日々の寝言~Daily Nonsense~

コヴィー博士 vs. 稲盛和夫

プレジデントの8月15日号は、
「運をつかむ習慣」特集で、
コヴィー博士と稲盛さんの対談がメイン。

「七つの習慣」は読んでいないが興味はあるし、
稲盛さんのこともよくは知らないのだが、
JALを短時間で再建させた実績は、
とりあえず評価せざるをえない。

ぱらぱら見たら、割と長い対談だったので、
久しぶりに買ってみた。

稲盛:リーダーに必要なのは能力よりも人格である。

コヴィー:リーダーが基づくべき原則は、
誠実さ、正直さ、言行一致、
正義、奉仕、忍耐、勇気、などである。

稲盛:常に、人間として何が正しいのか、
どうやってその正しいことを貫くか、
そればかりを考えている。

稲盛:立派な人格を得たいならば、
スタンダードとなるような立派な生き方をした
先輩を見習う。それによって自分を磨くことが必要。

稲盛:いちばん基本になるのは「利他の心」で
「心を高める」こと。

コヴィー:「七つの習慣」を提唱している。
1)主体性を発揮する
2)目的を持ってはじめる
3)重要事項を優先する
4)Win-Winを考える
5)理解してから理解される
6)相乗効果を発揮する
7)刃を研ぐ

コヴィー:まず私的成功(第一、二、三の習慣)があり、
それに基づいて、公的成功(第四、五、六)がある。
公的成功は、相互互恵状態を作ることが理想。

稲盛:JALの再建を引き受けたとき、
世界中からたくさんのコンサルタントが来て
たくさんのオファーがあったが、
すべておことわりした。

稲盛:テクニックや戦略は必要だが、
組織を立て直すには、まず社員の意識を変える
ことが一番大事。

コヴィー:大切なことはエンパワーメント。

稲盛:幹部を集めて、
「人間として正しいことをする」という
哲学を共有してもらうように教育した。

稲盛:まず必死で訴えたことは、
「JALは潰れた」という事実を
理解してもらうこと。

コヴィー:率直さ、オープンさが大切。

稲盛:「経営十二か条」を提唱している。
1)事業の目的、意義を明確にする
2)具体的な目標を立てて共有する

稲盛:みなさんを幸せにするためにこの目的が要る、
ということがわかってもらえれば共鳴が得られる。

稲盛:アメーバ経営の中核は
「部門別会計制度」。

稲盛:教育が大切。手作りで、外部講師は呼んでいない。
そのほうがお金がかからない。

コヴィー:「刃を研ぐ」は教育にあたる。
肉体(健康)、知性(知識、読書)、
精神(価値観)、情緒(コミュニケーション)を
バランスよく鍛える必要がある。

コヴィー:仕事の成功の前に、家族の成功がある。

稲盛:会社は第一義的には、
従業員とその家族が物心両面で幸せになるためにある。

コヴィー:9人の子供、52人の孫、5人のひ孫がいる。

コヴィー:家族のミッションステートメント(家訓)を作り、
リストバンドに刻んで身につけている。

ひとつの思い、ひとつの心
義のうちに生きる
貧しいものはひとりもいない
肉体、情緒、知性、そして、精神(を大切に)。

コヴィー:「クレッシェンドに生きる」
という本を書いている。
もっと先にいいことがあるという強い気持ちを持つこと、
貢献し続けること、が鍵となる。
貢献の対象は、第一に家族、次に社会。

結局、経営者に最も必要なのは、
常に自分の人格を磨き、徳を高める努力、
ということのようだ。

ドラッカーの「真摯さ」にも通じるものがある。

この対談のほかにも、稲盛和夫金言集から、
運をつかむための机の上のかたづけかた、まで、
面白い記事がいろいろあって、
これなら 690円は安いと思う。
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