背中が広くて、とっても素敵。
こっそり撮らせていただきました。
2006年8月10日 トムラウシ山 1/2
あの日、旭岳につながる縦走路を、五色岳から見ました。
この縦走路を何時か歩いてみたいと思ったのだけど、今回実現できて嬉しいです。
2006年8月10日 トムラウシ山 2/2
あの日のトムラウシは天気が良くて、余裕で登れました。
天候が悪化すると登山レベルは上がりますね。
2009年トムラウシ山 <遭難事故>
大雪山旭岳~トムラウシ山 縦走 2
大雪山旭岳~トムラウシ山 縦走 3
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大雪山旭岳~トムラウシ山 縦走 6 最終回
2011年7月8日
コース:キャンプ指定地(3:00)・・五色岳(1868m)・・化雲岳(1954.3m)・・ヒサゴ沼分岐・・北沼分岐
・・南沼キャンプ指定地(テントにザックを置き、休憩15分)・・トムラウシ山(10:23~40)・・南沼
キャンプ指定地(11:00少し前)
全行動時間:8時間
宿泊スタイル:テント泊。
食事:朝食&夕食、水、お湯は、アルパインガイド ノマドが提供。
昼食、行動食は各自持参。(食事については、行程中、何時も同じ)
天候:
大雪山系、3日目の朝。
外は、深い霧と闇に包まれていました。
ほどなく、2時。指示された起床時刻です。
午前2時といえば一般的には、眠りのさなかですし、山小屋やテント場でも、サイレントタイムです。
しかしながら、午後から天候悪化の予報が出ているとなれば、安全を考え出来るだけ早く、
出来れば午前中に、次の宿泊地である南沼キャンプ指定地に入ろうとすることは、
あたりまえのことでした。
朝食は、四角い餅の2枚入った、すまし汁風雑煮&コーヒー。
餅の他にも食材が入っているのですが、ヘッドライトは膝もとにおき、灯りを制限していますから、
何か?よく分かりませんでしたが、山の朝食は、汁物系が体に優しくて、好きです。
これで思い出すのは、丹沢(神奈川県)・塔ノ岳山荘の朝食のこと。最近は分からないけれど、
何時もおでんでした。太い大根の輪切りに、ゆで卵とこんにゃくと・・・。どんぶりごはん。
おでんは勿論のこと、おでん汁が、とても美味しかったことを思い出します。
昨日の爽やかな朝とは大違い。
午後から天候悪化の予報は早まって、ヘッドライトの光の中を斜めに走る雨。
スタートからの雨具着用です。
ルート図 1(忠別岳避難小屋~天沼辺り)
>
忠別岳避難小屋分岐に戻らないで、小屋の前の雪渓を登りました。
間もなく、分岐から上がってくる縦走路と合流。
しばらくして、男の人の背丈も越えるハイマツ帯。(ここがとても、しんどくて)
左右から横に、太い枝を伸ばして道を塞いでいるのです、ずっと先まで。
顔の前を両腕でガードしながら、体重をかけて、枝を押し進むのですが、
みんなは押して進めても、力も体重もない私、どうしても進めず、立ち往生してしまうこともありました。
それでも、山のど真ん中にあっては、体躯が大きかろうが小さかろうが、
男だろうが女だろうが、まずは自分で困難を切り開かなければなりません。
考えた末に、押すことを諦め、潜ることにしました。言わば小柄を活かしたハイマツ潜水法です。
枝と枝の間に足を入れ、出来るだけ体を低く前に薄くして、通り抜けるのです。
大型ザックが枝に度々ひっ掛かって、楽とは言えなかったけれど、
ハイマツ帯を抜けきったらうれしくて\(^o^)/バンザーイ
その先で、チームの半分以上の人が待っている。「遅いな~」って表情のガイドさん。
「すみませーん」と、私(^^♪。
4:36五色岳(1868m)
五色岳の先もハイマツが続きますが、道を塞ぐほどではありません。
やがて道は木道にになり歩きやすくなりました。途中のトムラウシ山への近道分岐を左に巻いて、
5:57化雲岳(1954.3m)到着。
化雲岳山頂分岐をスタート
30分ほど歩くと、ヒサゴ沼分岐にでました。
ヒサゴ沼への道は、この手前にもありますが、ここは、化雲岳から二つ目の分岐です。
起伏と起伏との間の狭い峠です。
写真中央の岩ごろごろの先に雪渓がありますが、2009年におきたトムラウシ山遭難事故のパーティは、
ヒサゴ沼の避難小屋(泊)からここに登って来られました。
この分岐から目の前の急坂を登るのですが、
ここで、出発した時から着ていた雨具を脱いだ方が何人もいました。
雨はやんでいましたし、ザックは重いので汗をかきますしね。
北沼手前の稜線から、東の方向に、ヒサゴ沼の良く見えるところがあります。
>
遭難された皆様は、ヒサゴ沼の避難小屋から、雪渓を登って先程の峠(分岐)に、こられたのです。
稜線に出たら、風はかなり強かったと思うのだけど、トムラウシへ進まれたのでしたね。
ルート図 2
