link.cgi?bbs=u_No&mode=red&namber=26735&no=0 (ミラー
 Ep4当時に執筆されました]


●再掲にあたっての筆者注
 やっと断定する勇気が出ました。源次、南條、熊沢は犯人側です。

 以下が本文です。


     ☆


 みなさん、こんにちは。
 私の最近の「うみねこ」関係の興味は、「ラムダデルタにチェックをかける方法」とかになってきているんですが(そんな出題もされてないこと考えてどうする)、当然ながらおもいきり行き詰まったので、いくぶん考えやすそうなことを考えることにしました。

 たとえば、こう……
「ep1の金蔵の書斎で、不和の魔法陣が入った手紙は、どうやったら出現できるか」
 とかいったことです。

 あの手紙、実在したのかなあ……。
 実在しない、幻想だというなら、何も考えないで良いわけですけど。

 もし、手紙がちゃんと存在して、なおかつ、「さっきまではなかった!」という観測が正しいとしたら、どうやったら出現できるか。
 この条件で考えてみる。

 たしかあのとき、夏妃、戦人、朱志香、譲治が肖像画を見ていた。そして振り返ると、テーブルの上に手紙があった。肖像画の前にいなかった残り4人、真里亞、源次、南條、熊沢は、何も見ていないと言っている。夏妃は、この4人のうち誰かが殺人犯の仲間だと考えて、4人を書斎から追い出した。

 ふつうに考えたら、真里亞が取り出したんです。ep2でも、さっきまでなかった手紙がフッと現れたとき、真里亞がその場にいましたからね。
 でも、源次、南條、熊沢に見つからずに手紙を取り出すということは可能なのか? 7人の人間がたまたま一斉にそっぽを向いている一瞬を狙って、手紙を取り出す。そんなことができるのか。
 できない……と思われる。
 なら、論理的帰結として、こうなる。
 源次、南條、熊沢は、真里亞が手紙を取り出すところを見ていたけれど、黙ってた。
 そうでないと、手紙は出現できない。
 ということは、真里亞、源次、南條、熊沢は、殺人犯側の人間である……ということになる。

 あまりに安直な結論なのでのけぞってしまいますが、「魔女幻想でアリバイが捏造されている」のでないかぎり、これ以外には方法はないとみました。4人のうち誰かが手紙を取り出し、残り3人は見ないふりをしていた。そう設定するだけで、謎はあっさり説明できるのです。あっさり説明できるなら、それにこしたことはない。

 そういえば、厨房で戦人に対して、
「ベアトリーチェさまは本当にいるんだよ……」
 みたいなことをいってびびらせたのって、ちょうどこのへんの人たちだったような。

 また、4人という数字が、興味深い気がします。
 碑文見立ての殺人って、6人・2人・5人で13人が殺され、5人が生き残るという流れなんです。
 真里亞、源次、南條、熊沢。プラス主犯の誰かで、5人。
 この4人のなかに主犯がいるとするなら、プラス金蔵(死体隠したまま)で5人。
 この殺人を計画した犯人は、13人を殺して、自分、真里亞、源次、南條、熊沢が生き残る、というプランを源次たちに約束していたのではないかな?
 ただ、犯人は、約束を守るつもりは最初からぜんぜんなかった……。

 仮に、「誰が殺され、誰が生き残るか、最初から彼らにはプランが知らされてた」とすると、いくつか、おもしろい当てはまり方をします。

 ep1の、金蔵の書斎。
 真里亞、源次、南條、熊沢は、書斎から追放されます。
 書斎には、夏妃、戦人、朱志香、譲治が残留します。

 この時点で、あと3人が殺されて、殺人タイムは終了になる、と、わかってるとしたら。
 そして、もし、夏妃、戦人、朱志香、譲治のいずれかが、この殺人を計画した主犯だったとしたら。

 夏妃からみれば、怪しい人物をまとめて追い出した、ということになるでしょう。(彼女の見立ては、ズバリ正解だったことになる)
 でも源次たちから見たら。
「キケンな殺人犯1人と、あわれな3人の被害者を、一室に閉じこめた」
 ということになりませんか?

 もうひとつ。
 ep2の終盤です。
 厨房に、譲治、紗音、郷田、源次が生き残っていた。
 夏妃の部屋に、鏡を取りに行こうということになるが、源次はただ1人、厨房に残ると言い出す。譲治、紗音、郷田は3人で鏡を取りに向かう。
 この時点で、殺される人数は、あと3人。
 あと3人だということを、源次が知っていたとしたら。
 源次は孤立したのではなく、自分ひとりが生き延びるために残り3人を孤立させた。
 被害者数・残り3人の状態で、3人で行動したら、狙われるにきまってる。だからまきぞえをくわないよう、自分ひとりが安全な場所に残ったということでは?

 逆に言うと、
 そんな状況で、「3人で行動する」ということに疑問をもたない紗音と郷田は、シロである蓋然性がかなり高い。と、思います。



■目次1(犯人・ルール・各Ep)■
■目次2(カケラ世界・赤字・勝利条件)■
■目次(全記事)■


■関連記事
●犯人特定
「朱志香=ベアトリーチェ」説・総論
 朱志香説総論その2・家具の正体と黄金郷の正体
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 ep4は親チームのドッキリではないか?
 魔女が鏡に弱い理由
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●盤面解析
 駒の動きその1・南條(大爆発説)
 駒の動きその2・戦人、真里亞、嘉音
 ルールXYZを指さそう
 駒の動きその3・銃(とわたしはだあれ)
 駒の動きその4・盤面(I)
 駒の動きその5・盤面(II)
 駒の動きその6・盤面(III

 チェックメイト――黄金郷再び・金蔵翁の黄金郷
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留弗夫「俺は殺される」と「07151129」

2009年05月27日 03時47分39秒 | 犯人特定
※初めての方はこちらもどうぞ→ ■うみねこ推理 目次■ ■トピック別 目次■


留弗夫「俺は殺される」と「07151129」
 筆者-初出●Townmemory -(2009/05/18(Mon) 03:58:54)

 http://naderika.com/Cgi/umi_log_cbbs/umi_logcbbs.cgi?mode=red2&namber=25229&no=3 (ミラー
 Ep4当時に執筆されました]


●再掲にあたっての筆者注
 これを書いた段階では赤字をわりあい信用していたので、「戦人は明日夢の息子ではない」としていますが、その後、「明日夢の息子でも別にいいなあ」と思い始めています。このへんは、まだ想像するしかない状況で、不定といってよいかと思います。
 でも0715戦人と1129戦人、という発想は、語感も含めて気に入っています。

●追記
 この記事の「戦人二人説」と「07151129解釈」について、ep5以降、変更の必要を感じました。詳しくは「ep5初期推理その6・戦人の謎【EP5ネタバレ注意】」をご覧ください。

●追記2
 さらなる変更があります。→ 「ep6初期推理4・戦人脱出その2/金文字/一なるトリック」


[注:Ep4時の推理です!]
 発想の根幹はここにある通りですが、考えを変えた部分もあります。各Ep推理や「サファイア・アキュゼイション」シリーズも併せてご覧下さい。


