日々の寝言~Daily Nonsense~

最後にまくるという戦法

王座戦の感想を見ると、
途中まで羽生さんがリードしていたが、
中盤終わりころに1手緩んでかなり接近して、
さらに終盤にもう1手緩んで逆転した、
ということのようだ。

つまり、渡辺竜王が終盤にまくって逆転勝ち。

この、終盤にまくるという戦い方は、
競馬や競輪では普通にある。
マラソンでもありそうだ。

トップを走るより、後をついてゆくほうが、
体力的、心理的に有利なので、
それで作った身体的・精神的な余裕を最後に出す、
ということなのだろう。

将棋の場合はどうなのだろうか?

リードしているほうと、されているほうと、
圧倒的な差がついてしまえば別だが、
微差の場合にはどちらが大変なのだろう?

リードしているほうは、
相手の手を狭める方向に指すとすれば、
されているほうはあまり考える余地がないので楽、
という面はあるのかもしれない。

それでなくても、より手が限定されている
ということはありそうだ。

リードしている側としては、駒得を拡大してゆくような感じで、
微差のリードを徐々に広げて行ければ理想なのだが、
自分と相手と1手づつしか指せないし、
駒の働きや全体的なバランスの問題もあるので、
正確に応対されると、なかなかそう簡単には
リードが広げられないものなのかもしれない。

というわけで、将棋の場合も、
序盤、中盤ではあえて相手に少し無理気味なリードをさせて、
自分はそれについてゆき、終盤でまくる、
という戦い方が成立するのかもしれない。

それを一番得意としていたのは羽生さんなのだが、
最近では渡辺さん、そして森内さんに
そのあたりで負けている感じがする。
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