つまみ細工 「花摘」の日々

花摘がマルシェルで販売しているつまみ細工の作品について書く作品のストーリーを
製作過程とともに丁寧にご紹介しています。

お客様のお写真ご紹介&千歳飴の虹色Uピン

2020-10-28 21:21:51 | 日記

こんにちは!花摘の片岡です。

ブログをご覧下さりありがとうございます。

 

 

先日私が作った作品を気に入って下さり

結婚式の衣装として使って下さった方から

素敵なお写真が届きました!

 

 

許可を頂きましたので

ちょっとだけお見せさせて頂きます…♪

 

 

あぁ、花嫁さんってどうしてこんなに

綺麗なんでしょう…!

 

 

白無垢がとってもお似合いです!

髪飾りが生花の色と合っていて良かったーと

個人的には安心しました。



中に着ている着物はなんとお母様のものだそうです!

(そういうところに個人的にジーンときてしまいます…涙)

 

 

一生に一度の大事なイベントで

使っていただけるなんて本当に身に余る光栄…

嬉しくて何度も何度も写真を見てしまいます。笑

 

H様どうか年下の素敵な旦那様といつまでもお幸せに!!(^^)

改めておめでとうございます!!

 

 

 

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さて、素敵な写真の後で恐縮ですが

新しい作品ができたのでご紹介させて頂きます。

 

 

こちらが今回作った作品

『千歳飴(ちとせあめ)の虹色Uピン』です。

 

 

こちらの作品は七五三でお祝いとして馴染みのある

『千歳飴』という和菓子をイメージして作成しました。

 

 

この作品を作ろうと思ったきっかけは

私自身の七五三エピソードに由来しています。

 

 

子供の頃、私も七五三のお祝いをしてもらったのですが

おてんばな幼い私には神社がとっても退屈で(笑)

ご祈祷などの際もずっとソワソワしていた記憶が残っています。

 

 

でも、ご祈祷が終わって優しい神主さんがお祝いお品を下さり

その中に見たこともない長い長い飴が入っていて

 

 

「この飴は千歳飴といってお譲さんが長生きするようにという意味があるんだよ」

と教えてもらいました。

 

 

その飴は白い生地に薄い赤と黄色と緑のラインが入っていて

口に入れると優しい甘さがいっぱいに広がり

食べている間中、とても幸せな気持ちだったと記憶しています。

 

 

「そんな美味しい千歳飴を七五三で使える髪飾りにしてみたい」

 という作家としての気持ちと

 

 

私も子どもを持ち

千歳飴に込められた意味を改めて素晴らしいと思い

 

 「千歳飴のようにお子さんの元気な成長をお祈りする作品を作りたい」

 

 

と思いを込めてこちらの作品を作りました。

 

中に使われた色はカラフルですが

外側の色が白色で統一されているので

全て一緒に挿してもまとまりが良いのが特徴です。

 

 

また、七五三というとどうしても

赤、オレンジ、ピンクの髪飾りが主流になってしまうので

 

 

あえて

既製品とは違う淡いカラフルな色合いで作りました。

 

 

パステルカラーのお着物や

白地のお着物など

なかなか合う髪飾りが見つからない衣装にも

合わせやすいと思います。

 

 

1本ずつUピンにしているので

浴衣や普段着に1、2本ちょこっと挿しても

使えるのがポイントです。

 

試作品を娘に挿してみました(^^)

 

モデルさんちょっと笑ってしまっています。笑

 

七五三にも普段使いにも

おすすめの作品ができました!

 

 

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つまみ細工の作品の製作過程はこんな感じです。

 

1 デザイン考案・決定

2 材料の選定・準備

3 花本体の作製

4 乾燥

5 各パーツに花を取り付け

6 花芯の取り付け

7 乾燥・完成

 

工程はいつも通りだったんですが

今回は簪にするのかUピンにするのか

最後まで結構悩みました。 

 

デザインの段階では決められてないですね(笑)

 

 

でも、私自身娘の七五三の簪を手作りしたのですが

現実的な話だと簪ってやっぱり行事事でしか使っていなくって…

 

 

それに比べてUピンは1本挿しても可愛いですし

まとめて挿すと簪みたいに豪華な雰囲気にもなるので

 

 

「着物の雰囲気やお子さんの雰囲気に合わせやすい」

ということでUピンに仕立てました。

 

 

あとは、花芯も意外と悩んだポイントでした。

 

シンプルにパール1個でも良かったのですが

千歳飴という和菓子をイメージして作ったので

 

 

ただのパールだと

「なんか和菓子っぽくない!!」

という私の謎のこだわりが炸裂しまして…(苦笑)

 

 

結果…

少しマットな加工がされてある4㎜パールを

3つ繋ぐという時間がかかる作業が増えることになりました(笑)

 

でも可愛くなったので良いのです!

