みなさま、庭主のだんなです。
小さな庭のある出来ごと。。。の続きです。
前回は、何故に私がシジュウカラ夫婦の子育てを少しでも見守りたいと思ったのか?というところまででした。
春から夏にかけては、シジュウカラに限らず、たくさんの小鳥が同じ時期に子育てをします。
この時は、木々も緑の葉を繁らせ、花も咲いて鳥たちのさえずりも聞こえ、とても素晴らしい季節です。。。
でも、子育て中の親鳥や、可愛らしいヒナたちにとって、実はこの時期が最も無防備になりがちで危険だということを、実感した私たちなのでした。
では、何がシジュカラはじめ小鳥たち親子にとって危険なのか。。。それはモズです。
一般に天敵というと、カラスや大型の猛禽類を思い浮かべますが、カラスやタカなどがたまにテリトリーに入ってくると、小鳥たちは一斉に警戒音を発して安全な場所に身を潜めます。
しかしモズは、大型の鳥ではなくてスズメより一回りか二回り大きいだけなので、パッと見だけでは普通の小鳥に見えないこともないです。
でも、猛禽類に分別されていて、動きもすばやくて、大型の鳥と違って木の枝に潜んでいると、近くにくるまでなかなか分かりません。
そんなモズが、シジュウカラ夫婦の子育てが進むのと機を合わせるかのように、我が家の庭にもたびたび出没するようになったのです。
ご近所には何件かツバメが巣をかけているお宅もあるので、それと合わせて様子を見にきているのでした。
そんな、ある早朝、シジュウカラやツバメが騒がしく鳴いています!
窓から様子をうかがうと、近くの電線にモズが止まっており、ツバメ夫婦が体当たりをしているではないですか!傍ではシジュウカラ夫婦も警戒の鳴き声を必死にあげています。
あわてて外にでて電線の下までいくとモズは飛び去りましたが、このあと何度もやって来るようになったのです。
いくらモズが猛禽類の中では小型といっても、小鳥の中でも小型の部類のシジュウカラに比すれば大きいですし、強力な嘴を持っています。
それでも、シジュウカラは巣箱のなかのヒナたちを守るために、勇敢にも立ち向かうのでした。
モズも同じように子育て中なのかもしれませんし、自然の摂理でもあるのでしょう。
でも、同じ敷地で暮らす者どうしです。手をかしてください!と頼まれるならば、できる範囲で応えようと思いました。
そうなんです、最初は気づきませんでしたが、私たち夫婦にシジュウカラ夫婦からのSOS依頼があることが分かったのです。
ところで、シジュウカラについて少し皆さまに知っていただきたいことがあるのです。
それはシジュウカラは文法を理解するということなんです。
京都大学の生態学研究センターの鈴木俊貴さんが発表して、学界でも大きな反響があった研究なのですが。
下記の文章は、鈴木俊貴さんの文章です。
『シジュウカラは、異なる意味を持つ鳴き声(単語)を文法に従って組み合わせ、文章をつくることが知られるヒト以外で唯一の動物です。
本研究グループは、同種・他種の鳴き声から合成した人工的な音列を聞かせることで、シジュウカラが初めて聞いた文章であっても文法構造を正しく認識し、単語から派生する文意を理解する能力をもつことを明らかにしました。
ヒトは文法を用いて新しい文章や多言語が混在した文章からでも意味を理解することができますが、この能力がヒト以外の動物において確認されたのは今回が初めてです。本研究成果は、文法能力の柔軟性を動物において初めて明らかにしただけでなく、私たちの言語がどのようにして進化したのか解き明かす上でも重要な発見です。』
例えば、前述の鈴木俊貴さんは、自身のウェブサイトでこうおっしゃっています。
『スズメはシジュウカラ語がわかるみたいだ。シジュウカラの普段の声には何にも反応しないけど「タカがきた!」って声を聞くと一目散に飛んで逃げる。たぶん学習してるんだろな。スズメはすごい!論文化して発表しよう。』
シジュウカラの ジジジ という鳴き声が 集合!! という意味を持つことは鈴木さんが教えてくれたのですが、本当に我が家の庭でシジュウカラがジジジと鳴くとスズメが集まってきました。
それはエサを食べたり水を飲んだりする時は無防備になりやすいので、たくさんの個体が集まる方が安全だからなんですね。
ある時、シジュウカラ夫婦が近くの電線でジジジと集合を掛けていました、その声を聴いて様子をうかがうと近くにスズメたちはいません。
巣箱の近くでもないし、他の小鳥たちもいないし、どうしたんだろう?と不思議に思い近寄っていき、どうしたの?と聞くと、シジュウカラはこちらを見ながら少し移動します。
ん?と思って後を追うと、シジュウカラは鳴きながらまた少し移動します。それを何度か繰り返すと、なんとその先にはモズがいたのです!