 以下が本文です。


     ☆


●戦人二人説

 どうも右代宮戦人が二人いるっぽい、というのは、けっこうさまざまな人が提唱していらっしゃいますね。
 賛成します。

 ベルンカステルとラムダデルタが、
「ベアトリーチェが期待する奇跡は絶対に起きない。ベアトリーチェは絶対にこのゲームに勝てない」
 と保証しています。

 これがどういう意味なのかを理解するためには、「このゲームの勝利条件」が明確にならなければいけません。

 ベアトリーチェにとっての勝利条件は、
「戦人が魔法を認めること」
 ですが、
 朱志香=ベアトリーチェ説における勝利条件は、もうちょっと細かくなります。
 朱志香=ベアトリーチェ説の勝利条件は、
「戦人が、朱志香との間にかつてあった魔法を再び認めること」
 です。
 戦人に魔女同盟に復帰してほしい、私と二人で黄金郷を築いてほしい、私をまた愛してほしい。その欲求がみたされることが朱志香=ベアトリーチェの勝利です。

 だいたいイメージとしてはこうでしょう。

戦人「なんてことだ、俺はなんて大事なコトを忘れ去っちまってたんだ! すまねえ、俺がこんな大切なことを忘れてたせいで、おまえにこんなひどいことまでさせて、おまえにさみしい思いをさせて……。ああ、認めるよ、俺たちはあのとき魔法を使えたんだよな。あるよ、俺たちの魔法は確かにあるよ!」

 だいたいこのくらい言わせたらベアトリーチェは満足するかと思われます。


 でも二人の上位魔女が、「ベアトリーチェは絶対に勝てない」と保証しています。

 そういうところで、戦人二人説が効き始めるわけですね。

 かつて幼少朱志香に「魔法なんてねーよ!」と言い放った戦人と、いまベアトリーチェが対戦している戦人は、同じ名前を持つが別人である。
 この条件を仮定した場合、戦人は、絶対に、「かつて私たちの間にあった魔法」を思い出しません。
 六面体のサイコロを一千万回振ってもゼロや7は出ません。


●二人の戦人の入れ替わり

 つまり入れ替わりが起こってるわけです。
 戦人の中で、この入れ替わりがどういうリクツで処理されているのか(なぜ認識してないのか)については、ここでは考えません。どう処理されてても良いからです。

 どうして戦人が二人いるのか。
 一人は、留弗夫と明日夢の間に生まれた子ですね。
 もう一人は誰だ。

 あからさまにアヤシイのは崖から落ちて死んだ人間ベアトリーチェですよね。

 何の根拠もないことですが、「あからさまにアヤシイ」を理由にして、人間ベアトリーチェが産んだ子も右代宮戦人だということにしましょう。そのように仮定して、この物語という式に代入するわけです。つりあえばおなぐさみです。なんだか数独を解いてるみたいですけど。

 ウラをとっていないんですけど、「EP4 真相解明読本」というのに、年表が載っていたそうですね。この掲示板のどこかに、それを書き写していらっしゃる方がいました。

 それを見て、逆算してみると、人間ベアトリーチェが死亡したころ、右代宮戦人が誕生しています。
 素直な推測をすると、人間ベアトリーチェは右代宮戦人を産んで、直後に事故で死亡した。

 人間ベアトリーチェを妊娠させたのは、ふつうに想像すれば、金蔵となります。金蔵以外に可能性があるのは源次と川畑船長くらいでしょうが、とりあえず金蔵としておきましょう。

 魔女ベアトリーチェとゲームで対戦している戦人は、「自分は明日夢から生まれた」と赤字で言えませんでしたので、ゲームで対戦している戦人は人間ベアトリーチェから生まれた、ということになります。
 ということは、我々がよく知っている、ゲームで戦っている戦人は、金蔵の孫ではなく息子ということになります。留弗夫との関係は、親子ではなく異母兄弟ということになります。

 ちなみに「金蔵襲名説」を採用すると、金蔵の子でありながら、金蔵の孫であることもできますね。
 そして確か、「俺は留弗夫の子だ」とは、赤字で言っていない。

 いつ入れ替わったのか、どうして入れ替わったのか、明日夢の子はどこに行ったのか、は不明です。わかりません。


●留弗夫「俺は殺されるだろうな」

 戦人は、入れ替わりを知らないみたいです。
 そして状況的に、霧江も、そのことを知らされていない。

 ep1の1日目に、留弗夫が戦人&霧江に向かって、家族の深刻な話をしよう。俺は殺されるだろうな。意味深にそう言っています。

 あのタイミングは、たしか親族会議がこじれきっていました。そして留弗夫にはカネが必要だった。
 ということは留弗夫にとって、「金蔵の実子としての戦人」は強力な切り札になります。
 ふつうに考えて四等分の遺産分配が、留弗夫一家には五分の二、入ってくることになる。
 いや、それよりも「二票」という投票権が強いかもしれません。

 だから家族の話をしよう、なのです。

留弗夫「黙っててスマン、実は戦人は俺の子じゃなくてオヤジの子なんだ。
  ということで俺と一緒に親族会議を戦ってくれ。
  ……って、打ち明けなきゃいけねぇんだよなあ、戦人と霧江に。
  うわー、戦人は明日夢の一族のほうにスゲーなついてるし。
  霧江は戦人のこと、明日夢の子だと思ってるから半分憎んでるし。
  そんなこととても言えねぇ~。
  でも言わなきゃなあ……。
  言ったらスゲー怒るだろうなあ……。
  殴られるくらいじゃすまねえかもなあ。
  俺、きっと殺されるなあ」

 おお、あのシーンが、説明できました。


●07151129の謎

 戦人二人説に基づくとすると、07151129の謎はきっと以下のようなことではないでしょうか。
 0715は、戦人の誕生日だそうです。
 だとしたら、1129は、もう一人の戦人の誕生日です。

 07151129は、貸金庫の「扉を開く鍵」でした。

 この作品において、「鍵」というのは、「謎を解く手がかり」という意味合いです。

 つまり、
「二人の戦人が揃ったとき、謎はすべて明かされ、黄金郷の扉は開くだろう」
 という意味でしょう。

 ちょっと勇み足をして、解答編終盤の展開を予想してみます。
 密室の謎なんかは、ずーっと考え続ければ、いつか絶対解けてしまいます。戦人の仮説を、ベアトリーチェはいちいち赤字で切らなければならないルールですから、どんどん可能性は狭まっていきます。
 その意味でもベアトリーチェは勝てないです。
 でも戦人が勝ち、ベアトリーチェが負け、戦人は妹のもとに帰り、ベアトリーチェはひとりぼっちになる。それで物語として良いのか。

