日々の寝言~Daily Nonsense~

Remi Ballot Bruckner Symphony No.7

年末に、ずっと以前に買ってあった、
チェリビダッケの DVD Box の中から、
聖フローリアン教会で演奏された
ミサ曲第3番を視た。

リハーサル風景と、公演の演奏が
混じりあったおもしろい作りで、
メイキング的な感じのものだったので、
演奏だけを聴きたいと思い、
聖フローリアン、チェリビダッケ、で
YouTube を検索していたら、
Remi Ballot という、チェリビダッケの最後の弟子
と言われる指揮者が出てきた。

なんでも、元々ヴァイオリニストだったのに、
チェリビダッケに唆されて、指揮者もやっているという。

毎年、聖フローリアン教会で開催される
ブルックナー音楽祭で、交響曲を指揮して、
録音しているらしい。

最新のブルックナー研究を反映させた、
ユニークな演奏ということで、
2018年は、一番好きな 7番をやったようなのだが、
まだ YouTube には無かったので、
CD を amazon で買った。

大晦日に、今更第九でもないので、
ブルックナーを聴こうと思って、
その CD を聴いたのだが、
なかなか良い演奏だと思う。

オーケストラも、音楽祭のためのもので、
演奏の完成度という意味では、
チェリビダッケ+ミュンヘンフィルに
及ばないのはしかたがないが、
でも、気持ちの良い柔らかい響きで、
楽しく聴いた。

久しぶりに、日本語版を買ったのだが、
ライナーノートが丁寧に翻訳されていて、
ブルックナーの7番の革新性について
書かれていた内容も面白かった。

第二楽章のアダージョは、ワグナーの葬送音楽
と言われているのは知っていたが、そもそも最初は、
ブルックナーが行きつけの劇場で起きた
火災事故で亡くなった 100人以上の人のための
追悼音楽だったというのは、初めて知った。

ブルックナー自身も、その日、チケットを買っていた
のだが、健康上の理由で行かなかったのだという。

身近な人々の死は、切実に感じられたことだろう。

第二楽章の深い祈りの感情や彼岸性は、
そういうところからも来ていたのだ。

初演が、ライプツィッヒのゲヴァントハウスだった
というのも初めて知った。

自分がブルックナーと出会ったのも、
旅先のライプツィヒで、
シュターツカペレ・ドレスデンが演奏
(指揮は、シノーポリだった)した、
7番だったので、ちょっと因縁を感じてしまった。

シュターツカペレ・ドレスデンと言えば、
首席になったティーレマンのブルックナー7番も、
いつか聴いてみたいものだ。
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