中田英寿の引退

サッカーのファンではない。
自分ではもちろんできないし、
鹿島の試合を２度見たことがある程度。
中田のファンでもない。
どっちかといえば、小野や小笠原のほうが好き。

そんな私でも、中田選手の引退には、
何か感じるものが・・・

第一印象は、
うーん・・・あくまでも格好つけて、
理想をめざして、ほんとによく頑張るなぁ・・・

自分では絶対に真似できないから、
心から「すごい」と思うけど、その一方で、
どうしてそこまでできるの？
そこまで理想にこだわらなくてもいいんじゃないの？
自分を追い詰めて過ぎているんじゃないの？
という気持ちも、当然ながら、ある。
身近にああいう人がいたら、
すごく大変だろうと思うし。

人間なんて、普通はそんなに強いものじゃないから、
もうちょっと、なんていうか、いい加減にできないのか？
って、それができない、そういう妥協をしないところが
中田選手なわけで、すごいんだけど・・・
やっぱり、かなり無理がある。

ブラジル戦の後、ピッチにずっと倒れていた姿は、
彼にどれだけの無理がかかっていたかを表していて、
だからこそ、ある意味ですさまじく感動的だったけど・・・
（長野オリンピックのときの、原田選手を思い出したりして）

日本代表クラスなんだから、
無理しまくって、妥協せずに頑張ってこそ、進歩がある、
というのもたぶん事実なんだろう。でも、凡人からすると、
そこまでして進歩しなくてもいいんじゃないの？
そこまでして進歩しても、あんまり嬉しくないんじゃないの？
そこまでする責任は、無いんじゃないの？
という思いもあって・・・

その一方で、全日本に、もう１人か２人、
中田と同じくらい強い気持ちを持った選手がいたら、
結果はかなり変わったのかもしれない、とも思う。

いずれにせよ、無理があることも、
こういう意見があることも、すべてわかった上で、
自分の判断でやっているわけで、
そこまで自分を作品に仕立てる強い気持ち、
というのはなんなんだろう？
どこから来るんだろう？
自分には絶対わからないことのような気がする。

個を貫く、自分を貫く、ということが
そこまでしないといけないのだとしたら、
それはしんどいことだ。

それにしても、朝日新聞の一面トップ扱い、
というのも、すごいことだけど、その一方で、
なんだかなぁ、とも思う。

実際、思いは結構複雑です。