我が家の庭では、鳥ばかオヤジのパトロール強化でモズを見掛けなくなったので、すこし安心していた矢先でした。
巣箱の周りだけを見ていた自分の不明を恥じ、パトロール範囲を広げることにし、さらにシジュウカラの遠くの鳴き声にも注意を払うことにした私たちでした。
こうして視点を広げると、シジュウカラだけでなくツバメたちもスズメたちも警戒音を発していることに気づきます。
そのたびに近くに行ってみると、そこにはモズがいるではありませんか!どうも何組かのモズがいるようです。
ツバメの巣からもヒナたちの鳴き声が聞こえ、シジュウカラのヒナたちの巣立ちの日も近づいて来るにつけ、モズの襲来の頻度も増加します。
あちらこちらで小鳥たちの警戒の鳴き声が聞こえ、ツバメたちの必死のアタックが繰り返されます。シジュウカラからの要請も。
そのたびに、鳥ばかオヤジがおっとり刀で現場に急行?するわけですが、年齢も考えて足腰に負担がかからないようジョギングシューズを履いてダッシュです!
それにしても、事情をご存じないご近所の方々は、さぞかし???と思われたことでしょう(;一_一)
しかし、ここまで来たら見守り隊は続けなければなりません。
続きます。
小さな庭のある出来ごと。。。の続きです。
前回は、何故に私がシジュウカラ夫婦の子育てを少しでも見守りたいと思ったのか?というところまででした。
春から夏にかけては、シジュウカラに限らず、たくさんの小鳥が同じ時期に子育てをします。
この時は、木々も緑の葉を繁らせ、花も咲いて鳥たちのさえずりも聞こえ、とても素晴らしい季節です。。。
でも、子育て中の親鳥や、可愛らしいヒナたちにとって、実はこの時期が最も無防備になりがちで危険だということを、実感した私たちなのでした。
では、何がシジュカラはじめ小鳥たち親子にとって危険なのか。。。それはモズです。
一般に天敵というと、カラスや大型の猛禽類を思い浮かべますが、カラスやタカなどがたまにテリトリーに入ってくると、小鳥たちは一斉に警戒音を発して安全な場所に身を潜めます。
しかしモズは、大型の鳥ではなくてスズメより一回りか二回り大きいだけなので、パッと見だけでは普通の小鳥に見えないこともないです。
でも、猛禽類に分別されていて、動きもすばやくて、大型の鳥と違って木の枝に潜んでいると、近くにくるまでなかなか分かりません。
そんなモズが、シジュウカラ夫婦の子育てが進むのと機を合わせるかのように、我が家の庭にもたびたび出没するようになったのです。
ご近所には何件かツバメが巣をかけているお宅もあるので、それと合わせて様子を見にきているのでした。
そんな、ある早朝、シジュウカラやツバメが騒がしく鳴いています!
