話し合われていた。
まず、大前提として、
日本経済の弱さは、内需の弱さにある、
という指摘があった。
これはもうずーーーっと指摘され続けてきているが、
指摘されるだけで、どうにもなっていない。
原因の一つは、将来不安だと思う。
年金不安、雇用不安、が高いので、
とうていぜいたくに遊ぶ気分にはなれない。
一度職を失うと、非正規雇用しかないから、
長い休みなど決して取れない。
さらに、個人金融がひどすぎると思う。
銀行や証券会社がやっていることは、
消費者に金を貸して、借金漬けにすることと、
ババをつかませて上前をはねること、だけで、
庶民の僅かな資産を増やすようなサービスが全然無い。
雇用の問題もひどいものがある。
番組中にも出ていたが、企業数では 0.2% くらいの
大企業が労働者の10% 少しを雇用していて、
その人たちだけについていえば、
人数は減っているのに、給与総額は上がっているという。
残りの中小企業 99.8% に勤める 80% 以上の人たちの
給与は下がり、非正規雇用率が増えている。
つまり、大企業が、中小企業を搾取して
既得権を維持している姿がはっきり見えている。
そして、既得権にあずかれる人の数は、
少しづつ減っているわけで、
まさにジリ貧の状況だ。
どうしてこんなことになったのか?
番組ではあまり指摘されなかったが、
やっぱり、構造改革のやり方に問題がある思う。
構造改革は、既得権益をぶっとばす、ということで
始まったわけだが、結局、中途半端でぶっとばせなかった、
ということだ。
今のところ、既得権益は、ジリ貧になってはいるが、
多くの分野では温存され、弱者だけがひどい目にあっている。
中小企業が受け持っているようなドメインでは、
グローバル化と生産性アップの名の下に、
過当競争が起こり、非正規雇用が増え、
労働分配率は下がり、賃金が下がった。
もちろん、大企業が次々と潰れては困るので、
すぐにぶっとばせるはずもなかったし、
そこが世直しの難しさなわけだが、
うまくいっているとはとても言えないだろう。
大田大臣にいたっては「これからやっと」
などと言っていたが、なんともひどい認識だ。
経営者代表の丹羽さんは、もう政府には頼れないから、
大企業自ら、中小企業対策をしないといけない、
などと発言していたが、これもかなり危険な香りがする。
みんなが丹羽さんのように立派な経営者ならよいが、
多くのケースでは大企業に都合よいことしかされないのは
目に見えている。
小さな政府になるための、
さまざまな仕組みを作らないまま、
規制だけを緩和してしまったので、
力のあるセクターが好き勝手している、
という感じだ。
弱者は分断され、
正規雇用者中心の組合組織も
全く機能していない。
どうすればいいのか???
日本の資産は、人と技術だけ、
というのはそのとおりだと思う。
その一方で、非正規雇用の増加によって、
新卒採用から企業内教育というシステムが
崩れているのは、どうしようもない。
労働力の流動性の向上は、
やむをえない流れだ。
だから、教育、人材育成、利潤分配、すべて含めて、
硬直化しているシステムを上手に壊しつつ、
新しいシステムを再構築しなくてはならない。
既得権益を持っている人たちは
当然それに反対する。
世直しは、いつの時代も簡単ではない・・・
戦争でゼロリセットして、
同じスタートラインから競争させてくれ、
という声も、わからなくはない。
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