日々の寝言~Daily Nonsense~

グレゴリー・ベイトソン「精神と自然」

ベイトソンの晩年一冊。
一番わかりやすくその思想がまとめられている。

物理法則が死んでいるものに対する
基本法則であるとすれば、
生きているものに対する基本法則は何か?

それがベイトソンが
サイバネティックスに触発されて以来
考え続けた問題だ。

その成果が、ほんとうにわかりやすく
書かれているのが嬉しい。

「精神」の定義、の章だけでも
読む価値は十分にある。

自然界はみんな開いている。
オープンシステムだ。

エネルギーと情報を相互に
自由にやりとりしている。

そうした中で、人間だけが、
「自己」に閉じようとする方向の
志向を持っているように見える。

脳の超複雑性ゆえに、開いてしまうと
社会が成り立たなくなってしまうため
なのだろうか?

それにしても「サイバネティックス」は
最近あまり聞かなくなってしまった。

コンピュータがコモディティー化して、
もう当たり前のことになってしまった面もあるが、
その過程で忘れられてしまった面もあると思う。

そろそろまた、その含意を見直しても
よい時期かもしれない。
  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「本」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事