 美しい結末は、戦人とベアトリーチェが両方勝利条件をみたし、双方が満足な結果を得ることです。
 そのためには、「もうひとりの戦人」がゲームに登場することが絶対必要です。
 生きてるのか死んでるのかもわかりませんが、何かのアッと言わせるような方法で、バッと連れてくるしかないのです。朱志香説と戦人二人説を正解とするならば。
 だから、何かスゴイ方法でムリヤリ連れてくる。
 二人がかりでゲーム盤をたたき割る。
 だいたいそういう展開になるんじゃないかな。という予想でした。


 話を戻します。
 07151129が、ふたりの戦人の誕生日だとするのなら。
 この番号を暗証番号として指定した人物は、戦人が二人いることを認識してたことになりますね。
 朱志香説だと、それは朱志香ということになります。
 朱志香がボトルメールを書いて真相をケムに巻いた。
 朱志香が南条と熊沢の遺族に金を送って殺人のお詫びをした。
 その金の受け取り方が07151129。

 はて、朱志香がベアトリーチェであり、彼女は戦人が二人だということを知っていた。ならば前提が崩れるんじゃないか。二人いることがわかってるんなら対戦相手を間違えないんじゃないか。

 この矛盾を解消するような想像をしてみましょう。こうです。

 朱志香は戦人のことが好きだった、というのが基本条件ですから、誕生日くらい覚えてて、プレゼントをあげようとするでしょう。
 誕生日を聞きます。1129戦人が、11月29日だよ、と答えます。
 さて、時間が経過して、翌年の親族会議の日。
 朱志香はプレゼントを用意しています。まだ2ヶ月先だけど、年に一回しか会えないんだもんな、今、プレゼント渡すよ、ほらよ。
 けど、その年に現れたのは0715戦人だったのです。
「何いってんだよ。俺の誕生日は7月15日だよ。とっくに過ぎてるよ」

 えっ、どうして?

 幼い朱志香につきつけられたミステリーです。
 そしてこのミステリーを、彼女はまだ解いていないんです。

 解いていないけれど、これは、とても重要なことのような気がする。
 この秘密がわかったら、あの日、戦人に「魔法なんてない」と言われてしまった、あのとき不審に納得がいく気がする。
 この謎がとけたら、私はもう一度、黄金郷にたどりつける気がしてならない。

 その予感がした。だから彼女は、カネしか詰まっていない「小さな黄金郷」の鍵として、この番号を使うことにした。

 そんなところで、どうでしょうか。

●追記
 この記事の「戦人二人説」と「07151129解釈」について、ep5以降、変更の必要を感じました。詳しくは「ep5初期推理その6・戦人の謎【EP5ネタバレ注意】」をご覧ください。

●追記2
 さらなる変更があります。→ 「ep6初期推理4・戦人脱出その2/金文字/一なるトリック」



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「朱志香=ベアトリーチェ」説・総論
 朱志香説総論その2・家具の正体と黄金郷の正体
 サソリのお守りが効いた理由
 ep4は親チームのドッキリではないか?
 魔女が鏡に弱い理由
 留弗夫「俺は殺される」と「07151129」
 「魔女の手紙」の取り出し方

●盤面解析
 駒の動きその1・南條(大爆発説)
 駒の動きその2・戦人、真里亞、嘉音
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魔女が鏡に弱い理由

2009年05月27日 03時38分42秒 | 犯人特定
※初めての方はこちらもどうぞ→ ■うみねこ推理 目次■ ■トピック別 目次■


■注:検索からこのページに飛んでくる方が多いのですが、わりと古い記事です(Ep4当時)。まずは目次か、トップページへジャンプすることをお勧めします。


魔女が鏡に弱い理由
 筆者-初出●Townmemory -(2009/05/18(Mon) 01:09:05)

 http://naderika.com/Cgi/umi_log_cbbs/umi_logcbbs.cgi?mode=red2&namber=25222&no=3 (ミラー
 Ep4当時に執筆されました]


●再掲にあたっての筆者注
 冒頭の挨拶部分を削除してありますが、そこになんとなく書き付けた、
「私がたしかに存在するとは私自身には証明できない」
 というフレーズが、これ以降の発想のキーワードになっていきます。

 総論的なことを2個書いて、謎を解き終えた気になったので、細かい謎を詰めていこうかな、くらいの軽い気持ちで書き始めたのですが、まだ他にもみるみる発見が出てきてしまい、この後止まらなくなります。ブレザーベアトリーチェとドレスベアトリーチェの違いを確定できたのは大収穫でした。


[注:Ep4時の推理です!]
 発想の根幹はここにある通りですが、考えを変えた部分もあります。各Ep推理や「サファイア・アキュゼイション」シリーズも併せてご覧下さい。


 以下が本文です。


     ☆


 きれいな弾幕は先にぶっぱなしてしまったので、それほどでもない通常攻撃で間をつなごうかと思います。
 わきにのけてあるいくつかの謎について。


●『EP3』の連鎖密室が芸術品である理由

 http://news.dengeki.com/elem/000/000/147/147660/index-2.html (ミラー

 このインタビューで竜騎士07さんは、第一の晩の連鎖密室を芸術的であるとおっしゃってますね。
 その理由は、この密室形式が、「うみねこのなく頃に」という作品それ自体の謎の縮図になっているから、かな。そう思います。
 ひとつの鍵をあけて室内に入ったら、そこには次の部屋の鍵があった。そのくりかえしですね。
 この作品ってきっと、ひとつ謎をとくと、それを鍵にして、別の謎が解ける。その謎を鍵にして次の謎が解ける、そのくりかえしになっているのでしょう。
 だから、一個がとけたら、判明している鍵穴に総当たりで差し込めば良い。

 あれ、死体に次々と杭を打っていくのって、鍵穴に鍵を差すことのメタファーか?


●鎮守の社の鏡を割る

 重要アイテムとして、鏡が2回出てきますね。紗音が割った、鎮守の社のご神体の鏡。それと、夏妃が持っていたお守りの鏡。

 夏妃の鏡のとき、ベアトリーチェが「一手遅かったな」と言いますね。
 たぶん、鏡をベアトリーチェに向けていたら、ベアトリーチェは撃退できていただろうということです。ていうかそう仮定します。何でもいいから式に代入してみることで、わりとミステリーの謎って解けます。

 魔女は鏡に弱い。
 なぜか。
 幻想があばかれるから。

 この物語の殺人者は、魔女ベアトリーチェを気取っています。
 ベアトリーチェになりきって人を殺しているわけです。
 いわゆる「ブレザーベアト」は、殺人者の主観的な姿なんです。

「私って、金髪編み込みで、碧眼で、こういう可愛いブレザーを着た女の子なのよ」
 というなりきり状態で館に現れ、なりきり状態で殺人を続けてます。

 そういう人に、鏡を向けたらどうなるか。
 なりきりという幻想が解けます。
 鏡に本来の姿が映ってしまう。
 鏡に映った自分の姿を見てしまう。

 鏡に映るのは、当然、ブレザーベアトではありません。日本人顔をしたなんのへんてつもない人間が映ります。

 つまり魔法が解ける。ベアトリーチェはベアトリーチェでいられなくなり正体を現してしまう。

「なりきりチャットをやっていたら、ふと机に立てといた鏡と目が合ってしまった。チャットでは超絶美形のキャラを演じていたのに、自分のブッサイクな顔を見て我に返ってしまった」
 そんな状態が発生するんですね。

