ぐちゃぐちゃ英作文

和文英訳についてぐちゃぐちゃ考えたことを綴ってます

空腹こそ妙薬

2023年07月02日 | 英語
卒論を提出し、社会に放り出され初めて就いた仕事は楽しかった。職場の隣に本格インドカレー屋があり、英語が好きだったので店員の外国人とも程なく友達になった。その中のひとりにネパール出身のカジさんという男性がいた。
真面目な人だった。ある日、連れ立って喫茶店に行くと古びたノートをバックから取り出し見せてくれた。ノートには鉛筆書きの英文がビッシリ綴られており、それらは1ページでブログで言えば一本の記事のような体裁のものだった。身辺雑記やら考えを纏めたような文章やら。
拝読すると、私には到底真似のできない立派な英語で、そのまま文科省検定済み教科書に採用してもいいくらいに感じられた。驚いて「どのように英語を学んだの?」と訊くと、「学校から一冊教科書が渡されました。私はその本以外英語の本は持ってないのでその本で一生懸命勉強しました」と。
わたしなど読みさしや積読の英語の参考書が机の上で雪崩を起こさんばかりなのに。
そう言えば、養老孟司さんが自身のYou Tubeチャンネルで梗概こんなことを言ってらした。
「戦後の食糧難を経験してるから。腹空いてるのなんて当時は当たり前だったよ。そんな時にね飴玉の一つも貰って口に含むと糖が回って凄く元気になったもんだ」。
わたしの英語学習については、カツ丼を食べながらうな重に箸を付けさらに海老フライを口に放り込むような超高カロリー三昧を謳歌してきた。それはそれで恵まれたことに感謝しつつも、そろそろこれと決めた一冊を骨までしゃぶり尽くさないと永遠にカジさんの足元にも及ばないままな気がする。