窓から様子をうかがうと、近くの電線にモズが止まっており、ツバメ夫婦が体当たりをしているではないですか!傍ではシジュウカラ夫婦も警戒の鳴き声を必死にあげています。
あわてて外にでて電線の下までいくとモズは飛び去りましたが、このあと何度もやって来るようになったのです。
いくらモズが猛禽類の中では小型といっても、小鳥の中でも小型の部類のシジュウカラに比すれば大きいですし、強力な嘴を持っています。
それでも、シジュウカラは巣箱のなかのヒナたちを守るために、勇敢にも立ち向かうのでした。
モズも同じように子育て中なのかもしれませんし、自然の摂理でもあるのでしょう。
でも、同じ敷地で暮らす者どうしです。手をかしてください!と頼まれるならば、できる範囲で応えようと思いました。
そうなんです、最初は気づきませんでしたが、私たち夫婦にシジュウカラ夫婦からのSOS依頼があることが分かったのです。
ところで、シジュウカラについて少し皆さまに知っていただきたいことがあるのです。
それはシジュウカラは文法を理解するということなんです。
京都大学の生態学研究センターの鈴木俊貴さんが発表して、学界でも大きな反響があった研究なのですが。
下記の文章は、鈴木俊貴さんの文章です。
『シジュウカラは、異なる意味を持つ鳴き声(単語)を文法に従って組み合わせ、文章をつくることが知られるヒト以外で唯一の動物です。
本研究グループは、同種・他種の鳴き声から合成した人工的な音列を聞かせることで、シジュウカラが初めて聞いた文章であっても文法構造を正しく認識し、単語から派生する文意を理解する能力をもつことを明らかにしました。
ヒトは文法を用いて新しい文章や多言語が混在した文章からでも意味を理解することができますが、この能力がヒト以外の動物において確認されたのは今回が初めてです。本研究成果は、文法能力の柔軟性を動物において初めて明らかにしただけでなく、私たちの言語がどのようにして進化したのか解き明かす上でも重要な発見です。』
例えば、前述の鈴木俊貴さんは、自身のウェブサイトでこうおっしゃっています。
『スズメはシジュウカラ語がわかるみたいだ。シジュウカラの普段の声には何にも反応しないけど「タカがきた!」って声を聞くと一目散に飛んで逃げる。たぶん学習してるんだろな。スズメはすごい!論文化して発表しよう。』
シジュウカラの ジジジ という鳴き声が 集合!! という意味を持つことは鈴木さんが教えてくれたのですが、本当に我が家の庭でシジュウカラがジジジと鳴くとスズメが集まってきました。
それはエサを食べたり水を飲んだりする時は無防備になりやすいので、たくさんの個体が集まる方が安全だからなんですね。
ある時、シジュウカラ夫婦が近くの電線でジジジと集合を掛けていました、その声を聴いて様子をうかがうと近くにスズメたちはいません。
巣箱の近くでもないし、他の小鳥たちもいないし、どうしたんだろう?と不思議に思い近寄っていき、どうしたの?と聞くと、シジュウカラはこちらを見ながら少し移動します。
ん?と思って後を追うと、シジュウカラは鳴きながらまた少し移動します。それを何度か繰り返すと、なんとその先にはモズがいたのです!
我が家の庭では、鳥ばかオヤジのパトロール強化でモズを見掛けなくなったので、すこし安心していた矢先でした。
巣箱の周りだけを見ていた自分の不明を恥じ、パトロール範囲を広げることにし、さらにシジュウカラの遠くの鳴き声にも注意を払うことにした私たちでした。
こうして視点を広げると、シジュウカラだけでなくツバメたちもスズメたちも警戒音を発していることに気づきます。
そのたびに近くに行ってみると、そこにはモズがいるではありませんか!どうも何組かのモズがいるようです。
ツバメの巣からもヒナたちの鳴き声が聞こえ、シジュウカラのヒナたちの巣立ちの日も近づいて来るにつけ、モズの襲来の頻度も増加します。
あちらこちらで小鳥たちの警戒の鳴き声が聞こえ、ツバメたちの必死のアタックが繰り返されます。シジュウカラからの要請も。
そのたびに、鳥ばかオヤジがおっとり刀で現場に急行?するわけですが、年齢も考えて足腰に負担がかからないようジョギングシューズを履いてダッシュです!
それにしても、事情をご存じないご近所の方々は、さぞかし???と思われたことでしょう(;一_一)
しかし、ここまで来たら見守り隊は続けなければなりません。
続きます。