日々の寝言~Daily Nonsense~

読みのエアポケット

竜王戦挑戦者決定戦の第2局は、
木村八段が逆転勝ちした。

羽生名人の後手番から、
一手損角替りに進み、
羽生名人の40手目で前例から離れた。

その後すぐに激しい戦いになり、
やや羽生優勢で終盤へ。

しかし、羽生玉も非常に薄く、
前局に続いてぎりぎりの勝負だ。

控え室で検討する棋士たちが
羽生勝ちとなる筋を見出した90手目に、
羽生名人に敗着が出てしまう。

そこからさらに30手ほど木村玉を
追い詰めるが、木村八段は冷静に対応。
こういうところがこの人の強さなのだ。

切っ先はわずかに届かず、119手で投了となった。

90手目の勝ち筋は妙手ではあるが
それほど難しいものではなく、
普通のプロであればひと目だったようだが、
両対局者とも見えていなかったらしい。

将棋は、自分が捕獲した相手の駒を
再び使うことができるので、
チェスとは異なり、良い試合であるほど
終盤の可能性が爆発して
こういう「読みのエアポケット」が
発生しやすくなるのだろう。

良い試合ほど、終盤では持ち時間が
なくなっていることが多く、
対局者もそれまでのやりとりで疲れているので、
さらにミスの可能性が増える。

終局後の写真では、
羽生名人の顔は朱に染まり、
いかにも悔しそうだった。

羽生さんが逆転勝ちすれば、
さすがは羽生さん、と言い、
逆転されるてしまうと、
こういうこともあるから、
将棋はほんとうに面白いゲームだ、と言う。

それが羽生ファン^^;^^;

明後日には、同じ木村八段と
17連覇のかかる王座戦の第一局。

木村八段は、容易に崩れないので、
またまた白熱の終盤が続くのだろう。

観戦ファンとしては楽しみな限りだが、
大変なことだ・・・
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