土橋さん！

コーヒーの豆が切れたので「松坂屋ストアー」（ピーコックストアー）まで買いに行きました

「コーヒー」

「コーヒー」

独りブツブツと上の看板の表示を見ながら探していたら

（これをしないと余分な物まで買ってしまう）

「土橋さん」

叫び声が僕の耳に飛び込んで来ました
「ガスッ」

女の人の足元で買い物籠が踏みつぶされバキバキになった欠片が飛び散っています

「大丈夫」

もう一人の奇麗な女の店員さんが直ぐに駆け寄り素早く欠片を集めます

細かい欠片もきちんと探し出して関係無い人達にも

「すいません」

深々と頭を下げている姿はとても素敵でした

僕は気になりコッソリ成り行きを見ていまし

「大丈夫だった」

皆が居なくなると土橋さんを気遣い声を掛けます
「うん大丈夫だよ」

「突然買い物籠に乗るからビックリしたよ」

「ゴメンねあれと間違えたの」

土橋さんが指差した先には牛乳パックを運ぶコンテナが…

「間違えて乗ったら壊れたの」

「そうなの最近年だからよく間違えるの」

二人は笑って別の場所に行った

僕は素早く塵一つ残さず{/m_0150/}見事に清掃し土橋さんを気遣う女の人に感動しながら家に帰った

ドラちゃん

「もうお腹一杯」

女の子とお父さんがご飯を食べ終わった所だ

「ご馳走さま」

「もういいの」

女の子⑥皿に対してお父さんは②皿だ確かに少な過ぎる

「お父さんちょっと風邪気味だから薬飲むね」

おもむろに薬の袋を開けると一気に手の平に傾けた

白い粉末がサラサラと舞い落としブアッと煙を舞い上げた

「ゴメンね」

お父さんは煙を拡散させるように扇ぎ

「大丈夫お父さんは大丈夫なの」

女の子は心配そうに見つめる

「うん大丈夫だよ」

ニコリと笑った

「風邪ひいてるから疲れてるの」

「それも少しあるけど…」

お父さんは薬を飲み干しコップを置いた

「前にね玉子焼きを作ろうと思って玉子の中身を捨てて殻を炒めた事があるからねぇ…」

わ・笑えん

「ドラちゃんがいれば良いのにね」

女の子が突然言った

「なんで」

お父さんは優しく聞き返した

僕も気になった

「だって道具を出して貰えば風邪も治るし失敗する事も無いでしょ」

「そうだね」

②人はニッコリ笑っていた

なんだか僕の心も暖かくなった