金曜日は夜まで開いているのが
ありがたい。
多くの画家は、
自分が描きたい絵
自分が描ける絵
世の中の評価
の間のギャップに深く悩む。
しかし、ミレイの場合、最初から最後まで、
それらが完全に一致していたようだ。
幼少の頃から際立っていた天才的な技巧。
絵なんて、描きたいものを描きたいように描けばいいんだ、
と言わんばかりの堂々たる作風の変転。
イギリスが栄華を極めた時代に、
英国絵画界の頂点に立ち、
家庭的にも8人の子供を持つ。
自分の絵を描くために
悩みぬくという
芸術家のイメージとは程遠い。
こういう幸福な画家もいるのだ・・・
有名な「オフィーリア」だけの画家と思っていたが、
良い意味で完全に裏切られた。
どの作品も素晴らしかったが、
一番強く惹かれたのは、
自分の娘たちを描いた「姉妹」。
しばらくの間絵の前に立ち尽くして、
「不思議の国のアリス」の世界を彷彿とさせる
三人姉妹の幻想的な雰囲気をたっぷりと味わった。
この作品は個人蔵で、
今回の展示は30年以上ぶりらしい。
これが見られただけでも、
元は取れている。
そして晩年の風景画
「霧にぬれたハリエニシダ」。
絵の前に立つと、
なんだか向こうの世界に
吸い込まれてしまうようだった。
ミレイが霧の向こうに見ていたのは、
彼岸だろうか?
10/26 までBunkamuraで開催中。
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