日々の寝言~Daily Nonsense~

ゴルトベルク変奏曲への旅 by 髙橋 望、Rosalyn Tureck の 1988年の演奏

オラフソンのゴルトベルク変奏曲の演奏で、
真ん中にある短調の第15変奏が、
冒頭と末尾のアリアととてもよく
呼応しているように感じられた。

全曲はここで折り返しで、
次の16変奏が「序曲」として
第二部が始まるという感じなので、
15変奏がアリアなのは
言われてみれば自然なのだが、
これまであまり強く感じたことが
なかったのがちょっと不思議。

全体の構造はどうなっているのだろう?
などと思いながら、曲の解釈について検索したら、
高橋望さんというピアニストが書かれた
力作が見つかった。

ゴルトベルク変奏曲への旅

全9回の連作で、まだ全部読んでいないが、
知らなかったことも多くてとても面白い。

高橋さんの録音も聴いてみたいと思って検索したが、
YouTube にはほとんど音源がなく、
わずかに Aria だけ見つかった。

2015年の録音の CD は
既に廃盤になっているようだが、
amazon で中古があったので注文した。

そうやって YouTube を検索している間に
お薦めに出てきたのが、
Rosalyn Tureck の演奏の動画。

Tureck はゴルトベルクの録音を複数
リリースしていて、多くはライブなのだが、
これは 1988年にハンブルグのスタジオで
録音された演奏を remix したというものらしい。
このとき Tureck は 84歳!

全体的にゆっくり目のテンポで、
派手なところは全くないのだが、
ひとつひとつの音に意図をこめて、
丁寧に表現している中から生まれる
穏やかさと親密さに癒される。

これもやはり感動的だなぁ。

Aria や2声のゆっくりめの変奏
(7番、13番、18番など)
だけでもよいので、
弾けるようになりたいものだ。
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