ゴルトベルク変奏曲のCD
(2015年の録音)が
届いたのでさっそく聴いている。
小細工は無く
真正面から曲と向き合って
愛情込めて演奏されている
のがよくわかる。
すべて繰り返しありで、
1回目と2回目では
装飾音を変えるなどの
遊びも見られる。
自然で規範的な演奏で、
超人性や意外性のようなものは少ないが、
その分、Tureck の演奏のように親しみやすく、
良い意味で等身大の演奏なので、
ピアノを学んでいる人が
目指すべきお手本としても
優れていると思う。
ライブだが録音もとてもクリアだし、
もっと評価されてよいと思うのだが、
amazon では在庫切れで中古しか買えず、
Windows の Media Player でも
CD データがでてこなかった。
データベースに情報が無いようだ。
ACCUSTIKA というレーベルだが、
結局、売れるか売れないかは、
プロモーションの部分も
大きいのだよなぁ・・・
そういえば、先日、俳優の
渡辺謙さんを取り上げた
NHK の番組「役者道」を見たが、
そこでも、ハリウッド映画が
日本の映画と一番違うのは、
プロモーションの部分だ、
と言われていた。
その映画のテーマ、伝えたいことを
明確にプレゼンテーションする。
それ以前に、どこかの
コンペティションでの優勝、
みたいなことも売り込むための
ネタとしては必要なのだろう。
しかし、Olafsson も
特にコンペティション経験はないのだが、
アシュケナージに見いだされた
というのが大きいわけだから、
高橋さんも、誰か強く推す人がいれば
いいのかもしれない。
もっとも、ご本人がそうしたことを
全く望んでいないような気もするが・・・
などなど、どうでもよい
ことばかり書いたが、
個人的にはとても気に入ったので、
今後聴き続けてゆこうと思う。
追記1:
高橋さんのホームページに
公演情報があった。
なんと、先週の土曜日に
神奈川県でゴールドベルク変奏曲の
リサイタルがあったようだ。
行きたかったなぁ・・・
来年の 1月20日(土) にも
浜離宮朝日ホール
でリサイタルがあるようだ。
毎年やっているというのは
まさにライフワークだ。
予定があえば行ってみたい。
追記2:
ご本人による CD のライナーノートの最後に、
ゴルトベルク変奏曲が意味するもの
というタイトルの素敵な文章があったので
引用させていただく。
30の変奏の中に、人間の持つ様々な感情
~喜び、哀しみ、嘆き、祈り~を映し出し、
9つのカノンで高度な作曲技術を示し、
鍵盤楽器における名人芸を追求し、
イタリア様式(第13変奏)、フランス様式
(第16変奏)、合唱の様式(第22変奏)、
宗教的要素(第15変奏、第25変奏)、
世俗的要素(第30変奏)などを盛り込み、
それらを数学的要素で一つにまとめ上げた
百科事典的音楽。
これがゴルトベルク変奏曲だと思う※。
「長い旅の終わりに出発点に還り着く、
そこは初めて出会う場所」と、
詩人 T. S. エリオットは美しく謳っている。
ゴルトベルク変奏曲はアリアに始まり
アリアに終わる。長い旅の後、
めぐりめぐって出発点に還ってくる。
しかしその出発点は当初とは一変した
新しい姿を見せてくれる。それは
長い旅を通じて私たちの何かが
変わったからではないか。
ゴルトベルク変奏曲は私にとって
永遠のテーマであり、その探求は
終わらない旅なのだ。
※(ライナーノートからの情報):
ゴルトベルク変奏曲の変奏は 30曲、
最初と最後のアリアも含めると全 32曲だが、
それらは、アリアも含めてすべて
32小節でできている。
そして、第3変奏から、3の倍数の変奏に
9つのカノンが配されていて、
同度のカノンから、2度、3度と
1度づつ音程が開いてゆく。
第30変奏はカノンではなく、
俗謡2曲のメロディーを使った
クオドリベットで、そのうちの1つは、
「長いあいだ会わなかったな、
さぁおいで」という
歌詞なのだそうだ。
追記3:
ホームページでは、
平均律クラヴィア曲集など、
いろいろな CD を
買うこともできるようだ。
シューマンや
シューベルトの曲なども
録音されているようなので
また今度聴いてみたい。
なんと、2023年録音の
新しいゴルトベルク変奏曲の CD
も売られていた。
うーむ・・・
聴き比べる楽しみも
また今度にとっておこう。
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