 それを一言で表すと、「魔女は鏡に弱い」。
 さあ、たったいま、「魔女は鏡に弱い」という「幻想」が生まれてしまいました。
 自分で生み出した「幻想」には、魔女本人もさからえないのです。
 さからったら、幻想を否定してしまうからです。

 これが、「魔女はルールには従う」の正体です。


 ちなみに、「ブレザーベアトの肖像画」は、現実には存在しません。
 あれは幻想です。
 館のホールには、ドレス姿のベアトリーチェがかけられているはずです。

 1.私はベアトリーチェである。
 2.私の姿は、私が主観的にこうだと決めた姿である。
 3.ホールには、ベアトリーチェの肖像画がかけられている。
 4.肖像画に書かれているのはベアトリーチェ本人である。
 5.よって肖像画には私が主観的に決定したブレザーベアトの姿が書かれているべきである。

 以上の最適化が行われ、「肖像画にはブレザーベアトが書かれている」という幻想が上書きされました。


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ep4は親チームのドッキリではないか?

2009年05月27日 03時23分13秒 | 犯人特定
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ep4は親チームのドッキリではないか?
 筆者-初出●Townmemory -(2009/05/17(Sun) 06:09:00)

 http://naderika.com/Cgi/umi_log_cbbs/umi_logcbbs.cgi?mode=red2&namber=25151&no=3 (ミラー
 Ep4当時に執筆されました]


●再掲にあたっての筆者注
 ep4についての概観です。読み終えた瞬間に、「こういうことかな?」と思いつき、その後、大きな修正の必要は感じていません。
 この後、興味が「駒の動き」に移っていくのですが、ep4はいっさい参考にしませんでした。「このエピソードは全編がノイズである」と直感したからです。ep4だけ「魔女の棋譜」がないのは、その傍証です。「全くゲームが成立してない」というのが、ep4のコンセプトではないでしょうか。
 共犯者については、その後、ある程度絞り込めましたが、どのくらい関わっていたのかは依然、不定です。

[注:Ep4時の推理です!]
 発想の根幹はここにある通りですが、考えを変えた部分もあります。各Ep推理や「サファイア・アキュゼイション」シリーズも併せてご覧下さい。


  以下が本文です。


     ☆


 連投になります。皆様失礼します。

 私、つい昨日ep4を読み終えたところなんです。ep4の感触が残ってるうちに、簡単に思いついたことを書き記しておきますね。
 ひょっとして既出だったら、すみません。

「金蔵称号説」って、出てきましたよね。
 あれと朱志香ベアトリーチェ説を合わせるとep4はかなり説明できてしまいます。

 金蔵の称号を継承するためには碑文の謎を解くしかないわけです。
 金蔵に「解いたッス、指輪よこせ」と言う以外に、称号継承をする方法がない。先代金蔵の承認がないまま先代金蔵が死んだとしたら、継承を認める認めないの水掛け論が発生してしまうからです。

 暗号を解いたのは朱志香だと考えます。つまりep4の金蔵は朱志香です。親族会議に現れたのは朱志香です。そしてインゴットをふたつみっつゴトゴトっとテーブルに置いてみせ、ほら黄金も受け継いでるでしょと言うわけです。ep2の礼拝堂でも同じ展開があって、大人たちを認めさせたのでしょう。

 碑文の暗号はすでに解かれました。このことにより、碑文を解いたものが次期当主になる、という条件は消滅します。というか朱志香が消滅を宣言します。

 さて、親族会議は当主の座と相続に関して話し合う場です。
 朱志香は、朱志香の次に当主になるのは誰なのか、という話し合いをしよう、と持ちかけます。

 朱志香の次代ですから、親世代は全員アウトです。作中の金蔵も、おまえたちは全員資格がないと断言しています。
 だから、子供世代の誰かを次期当主として指名することにしよう。だれがいいかなあ。

 テストで決めることにしよう。
 朱志香は親世代たちに持ちかけます。私とあなたたちで、譲治と戦人と真里亞をテストして、誰が次期当主にふさわしいか、今から決めることにするのはどう?

 これが今回のメイントリックではないでしょうか。
 簡単にいうと、この島で殺人が起こったように見せかける。
 その上で、「金蔵が悪魔や化け物を呼び出し、儀式だとかいって我々を皆殺しにしようとしている!」という情報を子供たちに与える。
 子供たちがどう反応するか見る。
 そして1人ずつ呼び出し、「三つのうちひとつを捨てるクイズ」を与えて答えを見よう。その答案を検討して次期当主を決めようじゃないか。

 この条件(というか想像)を成立させるためには、金蔵を継承したのは子供世代でなければならないのです。
 親世代が継承したのなら、問答無用で、親の実子が次期当主になるでしょう。

 そして金蔵継承の承認は、事件が始まる日より前でなければならない。
 なぜならゲーム開始時に先代金蔵は死んでいるからです。

 そして碑文が解かれたのは、去年やそれ以前の親族会議の日ではない。
 なぜならそれ以降もずっと、最低一年以上、碑文が掲示されつづけたからです。いいかげん先代金蔵が外させるはずです。先代金蔵は、名前継承をおこなったあと、間をおかずに殺された可能性が高い。

 そしてこれらの条件を満たして、碑文の謎を解いて黄金に至れる子供世代は朱志香だけなのです。

 テストというのは面白いなあ、やろうやろう……と言ったかどうか。最終的には、親たち全員が乗っかります。
 自分の子供が次期当主になるのなら、それは自分が遺産を受け継ぐのと同じだからです。
 譲治と戦人と真里亞以外の、全員がグルです。郷田もチヨも、使用人は全員がグルです。

 まず、郷田とチヨに、血相を変えてゲストハウスに駆け込ませます。そして金蔵によって6人が殺された、というヨタを子供たちに吹き込ませます。
 そのあいだに、殺され役の6人が食堂で特殊メイクの準備をします。
 残った蔵臼、霧江たちは別室に移動します。九羽鳥庵である必要はありません。館内のどこかで良いのです。

 もちろん、殺され役の最初の6人は、朱志香に本当に殺されます。

 蔵臼、霧江たちは別室からゲストハウスに電話をかけ、せいぜい緊迫した演技で子供たちに悪魔のホラを吹き込みます。
 次の電話で、郷田とチヨを物置に閉じこめさせます。
 郷田とチヨは、子供たちをさらにおどかすために、首つりのふりをするよう指示されています。
 朱志香かその共犯者が物置にやってきて、二人を射殺し、ニセの鍵を郷田のポケットに入れ、シャッターを閉めます。

