日々の寝言~Daily Nonsense~

詰むや詰まざるや

昨日のNHK杯将棋選手権は、
新鋭村山四段 対 木村一基八段の対戦だった。
木村八段はA級昇格を決めたばかり。

変則的な序盤からの熱戦だったのだが、終盤、
ちょっとおもしろいことが起こった。

お互いに攻めあうぎりぎりの終盤となり、
後手の木村八段が飛車を取って必至を掛けた。

ここで木村玉に詰みがあれば、村山の勝ち。
解説の桜井八段は、難しいが詰みがありそう、との意見。
村山の師匠だから、ちょっと応援が入っていたかもしれない。

もちろん村山は詰ませに行く。
解説者の言うとおり、3三銀、同金と迫り、
「次は3一角で・・・」と、弟子が勝ちそうなので興奮する桜井八段。

しかし、村山四段の指し手は5二飛。
「あれ?」
そこから数手進んで、
「ああ、こっちでも詰みますね。・・・いや、あれ?」
さらに進んで、結局、詰まずに村山の負けになった。

この将棋は早めに終わったので、感想戦でこの場面が話題になった。
木村八段は「詰まないと思って指していた」と言っていた。
村山四段も「3一角は詰まないような気がして・・・」
というようなコメント。
両者で少しだけ検討が行われて、結局、詰んでいないだろう、
ということで終わった。

ところが、後で、ソフトに棋譜を入力して検討してみると、
3一角できっちり詰んでいた。

30手くらいのちょっとややこしい詰み筋なので、
30秒将棋で読み切れなかったのは仕方が無いと思うが、
普通なら3一角としそうなところだから、
まずこっちを読んで、不詰みっぽい筋が見えてしまったため、
しかたなく別の手を指した、ということではないかと思う。

村山四段を間違わせたのは、「A級八段が指しているのだから、
こっち(自然な手順)では詰まないのだろうなぁ」、
という思い込みだったかもしれない。

村山四段、先週の佐藤天彦四段に続いての金星寸前だったのだが、残念。

ちなみに、私のソフト+ノートPCでこの将棋の棋譜を解析すると、
中盤以降、後手がじりじりとポイントを重ねて、後手勝勢まで行くのだが、
そこで、突然、後手玉に詰みが生じて、先手勝ち、になる。
ものすごく劇的な大逆転^^;

これがいわゆる「水平線効果」なのだろうか?
解析時間などのパラメータを変えて、もう少し調べてみたい。
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