(天沼~南沼キャンプ指定地~トムラウシ山往復~南沼キャンプ指定地)
>
さて、本文に戻って、一時は、このまま降らなそうにも見えたのですが、
日本庭園・・ロックガーデンと進むうちに、空模様はだんだん怪しくなって、風も強くなり、
北沼分岐に着く前には、一時、体を傾けて風と抗いながら歩くこともありました。
北沼分岐で、「北沼からトムラウシを巻いて、南沼のキャンプ指定地にゆきます」とガイドさん。
その言葉に、「トムラウシは登らないの?」とか疑問や注文を出す人は一人もいませんでした。
みんな、ごくごく自然に受け止めているのです。
それほどまでに、雨や風が強くなっていましたし、
北沼の手前でガイドさんの話された「(2009年の遭難したパーティは、)ここに来るまでに、
すでに動けなくなっていた方がいました」に、それは他人事とさらりと聞き流すことは
できなくなっていたのです。少なくとも私は。
一方で、トムラウシを知り尽くす地元ガイドさんだから、
適切な判断をしていただけるという心の穏やかさもありました。
小雨になった北沼分岐で、しばしの立ち休憩をして(急いでおにぎりを食べ、温かいお茶を飲みました。)、
その後、トムラウシを左に巻くコースへ。岩石地帯をどんどん進みます、スピードも若干速くなりました。
前の人と離れないように、必死でしたが、急ぐあまり、大きな岩と岩の間に落ち込んだら大変なので、
慎重に慎重にと何度も自分に言い聞かせ、脚を進めました。
その間の時間は、長いような短いようなさっぱり分かりませんが、実際には、30分程度だったようです。
撮影時刻を記録代わりにしていますから、雨で濡れないようにカメラをザックにしまいこんでいると、
確かな記録も残せません。
途中、遭難された方が風を避けて停滞した場所を、同じように通りました。
もとより、ここは岩石地帯ですから、雨風を防げるところでもないのですが、ここなら、
少しは風をよけられたのかもしれないと思えるところでした。
そのまま、そこで2人の方が亡くなられたそうですが、このようなところでと胸が詰まる思いです。
同じ山でも、天候悪化によって、登山レベルはぐっと高くなりますから、
さぞかし厳しい状況であったことでしょう。
岩石地帯を抜けて普通の登山道になりかかった頃、先の方に見慣れた若草色のテントが見えます。
先に行ったサポートガイドのお2人が、設営してくださっていました。
トムラウシ山の裾をぐるっと北から南西の方角に回ってきたことになります。、
こちら側も、雨は相変わらず降っていますが、風は緩やかでした。
キャンプ指定地に到着して数分後に、
「15分後に、荷物を置いて、トムラウシ山をピストンします」と話すガイドさんは、
先程までのひきつるような表情から、まるで違って笑顔です。
キャンプ指定地に全員無事に到着して、安心をしていただけたのでしょう、
また、天気の最新情報を確認をされて、トムラウシGOと判断されたのかもしれません。
事実、翌日下山してから、「あの遭難事故が頭をよぎった」と仰っていましたから。
北沼分岐からの登りと比較して、南沼からの登りは急登急降下ですが、
それでも1時間で往復できるのです。
10:23トムラウシ山頂着。
午前3時に忠別岳避難小屋を出てから、
約7時間30分です。
お腹が空いていて、体力消耗して、
一番しんどい時だから、
写真は小さくしました(*^^*ゞ
>
トムラウシ山は岩の山。山頂も岩が寄せ集まった狭い場所です。
その山頂の岩の間に、ミヤマタネツケバナが小さな花をたくさん咲かせていました。
あまりに可愛くけなげで、一枚。
登りの苦しさに比べたら、下山はあっという間のことです。
テントに入って初めにしたことは、着替え。
ボディ用の大型濡れティッシュで体を拭いた後、山行3日目にして、
はじめて上から下まで、身包み着替えました。
タイミング良くコーヒーが配られて、次にすることは、空腹を鎮めること。
カップラーメン、パン、乾燥フルーツにナッツにチーズ。
何を食べても美味しくて、また(再び)トムラウシに登ることができて、幸せでした。
≪大雪山旭岳~トムラウシ山 縦走 6≫に続く
大雪山旭岳~トムラウシ山 縦走 6 最終回
大雪山旭岳~トムラウシ山 縦走 6 最終回
写真ではそんな厳しい状況が
わからず、書かれている文面で
これた大変だったろうなぁと
察しています。
頼りになるガイドさんがいて
とにかく安心して行動できまし
たね。
山は危険と隣り合わせ。
だから頼りになるガイドさんの
存在は大。よくわかりました。
やはり大きな山ですね。景色も山もスケールが違います。お元気で何時までも山歩きをされているhanasakuさんが羨ましいです。
私のブログに8月31日「私の宝もの」と言うタイトルで、4年前まで楽しんだ山のグループのことを書いてあります。hanasakuさんには
是非読んでいただきたいと思います。
