一句鑑賞

テントウムシ

 

朝顔の蔓が低木の中に伸びていた・・・朝は薄い藍色だったが、しぼむと紅紫になりました。

先日からの虫シリーズではありませんが、天童虫の句を。

今の暑い時期は見かけませんが・・・

 

のぼりゆく草ほそりゆくてんと虫   中村草田男

テントウムシが茅か何かの草のさきへと進んでいる。

緑色の葉と虫の赤に黒点が見えるようですが、果たしてその見たままでしょうか?

作者の名の草がここで気になりますね・・・人は老いて身体が細くなります。

自分は老いてゆくのだが虫はそんなことにお構いなく無心に葉の先端へと上っている。

その先まで達すると・・・・

 

翅(はね)わつて(割って)てんたう虫の飛びいづる   高野素十

綺麗な斑点の翅を割って、一瞬のうちに飛んで行ってしまった。

とその瞬間を詠んでいますね。

 

小さな虫にはその飛び立つ先があるのですが、人は今いる大地から離れようとしてもできない。

虫の命も短いが、人もまた儚いと詠んだのでしょうか。

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