「地域主権」について議論している。
原口総務大臣、渡辺喜美みんなの党代表、
川村名古屋市長、榊原英資慶応大学教授、
そして、経営コンサルタントの方。
日本の経営組織を再デザインする
というのは長年の課題で、
今必要なことなのは間違いない。
しかし、もう何年も議論して、
大枠のところではほとんど何も
進んでいない。
政府側は、今進めている制度の改革について語るが、
人件費2割減、新規採用40%減、
地方への一括交付金、など、
あまり納得できるものではない。
渡辺代表や河村市長が言うように、
交付金というのは結局のところ
ひも付きで、国の権限が残る。
地域主権というなら、
やはり自主財源だろう。
消費税を基盤とする自主財源
+スリム化のための道州制、
というのは、制度としては
悪くない選択だと思う。
人件費一律削減や採用の一律削減は、
典型的な悪いリストラ、
という指摘も大変もっともだ。
渡辺さんは、能力主義でスーパー公務員を
引っ張り上げる、ということのようだが、
それだけだと普通レベルの人の
やる気がそがれる可能性が高い。
高校野球の監督などでもそうだが、
一番重要なことは、普通の人を
そこそこスーパーにすることだ。
監督が代わるだけで、
無名な学校が一気に強くなったり
その逆が起こったりするということは
そういうことだと思う。
制度だけ変えても全然だめ
という指摘ももっともで、
国と地方を一体として、
全体ビジョンと、5年くらいの間の
具体的なイメージを安定的に示す必要がある。
そうでないと、
よく働く人は上に使われて空回りし、
普通に働く人はそれを見てやる気をなくし、
総人件費は2割減っても、
組織としてのパフォーマンスはそれ以上に減る、
ということになるだろう。
一番欠けているのは
大きな絵を具体的に描ける人だ。
みんな「地域分権」「無駄の削減」
「民間主導」「能力主義」「既得権益撤廃」
と合唱するものの、その先の納得できそうな具体的
ビジョンが示せている人はいない。
渡辺さんの言う「能力主義」ひとつとっても、
そうなることは望ましいとしても、
そのプロセスが具体的に示せないと、
本来地味な仕事も多い公務員の「能力」を
誰がどう評価するのか?というところで行き詰まるのは
目に見えている。
やはり「公務員」とは何か?
公共サービスとは何か、そのために
日本における税金はどれくらいが適切なのか、
について具体的に数字や固有地名も出して議論して、
全体を変えてゆかないと駄目なのだが・・・
道ははるかに遠い・・・
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