 親たちは電話で、譲治と朱志香を、それぞれのテストの場所に呼び出します。
 必要な電話をさせたら、もう親たちには用はないので、霧江を除いた全員を殺害します。
 譲治を殺したのは朱志香本人です。
 朱志香は戦人に、人間じゃないものに襲われたとか、魔女が復活するとかいう電話をかけ、頭が砕けた特殊メイクを自分にほどこします。
 前後して、霧江は戦人あてに、「悪魔や魔女が現れたら疑わすに信じろ」といったような電話をかける。霧江はまだ騙されているか、あるいは脅されている。
 直後、霧江は殺害される。
 真里亞には、あらかじめ、「時間が来たら指定の場所に行って毒をのめ。だいじょうぶ黄金郷で生き返れるから」と言ってある。

 これで全部、説明できるのじゃないかなと思いますが、どうでしょう。

 ちょっと、条件が明確じゃないんですが、これを成立させるには、ひょっとして1名以上の共犯者が必要かもしれません。
 いるとしたら誰だろう。
 この説明だと、大人チームの全員に、その可能性があります。何か見落としているかもしれないですけど、今のところ、まだ絞り込めない条件だと思います。


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サソリのお守りが効いた理由

2009年05月27日 03時12分01秒 | 犯人特定
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サソリのお守りが効いた理由
 筆者-初出●Townmemory -(2009/05/17(Sun) 04:47:19)

 http://naderika.com/Cgi/umi_log_cbbs/umi_logcbbs.cgi?mode=red2&namber=25147&no=3 (ミラー
 Ep4当時に執筆されました]


●再掲にあたっての筆者注
 コメントを下さった方へのレスポンスとして書いたものです。再掲にあたり、挨拶部分は削除しました。
 朱志香説の傍証として、「サソリのお守り」を説明しています。このように、一個仮説を提唱したら、それでどの謎が解明できるのか試してみる。「鍵を鍵穴に総当たりで差してみる」ことが重要ではないかと思うのです。

[注:Ep4時の推理です!]
 発想の根幹はここにある通りですが、考えを変えた部分もあります。各Ep推理や「サファイア・アキュゼイション」シリーズも併せてご覧下さい。


 以下が本文です。


     ☆


 前の書き込みですが、その後、ちょっとだけ軌道修正の必要が生じました。
「さくたろ殺し」に相当する事件が朱志香にもあって、それによってベアトリーチェが黒魔女化した、というくだり。
 大筋ではその通りだと思うのですが、事件後しばらくは、ジェシカ・ベアトリーチェはまだ白かったのだろうと思い直しました。

 そこに、真里亞のさくたろが殺されるという事件が起こる。
 真里亞は、「優しくて大好きなママ」という魔法を、ついに維持できなくなる。
 真里亞は傷つく。
 真里亞は自分がかわいそうだ。
 真里亞はママが憎い。
 真里亞はママを拷問する。
 ベアトリーチェは「もう十分か」と訊ねる。
 真里亞は「まだまだ足りない、まだ拷問する」という。
 ベアトリーチェは真里亞の絶望を思い知る。
 ベアトリーチェは真里亞のことがかわいそうでならない。
 でも、よく考えたら私だってかわいそうだ。
 私にも同じことがあった。
 そうか、私もかわいそうだ。
 私だってこのくらい悲しんで絶望する権利があるんだ。
 そのことがやっとわかった。
 許せなくなってきた。許さない、復讐してやろう、つかまえて拷問してやろう、くけけけうひゃひゃ……という経過をたどったのだろうと思われました。

 つまり、真里亞の闇が、ジェシカ・ベアトリーチェを侵食したのですね。
「さくたろ殺し」がもし発生しなければ、楼座がもうすこし穏当な母親であったなら、ベアトリーチェは黒魔女化することはなく、六軒島殺人事件は発生しなかったのです。きっと。そう考えると、やりきれないですけど。


 でもじっさい、「ベアトリーチェ=朱志香」説を採用すると、かなりのことが説明できるんですよね。
 ep4ラストの「わたしはだあれ」問題にしても、朱志香に対して「おまえなんかいない宣言」をした戦人、という条件を加えると、なんとかぎりぎり成立してしまいます。
「俺の世界に右代宮家なんて存在しない宣言」が存在したとして、それを真に受けた人物は、きっと「この島には戦人以外だれもいないが、にもかかわらず私がいて戦人を殺す」が赤字で言えてしまう気がします(でも少し苦しいか)。

 あっと気づいて、この説いいなと思ったのは、ep1の第一の晩、夏妃の部屋まで来たと思われる犯人がなぜか夏妃を見逃した理由が説明出来るんです。

 あの夜の直前、夏妃と朱志香は、少し優しい言葉をかけあい、朱志香は夏妃にお守りをあげ、夏妃はこんど自分のお守りをあなたにあげますと約束するんですよね。
 そして夏妃はドアノブに、朱志香からもらったお守りをかけて眠る。
 朱志香は夏妃を殺して第一の晩の生け贄にしようと、部屋にやってくる。
 ドアを開ける。後ろ手でドアを閉めようとして、お守りがノブにかかっているのを発見する。

 それって単に、「魔除けがあるから近寄れなかったことにしよう」っていうことでは、ないのですよね。
 お守りがあれば魔を退けられる、というのは、「魔法」です。

 私の魔法をお母さんが信じてくれた!

 嬉しい。

 だから殺さない、殺せないのです。

 そして、代わりの生け贄を調達する必要が生じ、イレギュラーな理由でゲストハウスから本館にやってきて見回りをしていた紗音が、夏妃のかわりに殺される。
 紗音を殺したことで嘉音は激発し、主である朱志香を裏切る。
 たぶん、「紗音との間に強い絆を持つ」という「設定」を嘉音創造時につけてしまい、いったん設定したらそれは主であっても上書きできないのでしょう。
 ボイラー室では、朱志香みずからが嘉音を否定する、という、かなりの悲劇が起こっていたのではないか、と想像しました。
 ep1以降、紗音だけが先に死んで嘉音が生き残る、という展開はないですね。


■目次1(犯人・ルール・各Ep)■
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朱志香説総論その2・家具の正体と黄金郷の正体

2009年05月27日 02時50分13秒 | 犯人特定
※初めての方はこちらもどうぞ→ ■うみねこ推理 目次■ ■トピック別 目次■


朱志香説総論その2・家具の正体と黄金郷の正体
 筆者-初出●Townmemory -(2009/05/17(Sun) 23:41:05)

 http://naderika.com/Cgi/umi_log_cbbs/umi_logcbbs.cgi?mode=red2&namber=25209&no=3 (ミラー
 Ep4当時に執筆されました]


●再掲にあたっての筆者注
「ep4は親チームのドッキリではないか?」のあとに書かれたものですが、意味的に「総論2」なので、この位置に置くことにしました。
「譲治と紗音の黄金郷」という発想は、その後、すべてのイベントを説明するキーワードとなりました。

[注:Ep4時の推理です!]
 発想の根幹はここにある通りですが、考えを変えた部分もあります。各Ep推理や「サファイア・アキュゼイション」シリーズも併せてご覧下さい。


