ほとんど憶えていない(上海の話だよね、くらいしか・・・)
ので、Kindle で再読した。
前半はかなりゆっくりと、下敷きとなる話が進むので、
なかなか入ってゆきにくい感じがあったが、
主人公が日中戦争中の上海に入ってからは、
一気に展開が激しくなり、
巻を措く能わず、という感じになった。
両親が幽閉されていたという家を求めて
上海の戦地を彷徨うところは、次作の
「充たされざるもの」も連想させるような
不条理劇の展開。
世界は決して子供時代のように美しくはない、
ということは「わたしを離さないで」
につながっている。
ラストは定石的とはいえ、
美しくてとても哀しい。
なぜかわからないのだが、
福永武彦さんの「風のかたみ」
のラストを思い出した。
長い長い音楽を聴いたときのような読後感。
どうして、こういうお話が書けるのだろう?
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