一番わかりやすくその思想がまとめられている。
物理法則が死んでいるものに対する
基本法則であるとすれば、
生きているものに対する基本法則は何か?
それがベイトソンが
サイバネティックスに触発されて以来
考え続けた問題だ。
その成果が、ほんとうにわかりやすく
書かれているのが嬉しい。
「精神」の定義、の章だけでも
読む価値は十分にある。
自然界はみんな開いている。
オープンシステムだ。
エネルギーと情報を相互に
自由にやりとりしている。
そうした中で、人間だけが、
「自己」に閉じようとする方向の
志向を持っているように見える。
脳の超複雑性ゆえに、開いてしまうと
社会が成り立たなくなってしまうため
なのだろうか?
それにしても「サイバネティックス」は
最近あまり聞かなくなってしまった。
コンピュータがコモディティー化して、
もう当たり前のことになってしまった面もあるが、
その過程で忘れられてしまった面もあると思う。
そろそろまた、その含意を見直しても
よい時期かもしれない。
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