 以下が本文です。


     ☆


●家具の正体から

 シエスタの姉妹兵がうさぎの楽団だということには、かなりの方が気づいてらっしゃると思います。
 けど、謎というのは、その先にあるんだと私は思います。

 縁寿は真里亞の魔道書のイラストをもとにしてさくたろやマモンを呼び出しました。
 外見を知っているから、そういう外見のキャラクターを呼び出せるわけです。
 では、
「うさぎ楽団をモデルにしてシエスタ姉妹を呼び出せるのは誰か」

 すなわち、真里亞本人か、真里亞にうさぎの楽団を見せてもらったことがある人物、それがベアトリーチェの正体です。
 いや、正確には、その人物が「ボトルメール」の作者ですね。
 かなり限られると思います。


 ロノウェの正体は源治、ワルギリアの正体はチヨ、という説も、有力になって久しいと思うのですが、正確には、「ロノウェのモデルが源治」「ワルギリアのモデルがチヨ」なのだろうと想像しました。

 この作品のセリフに出てくる「家具」って、2とおりの意味があって、セリフだけではどちらの意味かわからないようになっているんですよね。それが一種の叙述トリックになっています。

・意味1:源次が言う「家具」。使用人の心得として、目立たず、粛々と、家具のように主に仕えるべし、という教えのこと。あるいは、その教えを忠実に守るよき使用人のこと。

・意味2:魔女が生み出した使い魔のこと。真里亞にとってのさくたろ(ぬいぐるみではなく幻想のほう)。

源治「我々は家具だ」
紗音「私は……家具だから」
嘉音「どうして僕は家具なんだ!」
ロノウェ「私はベアトリーチェさまの家具頭でございます」

 と彼らが言うとき、「自分は忠実な使用人である」なのか、「自分はマジカルクリーチャーである」なのか、わからないようにしてあるのですね。

 でも、我々はすでに、ぬいぐるみさくたろから、家具さくたろが生まれる課程を目の当たりにしています。
 それをマリア卿や縁寿は「魔法」と呼んでいますが、「人間心理のはたらき」としてじゅうぶん説明できることです。

 ならば、魔法生物としての「家具」は、人間心理のはたらきが生んだ架空の存在ということになります。
 たとえば、まるで家具のように忠実に、主人に仕える源次の姿を見た誰かが、
「あーあ、私にもあんな忠実な執事がいたらなあ……」
 と思った、その心のはたらきが、忠実なる執事ロノウェを生んだ。
 そういうことだと考えるとしっくりきます。
 熊沢チヨさんは魔女だ。おばあさんのフリをしているけれど、ほんとうはこんなかんじの銀髪の美女なんだ。
 そう思いこんだ心のはたらきが、魔法の師匠ワルギリアになった。
(このへんは先の発言を参考にして下さい)

 さて、ガァプ。

 これは紗音をモデルにしたものでよろしいでしょう。
 似ても似つかないですけど、紗音でいいんです。そう思います。説明できます。

 ガァプは、ベアトリーチェの友達の悪魔だ、ということになっていますが、実質はベアトリーチェの家具なのでしょう。
 ガァプはep4から突然登場しました。ep3まではいませんでした。
 ep3終了までの間に、何か事件があって、ガァプというキャラが必要になったので、ベアトリーチェが魔法で急遽作り出したのだ、という仮定をしましょう。

 そう考えると、ぴったり一致する事件があるんです。

 ep2の貴賓室。まだ事件前でした。
 紗音が、ベアトリーチェに言うのですよね。

「あなたなんか、知らない」

 先の発言を参照して下さい。
 これは、魔女が最も言われたくない言葉なんです。

 私は、「私がここに存在する」と知っている。
 あなたも、「私がここに存在する」と認めている。
 だから私は存在できる。
 私という魔女はここに存在できる。

「あなたなんか知らない」と言われたら、「私」は存在できなくなってしまうのです。
 魔法なんてあるわけない。
 おまえなんかいない。
 おまえなんか実在しない。

 そう言われてしまったら魔法は存在できない。魔女は存在できない。

 私を否定したな!
 私の魔法を否定したな!
 あんたなんかいらない。
 あんたなんかもう友達じゃない。

 私にふさわしい友達は、紗音みたいに地味じゃないし、紗音みたいにひかえめじゃないし、紗音みたいに清らかじゃないし、紗音みたいに真面目じゃなくて、紗音みたいに退屈な女じゃないんだ!

 そういう女を私は友達にする!

 こうしてガァプが錬成されました。ガァプは、古い友達という「設定」で、ep3のゲームの「後に」生まれてきたものと考えるのが妥当です。


  *

 以上のような想像をベースにすると、「あなたなんか知らない」シーンって、思い出してみると、深いんです。

 紗音と譲治は愛し合っている。それをハッキリと確かめられたから、ここで殺されてもさほどの悔いはない。そのようなことを言っていましたよね。
 二人、とは、世界を構成する最小単位だ、というのは、どこに書いてあったのでしたっけ。
 譲治が指輪を渡し、紗音が左薬指にそれを通した瞬間、二人は魔女になったのです。別の魔女同盟が成立したんです。

 ベアトリーチェが「い」ると認め、マリアが「い」ると認めれば、さくたろが存在できます。
 それと同じです。
 譲治が紗音に愛してると言い、紗音がそれを認める。
 紗音が譲治に愛してると言い、譲治がそれを認める。
 この瞬間、視えもせず、さわれもしない「愛」というものが、たしかに存在するといえるのです!
 譲治と紗音は、黄金郷を創造し、そこにたどりついたのです。
 彼と彼女は、二人だけの世界で、二人だけの魔法を、好きなだけ使えるのです。

 そんな紗音が、ベアトリーチェに向かって、
「あなたなんか知らない」
 と言います。

 それは、「私と彼の世界に、あなたなんて“い”ない」ということ。
 あなたがいくら、自分はここにいる、と叫ぼうとも、私たちの世界はそれとは何の関係もなく続いていくわ。

 魔女はこれにダメージを受けます。
 紗音が主催する世界において、ベアトリーチェは魔女ではいられない。それどころか存在すらできない。
 だから怒り、殺します。

 ベアトリーチェとマリアの黄金郷に、さくたろは存在できません。
 けれど縁寿とマリアが作り出す黄金郷には、さくたろは存在できるのです。
 縁寿とマリアの黄金郷では、ベアトリーチェは魔法を使えない。
 縁寿とマリアの黄金郷においては、ベアトリーチェはニセモノの魔女です。

   *

 そう、ベアトリーチェは紗音と譲治の黄金郷から追放された。
 黄金郷は1人では創造できない。二人以上いないと作り出せない。

 ベアトリーチェひとりでは、黄金郷にはたどりつけないということ。

 黄金郷の創造方法は、すでに紗音と譲治が示しました。

 ベアトリーチェが黄金郷に住まうためには、誰かがベアトリーチェを深く愛し、ベアトリーチェもその人を深く愛することが必要です。
 言い換えれば、ベアトリーチェの思い人が、ベアトリーチェを好きになってくれること。
 これが、「ベアトリーチェが黄金郷に連れて行ってくれる」の意味です。

