日々の寝言~Daily Nonsense~

PCR 検査の必要性について(再論)

日本の PCR 検査数の少なさ
(4/23 現在の累計 112,000)は特異的で、
厚労省の専門家会議は、その理由を
クラスター対策という日本独自の、
医療崩壊を防ぐようにリソースを配分する仕組みで
運用しているから、と説明してきた。

これに対して、もっと検査するべき、
とする意見が当初からあり、
現実的な設備不足や、
医療崩壊につながる可能性がある
ということで、未だに意見が分かれている。

しかし、ここにきて、抗体検査や
病院での無作為 PCR 検査など、市中感染者数が
現在把握できているものよりもかなり多いことを
示唆するエビデンスが増えてきていることから、
厚労省の専門家会議でも、PCR 検査は不足していて、
把握できている数の10倍程度は市中感染者、あるいは、
感染履歴のある人が存在する可能性があることを認めている。

また、検査ができずに自宅待機などする中で
重症化して亡くなられる方も報告され始めた。

こうなると、死亡者数の統計も、
正しいのかどうか怪しくなってくる。

もちろん、さすがに、ニューヨークなどのように、
通常より死者が増えて、葬儀ができないほどの状況
になっているというわけではないと思うので、
結局は、重症化率や致死率の推計値が下がる
ということになるのだろう。

過去の戦略の妥当性は後で検証されるとして、
問題は今後どうするべきか、だ。

ロンドンの渋谷健司先生は、
国民全員に定期的に PCR検査をして、
陽性者は隔離するべき

という意見。

楽天の、社員全員に簡易検査キット配布
というのもこの流れと言えるだろう。

さすがにそれはどうなのだろう、とも思うが、
見えない感染者数がかなり多い、
となったときに(たぶん、なるだろう)、
どういう検査体制を取り、陽性者をどう扱うのか、
は難しい問題になるだろう。

軽症者はホテルなどの簡易隔離施設に収容し、
重症者は病院で対応、というのが直近の解だが、
社会的コストはかなり高い。

まず、KPI をどうするか?
一義的には、新型コロナウィルス感染症を
直接の死因とする死亡者数だが、
それで良いのかどうか。

インフルエンザについては、
インフルエンザが引き金となって
他の要因で亡くなる方も多い。

さらに言えば、経済的な問題や、
精神的な問題が波及する可能性もある。

事態が長期化して、医療リソースがさらに
削られてゆくことが予想される中、
対応はますます難しくなってきていると思う。

どうすれば良いのか、
本当にわからない。

自分自身についていえば、
感染しないように、誰かに感染させないように、
できるだけ気をつける、
ということしかできないのだが。
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