日々の寝言~Daily Nonsense~

竜王戦はついに最終局へ

将棋の竜王戦第6局は、
後手番の渡辺竜王が勝った。

これで対戦成績はついに3勝3敗のタイとなり、
初代永世竜王の行方は、
最終局にかかることとなった。

まるで作ったような展開。

羽生名人が3連勝したときには、
誰もが予想だにしなかった状況で、
羽生ファンとしては、
悲鳴をあげたくなる。

こうなってみると、結果論だが
第4局の終盤、あっさりと
負けにしたのが惜しまれる・・・^^;

あれは非情に徹して勝ち切らなくては
いけない勝負だったのかもしれない。

本局は、竜王が後手番の矢倉を受けて立ち、
なんと、羽生名人が先手で
8戦8勝という急戦の局面に誘導。

34手目に△5五歩という折衝の代わりに
△3一玉と陣形を固めたのが
竜王の指してみたかった手で、
これに対して羽生名人は一時間以上の長考。

長考させただけでも
竜王の戦略は成功したといえる。

それにしても、
こんな秘策が暖めてあったとは。
さすが竜王。四連覇は伊達ではない。

第一感では▲6五歩と踏み込んで
先手有利では?とも言われていたが、
変化は複雑で、羽生名人は▲2五歩と自重した。

相手の研究に飛び込むのは
さすがに危険と見たのかもしれない。

これを含む数手のやりとりで
わずかに形勢が傾いたようで、
その後、竜王は、名人の2筋からの攻めを
うまく逆用して逆襲。
封じ手前の△6二角で優位を固めた。

名人はこの手を軽視していたかもしれず、
一時間以上の長考で封じ手となったが、
これ以降、羽生名人が良くなる局面は無く、
最後は大差での投了となってしまった。

竜王にとっては、
第5局に続く会心の一局で、
羽生名人としては、
珍しいほどの不出来な一局。

中継サイトにアップあれている
写真もなんとなく精彩がなく、
食事もあまり食べられなかったという。

やはり、初代永世竜王は獲らねばならない、
というとてつもない
プレッシャーがかかっているのだろうか・・・

今回のシリーズは対局間隔が短いので、
あと一週間で立て直せるのかどうか、とても心配だが、
永世名人を前に大ポカで負けながらも
しっかり立て直した森内前名人の例など、
こういう局面での棋士の根性を物語る事例は
枚挙にいとまない。

羽生名人もまた、
必ずや立て直してくると思う。

いずれにせよ、次の一局は、
50年に一度クラスの大勝負となった。

勝ったほうが初代永世竜王
羽生名人が勝てば永世七冠達成
渡辺竜王が勝てば史上初の3連敗4連勝

どちらにとっても
ものすごく大きな一局だ。

後半の渡辺竜王は、
まるで大山名人が乗り移ったかのような
快進撃だが、こうなってくると、
さすがの渡辺竜王にも、
これに勝ってしまっていいのだろうか?
というプレッシャーが
かかるのではないだろうか。

人類最高レベルの将棋においては、
プレッシャーでちょっと
手が見えなくなるだけでも
負けにつながるということは、
このシリーズの展開自体が証明している。

最後まで平常心、玲瓏な心で
戦えるのはどちらか?

大勝負に名局無し、とも言うが、
もうここまできたら、
どっちが勝ってもいいから、
大一番にふさわしく、人類最強の二人の
秘術を尽くした戦いが見られることを祈りたい。
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