(日経ビジネスアソシエ 2008/2/19)から
あれもこれもやろうとしているビジネスパーソンに向けて
「『あきらめるな』とよく言います。
だから誰でもあきらめさえしなければ
夢がかなうような気がしてきますが、
そんなことはあまりない。
頑張れば何でもできると思うのは幻想だと僕は思う。
成功した人にインタビューするからそうなるのであって、
失敗者には誰もインタビューしないじゃないですか」
「人間は、生まれ落ちた時からものすごく不平等なんです。」
「限界だらけで僕らは生きている」
「そんなにうまくゆかないのが普通なんです。
その普通がいいんだと思わなければ、
挫折感ばかり抱えて心を病んでしまう」
「僕は一握りの成功者が『頑張れば夢はかなう』と言うのは
傲慢だと思っています。多くの人が前向きに生きるには、
可能性のよき断念こそ必要ではないでしょうか」
山田さんらしい、力の抜けた発言だ。
成功者=頑張った結果うまくいった人(ほとんど)+
ごく少数の頑張らなくてもうまくいった人
失敗者=頑張ってもうまくいかなかった人+
頑張らなかった人(この比率はどれくらい?)
確かに、
頑張ってもうまくいく確率はそんなに高くない、
という事実は認めるべきだろう。
世の中は結局のところ
全員が成功するようにはできていない。
だから、
「頑張れば成功する、夢は叶う」
という命題は明らかに間違い。
成功者のインタビューを読むときには、
サンプリングのバイアスに注意するべき。
その背後には何倍もの、同じくらい頑張ったが
成功しなかった人がいる、と考えたほうがいい。
だから、成功者が、成功していない人に対して
「もっと頑張ればいい」
「うまくゆかなかったのは頑張りが足らなかったからだ」
と言うのも間違い。
しかし、頑張らないと、
成功する確率はもっと低くなるので、
「諦めたほうがいい」「頑張らないほうがいい」
と言うのも間違い。
結局、「可能性のよき断念」
というあたりがポイントだと思う。
限られた資源(時間、体力、資力)
をどこにつぎ込むか。
自分の力をどう使うのか。
そのためには、
なにもかも頑張るのではなくて、
適度に諦めることも必要、
ということだと思うのだが・・・
バイアスのかかった
「頑張れば成功する」が蔓延しているから、
それは違う、と言いたかったのだろう。
ただ、山田さんが一般的な分類としては
成功者なだけに、微妙な感じもする。
「成功」という目標値を
自分にあったものに切り下げる、
という問題も関係しているので、
なかなかやっかい。
最終的には「幸せとは?」というお決まりの問題に
ゆきついてしまいそうだ。
現状での自分なりの答え
幸せとは、自分にあった場で
自分にあった暮らしができること、
だと思う。
だから、怠け者で理想が高い人は
幸せにはなれそうにない・・・
理想が高過ぎるのは、
自分が把握できていないからで、
幸せになるには、生きてゆく過程で
自分を把握してゆくことが重要になる。
そのためには、少しは頑張ってみないと、
自分に何が出来て
何が出来ないかがわからないと思う。
だから、頑張らない人は、永遠に夢を見続け、
自分の力を超えて頑張りすぎる人は、
挫折し続ける。
どちらも、「自分」を把握することがない、
と言う意味では共通している。
「自分探し」というのは、
まず自分を探して、それからそれにあった生き方をする、
という順番で考えると変になるのだが、
生きていること=自分探し、であるというのは、
正しいと思うのだが・・・
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