こちらは、「喪失」という
とても重たいテーマを
正面から扱っている。
プロット自体は、比較的単純で、
事件というような事件は
ほとんど起こらない。
文章も少し硬くて、
慣れるまで、ちょっと読みにくい。
にもかかわらず、丁寧な描写が
積み重ねられる結果として、
読み終えたときの感動は、
とても深いものがあった。
周辺にもまだまだ、語られるべき
たくさんの喪失の物語が残っていて
それを想うと、怖ろしくなる。
梨木さんは、映画化された
「西の魔女が死んだ」の作者だが、
この作品もまた、上手に映画化されたら
(かなり難しいと思うけれど)、
かなり、くらくらするような、
感動的な作品になりそうだ。
* * *
内容的には関係ないのだけれど、
タイトルつながりで、
福永武彦さんの「海市」を思い出した。
それにしても、最近は、
amazon のお薦めと、
YouTube のお薦めのままに
生きている感じだなぁ・・・
でも、梨木さんの作品は、
「西の魔女」も含めて
Kindle 化されていないものが
まだたくさんあるのが、残念だ。
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