森 絵都さんは初めて読んだが、
読みやすい文章の短編集で、
あっという間に読めた。
人物や、情景の描写が、
説明し過ぎず、ちょうどいい感じ。
ユーモラスで、前向きな感じが漂い、
嫌な感じの人は出てこない。
実際にありそうな、あるいは、
あったらいいな、というようなお話が
とても上手に作られている。
本のタイトルの
「出会いなおし」は、
最初の作品の題名だが、
全体を通しても、何かしら、
日常の生活の中での、
良い「出会いなおし」が
描かれている。
改めて出会って、何かがわかる、
あるいは、物理的・時間的には離れてしなくても、
何かがわかることが、出会いなおしなのだ。
その中で「テールライト」という作品は、
それ自体が、連作短編のようになっていて、
少しびっくりしたが、これもまた、
「出会いなおし」を願うものたちの物語だ。
人は何度でも出会いなおすことができる
はずなのに、強張った心や、
怯える心がそれを阻む。
掛け違えがボタンが
すっとはずれる、そんな
気持ちよさを感じた。
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