 そう、黄金郷では、失った愛すらも蘇らせる。そして魔女は永遠に眠るだろう。
 ベアトリーチェがかつて失った愛は、黄金郷にて再び存在を認められるものとなり、そしてベアトリーチェは、「魔女ベアトリーチェ」ではなく本来の人間に戻る。
 そう、「嘉音」だとか「ベアトリーチェ」だとかいう仮の名前ではなく、本当の名前を取り戻し、本当の自分として、愛する人と、愛し合うことになるだろう。私は私自身に戻る。安らかに眠れ最愛の魔女ベアトリーチェ。

   *

 さて、長々と書いて参りました。
 いろんな事象を、きれいに説明できていると思います。
 この説明において、島で魔女ベアトリーチェのように振る舞っている人物はいったい誰なのか。あてはまるのは朱志香なんです。

 朱志香はかつて、戦人の愛を失ったことがあった。
 戦人との間に黄金郷を築こうと思ったのに、戦人はそこから出て行ってしまった。
 戦人は朱志香に対して、「あなたなんか、知らない」という行動をとった。
 右代宮なんか知らない(おまえなんか知らない)。
 俺はもう右代宮とは関係ない(おまえと俺は関係ない)。
 俺は母方だけを自分の世界として生きる(俺の世界におまえなんかいない)。

 愛がなければ黄金郷はない。
 愛をとりもどしたい。そしてあなたと私の黄金郷にもどりたい。
 あなたが私を愛してくれれば、私たちはあの日の黄金郷に戻れる。
 黄金郷では失われた愛はよみがえり、私は殺人者ベアトリーチェなどにならなくてすむだろう。もう1人も殺さなくていいんだ。


 これでだいたい、真相の半分くらいを説明できているのじゃないかな(言い当てているとは言わない)。
 当たっているかはどうでもよくて、弾幕が美しいかどうかだ、と竜騎士07さんもインタビューでおっしゃっていますし。なのでなるべく美しい弾幕を用意してみました。いかがでしょうか。


■目次1(犯人・ルール・各Ep)■
■目次2(カケラ世界・赤字・勝利条件)■
■目次(全記事)■


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●犯人特定
「朱志香=ベアトリーチェ」説・総論
 朱志香説総論その2・家具の正体と黄金郷の正体
 サソリのお守りが効いた理由
 ep4は親チームのドッキリではないか?
 魔女が鏡に弱い理由
 留弗夫「俺は殺される」と「07151129」
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 駒の動きその1・南條(大爆発説)
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 ルールXYZを指さそう
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 チェックメイト――黄金郷再び・金蔵翁の黄金郷
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「朱志香=ベアトリーチェ」説・総論

2009年05月27日 02時35分56秒 | 犯人特定
※初めての方はこちらもどうぞ→ ■うみねこ推理 目次■ ■トピック別 目次■


「朱志香=ベアトリーチェ」説・総論
 筆者-初出●Townmemory -(2009/05/16(Sat) 22:36:13)

 http://naderika.com/Cgi/umi_log_cbbs/umi_logcbbs.cgi?mode=red2&namber=25121&no=3 (ミラー
 Ep4当時に執筆されました]


●再掲にあたっての筆者注
 これが初めての書き込みでした。これを書いた時点では、これ以上のことはまったく考えていませんでした。書いていくうちに、いろんなことが思いついていきました。

「嘉音が戦人に否定された」とか「3つのうちから2つを取れクイズの解答」とか、現在では、ちょっとどうかなと思われる部分もありますが、そのまま掲載します。必ずしも、現在の私が考えてることと一致しないと思って下さい。

[注:Ep4時の推理です!]
 発想の根幹はここにある通りですが、考えを変えた部分もあります。各Ep推理や「サファイア・アキュゼイション」シリーズも併せてご覧下さい。


 以下が本文です。


     ☆


●朱志香説からの魔女同盟

「ベアトリーチェ=朱志香」説をもとにいくつかのことを説明できるかもしれないので、やってみます。

 ベアトリーチェは朱志香の魔女名であると仮定します。
 真里亞の魔女としての名前がマリア卿であるように、朱志香の魔女としての名前はベアトリーチェ卿であるとする。

 幼少ベアトリーチェが大事な壺を割ってしまい、それを先代ベアトリーチェに魔法でごまかしてもらうくだりは、実際にあったこととする。
 金蔵の大事な壺を朱志香が割ってしまう。熊沢チヨはそれをアロンアルファか何かでごまかし、屋敷に野良猫を放り込めば良い。
 熊沢は冗談好きな人格であるから、幼少朱志香に対して、
「ベアトリーチェはほんとうにいるの?」
「ハイハイ、私がベアトリーチェですよー」
 といった会話をしていた。
 そしてある日、熊沢は、
「じゅうぶん修行したから、名前の継承をゆるします、あなたは今日からベアトリーチェですよ」
 と言う。
 これによって、魔女ベアトリーチェ(ジェシカ・ベアトリーチェ)は六軒島に誕生する。

 朱志香は真里亞を弟子にとり、魔法を教える。
 この「魔法」とは、ep4で縁寿が学び、身につけた通りのもの。他人には妄想でも、自分にとっては真実であるものによって自分を幸せにすること。
 朱志香は真里亞の妄想を「真実である」と認め、真実であるように振る舞う。
 真里亞は朱志香の妄想を「真実である」と認め、真実であるように振る舞う。
 これによって妄想は真実になる。
 私には視えて、あなたにも視えるものは実在する。
 互いの妄想を互いに裏打ちする約束、これが魔女同盟、マリアージュ・ソルシエールである。

 ここまではそんなにおかしくないと思います。


●「戦人の罪」って何なのか。

 ここから、大いに想像をはたらかせます。


 真里亞は、魔女同盟の「最初の」同盟者だったのかどうか。
 真里亞以前にも、同盟者がいたのではないか。
 そしてその人物は、裏切り、除名された。
 魔女同盟にとっての裏切りとは、互いの妄想の裏打ちを拒否して、「魔法なんかない、これは妄想だ!」と喝破してしまうことです。

 ベアトリーチェは縁寿が同盟に参加することをかなりしぶった、という記述があります。
 なぜしぶったのか。
 かつて同盟者に裏切られた経験があるから、新規加盟をいやがった。そう考えると理解しやすいです。
 そしてその裏切り者とは、縁寿の兄、戦人ではないのか。
 戦人が裏切ったから、妹の縁寿もそうだろう。そう考えたのではないか。

 つまり、魔法をおぼえて、魔女になった朱志香は、この楽しみを誰かと分かち合おうと思い、戦人を誘った。
 戦人に魔法の秘密を打ち明け、魔法の手ほどきをした。
 戦人は朱志香の、最初の魔女同盟者になった。
 これが6年前、あるいはそれ以上前にあったと考えます。そういう想像です。


