たまたま図書館で見つけたので、借りて読んだ。
人類の未来をめぐる連作短編集。
最初の単行本はもう刷っていなくて、
今は文庫で手に入るようだ。
池澤夏樹さんの小説は、
「スティル・ライフ」は読んだものの、
それ以外の作品は途中で挫折。
なんとなく肌が合わない印象だったのだが、
この本はスラスラと読めた。
以下、ネタバレあり。
* * *
「地球幼年期の終わり」と「2001年宇宙の旅」
が示唆した世界を、
池澤さん的にわかり易く書き直した、
というような内容。
初版の発行は1996年だが、
現代の日本のある側面
(出生率の低下や草食化)を
本質的な意味で先取りしている
とも言える。
文体がものすごく自然で、
力が抜けていて良い。
同じように「客観的な」者として、
主人公に感情移入することができた。
中央部に配された写真も
なかなか印象深い。
池澤さんの小説の中では
異色の作品なのかもしれないが、
パーソナルベストになりそう。
全ては大いなる意志の元に・・・
「機械は期待しない。機械は予想するだけだ。」
というフレーズがなぜか心に残った。
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