はぐれの雑記帳

極めて個人的な日めくり雑記帳・ボケ防止用ブログです

癌入院日記 7日目②(4月13日)

2020年08月28日 | 日記

瞑想

12:30-13:00 土矢さんが帰ったあと、ベッドの上に胡坐座で坐り、ひざの上に親指を握るようにして拳を作り甲を下にそっと置いて、背筋を伸ばし、正面を見て、半眼にして1mほど先を見る。瞼の上と額の間にスクリーンができる(様な気がする。)しばらく集中すると、そこに光が現れる。それは時によって違うのだが、雲の中にいる様な場合もあれば、一点からライトの光が向かってくるような時もあった。いずれにせよその額の部分に集中すると、今回は深紅の光があらわれ、やがて深青色にかわり、その光が彷徨うに動いているようのだが、一瞬チベット仏教の悪魔の像の姿が現れかに見えたが、長く映像にはならず消えてクジャクの羽の緑青色の目の様なものが沢山流れてきた。次に深い青みがかった光が、やがて白い光に現れて、太陽のようにさらにつよく輝いてすべてを包み込んで行った。

手術を前に不安や恐れが現れないかと瞑想したが、そういうものは現れず、光から雲の様な状況にの中を浮遊しているのだ。キリストやマリア様などを思い浮かべたが、やはり求めているものが違うようで、ぼにゃりと寺の様な建物が見えて来た。今度は大日如来のお姿があらわれないかと願ったが、姿を見ることはできなかったが、顔の一部がかすかに見えたかと思うほどで、やはり出なかった。やがてお寺の様な建物がぼんやりあって、今度は大日如来の像を求めて、その光りにつつまれるようにと願った。しかし今回は姿を見ることもできず、顔の一部がかすかに見えたかと思うくらいで、やはり大日如来の姿を見ることができなかった。白いひかりがあらわれたり、群青色の光がぐるぐるまわっている。やがて全体が白くなって覚めた。ベッドに戻って本を読むことにした。

14:30 針谷さんと成田さん家族がやってきた。驚いたことに、千羽鶴を針谷さんや成田さんの会社の人が折ってくれたことで、それも色合いのある美しいもので、間違いなく千羽ある。長さ2mほどになる。最後の仕上げに夜中の3時まで折ったと言う。どういうお礼をしたらよいのか、皆目見当もつかない。

成田さんの子供の3人も見舞いに来てくれた。舞ちゃんと拓君と純君は手紙をくれた。それに寄せ書きも頂いた。30分ほどいてみなさん引き揚げて行った。

15:00 裕子が来てくれたので、ちょうどみんなが引き上げる時だったので、挨拶をしてもらって、エレベーターまで見送った。その後裕子と過ごす。いささか疲れた。

裕子に瞑想の事を話すと、裕子が言うには、最初に手術の光景で大日如来が現れたと言われた時は、気が変になったのではないかとしたのよ、と言う。だけど説明してあげると、そんあことがあるんだ、とだんだん私の話を信じてくれるようになったけど、オームと同じだからやたらと話をしてはいけないと、私に釘をさす。自分でも不思議に思うよと言った。裕子は手術には全く心配していないと言った。

16:30 風呂に入るので、木下さんを探して下の毛を剃るのかどうか確認させた。一部剃ることにして処置室で処理してからお風呂に入ることにした。私がお風呂に入るころに家に帰った。お風呂は気持ちよかった。風呂から出て部屋に戻るときに恵沢さんご夫妻に会った。ひげをそり落としたのに気づいて、「男前になった」と軽口を言う。「明日の夕方、部屋を覗いてください」と言った。「行ってもいいの?」「はい、どうぞ」と答える。

18:00~20:30 大谷さんと赤坂さんと星野さんと種市さんに千羽鶴のお礼の電話をした。仕事やスキーの仲間も参加してくれたのだ。待合所で深沢さんと火曜日に手術を受ける人と話をしていた。19:00頃に関谷さんもきて一緒に話した。もう一人の人が言うには防衛医科大には癌の名医がいて、特に胃癌は2人の先生が有名で、長谷先生はその一人で、名医に数えられる医者なのだと言う。私は運がいいらしい。インターネットで調べるとわかるらしい。八時に部屋に戻り、最後のお茶を飲む。9時以降は水を飲むのもいけないと言う。喉が乾いたらうがいをするだけだと言う。

今晩は催眠剤を貰うことにしている。看護師の玉置さんが8時半に来て、催眠剤を置いていった。今夜の当番は渡辺さんだと言う。彼女はひげが無い方がいいと言う。この子は23歳かな。野々垣さんの2つ上だと言う。背が高くてきれいな子だ。

そういえば、処置室で下の毛を処理するときに木下さんとお話ししていたら、彼女は友達に彼氏を紹介したら、取られてしまって、別れたのとの、嘆いていた。明るい子なので、その程度ではくじけないだろう。とてもいい子だ。

明日、いよいよ手術だ。特別の不安とかはないが、やはり初めてのことだから、多少落ち着かない。どちらかと言うと興奮するタイプだから、落ち着くために瞑想をしようと思う。10時には寝て、6時にに起きたいと思うのだが、気持ちが高ぶっているのだろうか。寝る前に催眠剤を飲む。

そして寝る前に瞑想をする。

・・・いや寝ながら横になって瞑想をしたのだ。私は静かに瞑想をした。手術室を思い浮かべる。倉庫の様な広い部屋で壁は白一色で天井は見えない。私はストレッチャーに乗せられたまま部屋に入り、手術台の上に横たわっているのだが、周りには幾人もの看護師さんがいるけれど顔はわからない。ただその部屋の断面図が情景として出ているのだが、その壁にはっきりと大日如来の仏の姿を見たのだ。お顔は見えないけど、その光景全部が仏さまに包まれているような感じだった。「あっ、私は見守られている」と思った。そしてその何とも言えない安心感を得たまま眠ってしまった。・・・・この記述は日記帳には書いていない。