”知財コミュニケーション研究所 知財コミュニケーター”® 知財活用コンサルタント・セミナー講師:新井信昭のブログ 

「社長! その特許出願ちょっと待った!」。「見せない 出さない 話さない」と「身の丈に合った知財戦略」で企業を元気に!

学生の発想で知財活用

2015-06-25 11:02:00 | 知財経営コンサルティング
おはようございます。知財経営プロデューサーの新井信昭です。

「浜松、静清の両信金は地元大学と連携し、大手企業の未活用特許を商品開発につなげる「知的財産マッチング事業」に取り組む。優れた技術と、若い柔軟な発想で生まれた事業プランを、取引先の中小企業の新ビジネスに結び付ける。」

下記のサイトの始めの部分を引用しました。

詳細はこちらです


私はよい試みだと思いますよ。

新ビジネスが出てくれば特許権のオーナーもハッピーだし、これから社会に出ようとする学生にとってとてもよいトレーニング。

いや、トレーニングといわず、本番と考えてもよい。

そのまま起業だっていい。

ただ、せっかくの「知的財産マッチング事業」なのだから、広く学生の英知を活用できるように考えたらどうだろうか。

その一つは、「知的財産」の捉え方。

「未活用特許」とあるけど、「特許」なら「特許された発明」ということ。

「特許された発明」を使えるような事業プランとすると、プランの行き先が狭くなってしまいませんか?

だいたいにして特許を取るためには、先行する技術との違いを出すために発明を狭くしていかなければならないことがほとんど。

こんな例を想像してみた。

最初は、「天板と、それを下から支える脚部からできているテーブル」という発明だった。天板も脚部も形は自由。なんでもいい。モノを載せられるものなら何でも天板として使える。ミカン箱で作った脚部だってok。すっごく広い発明だ。早速、特許出願した。

ところが、特許庁の審査の中で、先行技術として雑誌に載っていた「四角い天板」が見つかった。

四角い天板との違いを出すため、出願発明の天板を「丸い」ものに狭めた。つまり、天板の形を限定した。限定しないと特許がとれないから。

これで特許されたとしよう。特許された発明は、「丸い天板と、それを下から支える脚部でできているテーブル。」だ。

さて、事業プランに話を戻すと、「丸い天板」を使って事業を作ろう、ということになる。

「丸い天板」だけに絞ってしまうと、「四角い天板」や「三角の天板」は入らない。狭い範囲の事業になってしまうのではないだろうか。

私がいいたいのは、「特許」ではなくてもいい、特許されなくても使える発明はあるはずだ、ということ。発明をもっと広くとらえたほうが、やりやすいはずだ。

長くなったので、続きは、次のブログで書きます。

今日もお読みいただき有難うございました。

最新の画像もっと見る