http://blog.goo.ne.jp/miyayosi325jp/m/201108
防水機能のないカメラなので、雨が本降りになると、
ザックにしまってしまいます。
撮りたい時に撮れなくてこまるのですけどね。
と言うことで、今回ブログでは、後半の写真がないのです。
登頂だけは撮っておきたかったので、無理しました、
その結果、家に帰ってから数日間、レンズの曇りが取れなくて焦りましたけど。
北海道の山域は、詳しくない・ヒグマがに出会いたくない・アクセスの問題などで、
ガイドツアーを利用しています。
よく知らない山域ですと、霧が立ち込めたり、お天気の悪化などで、
道迷いの心配もありますしね。
2009年のトムラウシ事故の起きた日の、早朝3時に、天候悪化のため下山したツアーがありました。
トムラウシまで3時間ほどの三川台(十勝岳に繋がる稜線上)手前で
テント泊をしていたそうです。
そのツアーに参加していた友人から聴きました。
今回のガイドさんとその話をしたら、友人の参加したツアーのガイドさんだったことが分かって、吃驚しました。
テントが飛んでしまいそうなすごい風だったそうですが、
適正な判断ができるのは、現地ガイドさんだからこそと、あらためて思いました。
現地ガイドさんにこだわりはしましたが、そう言った意味から、
ガイド山行は、安心です。
ノマドの場合は、ツアー参加者は会員として参加をするので、
ガイドさんは、いわばリーダーなのです。
適正な判断に期待をし従うとともに、会員としての参加者には、
より高い自己責任を求められていると理解をしています。
早いコメントを頂いて、吃驚、感激です。
ありがとうございました。
大雪山系は、旭岳からトムラウシ山、十勝岳連邦までですから、
広いですよね。神奈川県と同じ大きさらしいですよ。
今は、山に登るのに体の痛いところとか、脚が攣る等と言うこともないし、
体格の割には、結構重い荷物も背負っています。
でも、これはたまたま、山仕様としての体に恵まれただけのことでして
大したことないのです。
問題はこれからですよね。
参考は、先輩諸氏の仲間です。
日頃からよく歩き、もしかして走ってもいるかもしれませんが、
よくトレーニングを積み重ねているのです。
私は、トレーニングのためのトーレーニングが出来ないのです。
時間がないということもありますが、何か、必要なことがあれば、
車を使わずに、1時間でも5時間でも歩くのですけどね。
無理やり仕事を作って、片道45分歩いた先のお安い菓子屋さんまで行くなんてことも、
時に、しますが。
ここのところを何とかしないと、いけないと思っています。
ちょっとのぞいてきました、おみやさんも小柄なのね(o^-^o) ウフッ
厳しい雪山ですね。
若い頃は少し登っていたのですが
あの頃が懐かしく思い出されます。
お気をつけて。
今日もスマイル
>山の感じがよくわかります。
そうですか、ありがとうございます。
カシミール3Dを使って、ルート図を入れていますが、
もしや、このことでしょうか。
他にも、googleの機能で、山にふさわしい表現方法がありまして、
使いたいのですが、gooブログの制限があって、使用できず、残念です。
山ブログとして、分りやすい作成を心がけておりますので、
コメントを嬉しく拝見いたしました。
>厳しい雪山ですね。
今シーズンの大雪山系の積雪量が多かったことで、
夏までたくさんの残雪がありました。
お陰で、何度も雪渓歩きが出きて、楽しかったです。
明日も、スマイルでまいります(*^▽^*)
べえランのガイドさんでさえも、「あの遭難事故が頭をよぎった。」と言われるほどの天候だったのですね。
登頂の写真と小さなお花の写真に、ほっとしました。
ご無事で何よりでした!!
岩石地帯の様子をお知らせできるように、
一枚でも写真を撮れば良かったと、今は思います。
しかし、その時は、滑らないように、
踏み外さないようにとそればかりでした。
お天気が良ければ、岩石地帯をクリアしてゆくことも達成感が味わえて、
楽しいのですが。
山頂の小さな花は、5年前に登頂した時にも見かけました。
天気が良い日でしたから山頂は混み合って、撮れなかったことを思い出し、
カメラが濡れちゃうと思いながらも、今回はどうしても撮りたかったのでした。
>登頂の写真と小さなお花の写真に、ほっとしました。
立派な頂に立つことは、多少の大変さもありますから、
岩の間に咲く花には、癒されました、わたしも。
お忙しいのに、いつもありがとう、ほんとうにありがとう。
死者の出たルートですね。いかにもきつい長丁場なのがよく分かります。天候は時の運ですから、これもまた山の楽しみです(笑い)。
雨天用のお座布団をどうぞ・・・。
それなのに360度のパンノマラだけは見たい。
こんな思いをかなえてもれえる人がいる。
何時も有難いと思っています。