 さて、これだけの「想像上の前提」をかさねたうえで、
 もうそれは砂上楼閣といってもいいんですが、この前提上に存在する「戦人の罪」って何なのか。

 大づかみにいうと、「魔法を否定したこと」となります。
「私には視える。あなたにも視える。だから実在する」
 このメカニズムで存在していたものは、「あなた」が、
「そんなものは視えない!」
 と宣言することで、存在できなくなってしまいます。
(正確には、「存在を証明できなくなる」)
 それは魔女同盟にとって重大な禁忌で、罪です。

 たとえば、魔法で存在させていた友達を、
「おまえなんか、いない」
 と宣言してしまったら、その友達は、死んでしまいます。
 それは人殺しと同じことです。
 人殺しは罪です。

 魔法の友達殺しは、どのくらいの罪でしょうか。
 それは作中で、すでに提示されています。

 楼座が「さくたろ」を殺しました。
 その罪に対する罰のシーンが描かれています。もう、正視に耐えない拷問でした。
 そもそも、「黒き魔女」としてのマリア卿、黒マリア、「きひひ真里亞」は、楼座がさくたろを殺した、否定したことがきっかけで誕生しています。

 もし、朱志香に、「さくたろ殺し」に相当するショックな事件が起こったとしたら。
 魔法で幸せを生み出す白い魔女だったベアトリーチェは、黒ベアトリーチェに、「くっひひひあひゃひゃひゃベアトリーチェ」になってしまうだろうと考えられます。

 だから、もし、「朱志香にとってさくたろに相当するもの」を戦人が否定したとしたら、それは魔女同盟への裏切りであり、しかも「友人殺し」でもあるという、重大な罪になるのではないか。

 さて、そこでさらに想像を広げましょう。
「朱志香にとってさくたろに相当するもの」とは何か。

 それって、嘉音なんじゃないでしょうか。

 嘉音は、朱志香が魔法で生み出した「家具」である。と考えます。

 朱志香が嘉音を学園祭に連れてきたとき、同級生のひとりが、「実在したの? 絶対エア彼氏だと思ってた」みたいなことを言いますが、実は本当にエア彼氏だったという真相です。わあ、さみしい。

 嘉音が殺される場合、遺体が確認不能になるパターンが多いです。
 うろおぼえですが、戦人が嘉音の死体をはっきりと確認する場面ってないんじゃないでしょうか。いつも、誰かが「死んでるよ」と言い、それをうのみにしているんじゃないでしょうか。
 嘉音が存在する、という場面が幻想なのです。
「事件の二日間、この島には、嘉音の肉体(死体を含む)は存在したことがない!」
 というのを復唱要求したいです。

 ep2の死亡状況、「嘉音は朱志香の部屋で殺された」は、「いつ」が指定されていないので、6年以上前でも成立します。
「嘉音は朱志香の部屋で6年以上前に、戦人によって、おまえなんか存在しないと宣言された」
 これで「嘉音は朱志香の部屋で殺された」が成立します。マリアは「さくたろはママに殺された」と言っているわけですからこれも成立のはずです。たぶん。

 嘉音は「人間になりたい家具」です。家具だから「おまえなんかいない」と言われただけで死んじゃうんだ。人間だったらそんなことで死なないのに。
 嘉音が家具じゃなくて人間だったらよかったのに。
 朱志香がそう思っているから、嘉音には「人間になりたいよ」というキャラクターが与えられている。

●追記
 嘉音関連については、ep6以降、推理に変更があります→ ep6初期推理1・紗音嘉音問題/八城十八と「ふたつの真実」



●「どうして右代宮の名前を捨てたのか」から考える

 戦人には忘れていることがあり、忘れていることが罪であり、それに関連して、どうして右代宮の名前を捨てたのか、とベアトリーチェに問われます(ep4)

「ベアトリーチェ=朱志香」説にもとづくと、以下のような想像ができます。

 留弗夫再婚事件で、ブチっとキレてしまった戦人が、感情にまかせて、朱志香にこんなことを言ったんじゃないでしょうか。

「俺の家族は母さんの一族だけだ」
「右代宮なんて大嫌いだ」
「右代宮なんて俺の家族じゃない」

 そして戦人は苗字を母方に変えてしまい、島に来なくなります。

「右代宮なんて俺の家族じゃない」
 それはいいかえれば、「朱志香なんて俺の家族じゃない」です。

 たぶん朱志香は、戦人のことが大好きだったんだと思います。
 朱志香は戦人のことが大好きで、家族だと思っているのに、戦人は「右代宮」朱志香のことを大嫌いで、家族だとは認めない。

 それって、
「おまえなんか、いない」
 と言われたのと、同じではないでしょうか。

 実際に戦人は、朱志香がいない世界だけを「自分だけの世界だ」と宣言してしまったのです。「自分は右代宮ではなく母方だけの人間だ」と宣言することによって。

 相互に認めあわないと、魔法は解けてしまうのです。
 朱志香と戦人のあいだにあった、二人の世界は、砕かれて、壊れてしまった。好き同士だという魔法、二人の世界という魔法は否定されてしまった。

 それによって朱志香を傷つけた。それが戦人の罪です。

 このゲームは、戦人の罪を問うものです。
 ベアトリーチェは戦人に、魔法を認めろ、と迫ります。
 それは、「かつて私たちの間にあり、あなたも認めていたはずの魔法を再び認めろ」という意味なのではないでしょうか。
 ベアトリーチェは魔法を使います。
 ベアトリーチェは朱志香です。

 ベアトリーチェは、自分の正体が朱志香であることを戦人に言い当ててもらいたい。
 私たちの間に、かつてあったもの、かつて存在した交流を、思い出して欲しい。
 それがベアトリーチェのゲームの目的で、それを思い出せないのが罪で、思い出すまで離さない、といっているわけです。
 縁寿は、大好きなお兄ちゃんがいない世界に突然放り出されたようで、悲しかったと言います。
 朱志香も、大好きな戦人がいない世界に放り出されている。だからそれを取り戻そうと一生懸命になっているのではないでしょうか。


 愛がなければ視えない。
 ベアトリーチェは、彼女の魔法を、「視てほしい」と、一貫してそれだけを戦人に要求しています。
 それはいいかえれば、「愛して欲しい」といっているのと、同じことです。

 ep4に、三つのうちひとつを生け贄にささげて残り二つを取る問題文がありました。
 あれは、碑文の謎をものすごーく難易度を下げたものではないでしょうか。
 ベアトリーチェは、私の正体を言い当てて、そして私を認めて、私を愛して、と言っているのです。
 だから、戦人は、空欄に「朱志香」と書き、「それ以外の全員を生け贄に捧げる」と解答していたら、このゲームは終わっていたと考えられるのです。


■目次1(犯人・ルール・各Ep)■
■目次2(カケラ世界・赤字・勝利条件)■
■目次(全記事)■


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 駒の動きその5・盤面(II)
 駒の動きその6・盤面(III

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