日々の寝言~Daily Nonsense~

羽生さんのトーク@茨城県

茨城県で羽生さんの穴場的講演が行われる、
という秘密情報を得たので、
はるばる出かけてみた。

会場は、運動公園の隣の公民館のようなところ。
車で行くしかなさそうな場所だ。
建物は新しくてきれいだった。

200席くらい?の会場は8割くらいの埋まり方。
これはたしかに穴場だ!
主催者は宣伝しなかったのだろうか?

定刻になり、羽生さんが
いつものように紺のスーツに
赤のネクタイで颯爽と登場。
(っていつもをよく知っているわけではないが・・・)

椅子に座ると、靴下がちょっと
下がっているのが見えた。
あまり身なりは気にしないようだ。

主催者?であるつくば市会議員のインタビューに答える、
という形式で、講演というわけではなかったが、
司会進行はなかなか円滑で、1時間半近くの間、
間近から羽生さんのお話と笑顔を堪能した。

素晴らしい!

印象に残った言葉はたくさんあるが、いくつか挙げると:
(記憶に基づくものなので、正確な引用ではありません)

整備された現代将棋の序盤は、
相撲の立会いのようなもの。
その段階でまわしを取られてしまう可能性もあり、
そうなると力を出せずに負けるので、
序盤から緊迫していることも多い。

昨日通れた道が、今日は通れない
ということが日常的に起こる。

大山名人は、人の癖を見抜く、すなわち、
なにげないしぐさからその人の心理状態を読むのが
とっても得意だった。
(これは羽生さんも得意なのでは?)

切羽詰った局面では、
その人の本質がはっきりと出る。

データ将棋=データにもとづくマーケティング
統計的に勝ちやすい局面が好まれることになるが、
それでいいのか?個性とのバランスが重要。

40歳は、若さと老獪さと両方を打ち出せる年代
だと思っている。

歳を取るとどうしても選択肢が増えて迷い易くなる。
迷った中での決断は原理的に後悔しやすい。
なので、歳を取ると、過去の失敗や後悔からくる恐怖を
克服することが重要になると思っている。

直観とはオートフォーカスのようなもの。
自然に重要なところに目が行く。

(羽生さんと他の棋士はどこが違うか?)
鍛えて強くなるところではあまり差はでない。
それ以外のわからないところに差があるのだろうと思う。

将来また現れそうな局面については、
感想戦ではあまり取り上げないのが暗黙のルール。

今日はつまらない将棋を指してしまった、
と思いたくない。何か発見があれば
長時間指した甲斐があると思う。

目先の勝利か、十年後の進歩か、
というのは難しい問題。
小さいリスクを日常的に取るようにしている。

(社長だとして、採用の基準は?)
能力よりやる気。即戦力になる人材は少ない。
やる気があれば、やがて能力はついてくる。

やる気を引き出すより、
やる気を無くさせないようにすることが重要。
そのためには、気づかれにくいような
(本人も気づいていないような)
重要性を評価すること??

(めざしている境地は?)
ぱっとみてこれ、と言える境地。

無理なく自然にできることを
マイペースで続けてゆく。
長期の目標は立てないタイプ。

チェスをくたくたになるまでやって
自分はなんでこんなことをしてるんだろう?
と思うくらいになるのが、
自分にとっての気分転換。

無理なく楽しく、続けられるようにする、
ということについてはかなり努力している。

始終楽しそうに、
豊富な話題について闊達に語る羽生さんは、
やはり特別な人だった。

喩えて言えば、アインシュタインのように、
自由に考えること自体を
とても楽しんでいるという印象。

正直、羽生さんが将棋以外の話(経営の話)をする
というのはどうなんだろう、思っていたのだが、
やはり天才なのだ、ということがよくわかった。

今後ともご活躍をお祈りします。
まずは永世七冠をよろしくお願いします。

コメント一覧

ぐれい
コメントありがとうございます
LogicalSpaceさん、はじめまして。
コメントありがとうございました。

羽生ファン同士、
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
LogicalInSpace
トラックバック感謝
http://blog.goo.ne.jp/mathshogi/d/20100801
はじめまして。
LogicalInSpaceと申します。
トラックバックをありがとうございます。

私は、羽生ファンだったので、常陽リビングを見てトークへ行きました。
今後ともよろしくお願いします。
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