1979年に初版第1刷を買っている。
朝永振一郎博士が亡くなられたのは、同じ年の7月8日。
この本は未完の遺作だった。
ふと思い立って、すごく久しぶり
(約30年ぶり?)に読み返してみた。
占星術や錬金術が、物理や化学になってゆく
20世紀の入り口までの歴史を、
わかりやすい語り口でたどってゆく。
その語り口たるや、まことに典雅であり、
まさに名著である。
しかし、これは言うまでもないことだ。
残りが書かれなかったことが惜しまれる。
これも言うまでもないことだ。
ごまかしのない知的誠実さ、
というようなことを感じることができる、
稀有な文章だと思う。
ぎすぎすした昨今だからこそ、
こうした典雅で誠実な文章に触れる時間は
とても貴重だ。
高校で物理学を習って、
物理学の理論が面白いと少しでも思った人は、
ぜひ読んでみてほしい。
物理学者に成るつもりはなくても、
読んで損は無いと思う。
ネットを検索したら、松岡正剛さんの、
もっとずっと気の利いた紹介があった。
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