花芯はつまみ細工の命なので!

(※あくまで個人の感想です。笑)

 

 

和菓子のような

愛らしい作品に仕上がりました!

 



こちらの作品は「マルシェル」限定で販売しております。

気になる方はどうぞご覧になってみて下さい。

最後までお読みくださりありがとうございました!

 

 

 片岡みのり

 

 


私がつまみ細工を始めたきっかけと金木犀の思い出

2020-09-25 16:33:32 | 日記

こんにちは、【花摘(はなつみ)】の片岡です。

ブログをご覧下さりありがとうございます。

 

 

先日おじいちゃんが営む小さなお花屋さんに

お花を買いに行ったのですが

リンドウの花が並んでいてすごく秋を感じました(^^)

 

 

朝晩も最近は過ごし易くなってルンルンしていたら

子ども達と旦那がそろって風邪をひき

病院やら看病やらに追われ

体調管理に気をつけないと思った9月の始まりでした。笑

 

 

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今日はちょうどつまみ細工と

出会った時期と重なったので

 

 

「私がつまみ細工を始めたきっかけ」

お話したいと思います。

 

 

私がつまみ細工に出会ったのは

まだ独身だった頃のことです。

 

 

当時付き合っていた人と同棲を始め

人から見ると充実した毎日を過ごしていたと思います。

 

 

でも交際期間が8年と長かったこともあり

結婚したくてもなかなか言い出せず

私は毎日を悶々と過ごしていました。

 

 

一度は結婚について彼に話してみたものの

「ちゃんと考えてるから」という曖昧な返事で

なんとも煮え切らない感じでした。

 

 

当時働いていた職場で

上手くいっていなかったこともあり

私は結婚に逃げようとしていたのかなと

今となっては思います。

 

 

ですが、悩んだ末に

 

「やっぱり男の人に

全てを負担させるのは違うかな」

と思い

 

(当たり前のことですがお恥ずかしい…苦笑)

 

 

「彼に依存するのを止めて

自分の生活が充実することを考えよう」

 

 

と上京してからお金を節約するために止めていた

手芸を再開することにしました。

 

 

ただ、材料が手元に全くなかったので

何を始めるか非常に迷いました。

 

 

そこで調べて出かけたのが

東京の「浅草橋エリア」です。

 

 

初めて行った私はビックリしました。

上京する前は大きなデパートや手芸用品店まで

わざわざ行ったり取り寄せたりしなければいけなかった

材料が全部そこにありました。

 

 

ビーズ、天然石、パール、スワロフスキー

革、紐、アートフラワーなど

手芸やハンドメイドに必要なものが

ほぼ全て揃っていました。

 

 

後で知ったのですが

このエリアはアクセサリーの会社や

服飾関係の問屋さんがたくさんある場所で

「ものづくりのまち」と呼ばれている場所でした。

 

 

決して派手な町ではなく落ち着いていて

大好きなものがたくさん詰まったこの場所

私はすぐに気に入ってしまい

 

 

何時間も歩き続けて

たっぷりお散歩を楽しみました。

 

 

そんな時、駅から少し離れた場所に

とても小さいけれど見たことがないものを

飾ったお店がありました。

 

 

それが「つまみ細工の専門店」でした。

 

 

つまみ細工のお花がいっぱい飾られたそのお店は

お花屋さんのような手芸屋さんのような

不思議な空間で

洗練された和の雰囲気が漂っていました。

 

 

お店の雰囲気に浸っていると

気さくな雰囲気の店員さんが

「良かったら体験やってますよ」と誘ってくださいました。

 

 

「これ作れるんですか!?」と私はビックリ!

急遽体験することになりました。

 

 

小さな正方形を折りたたんで作る

シンプルな作り方にも関わらず

 

 

季節の花々を作り出す

その「表現の幅の広さ」

私はすっかり心をもっていかれてしまいました。

 

 

そして、その日を境に私は

つまみ細工の講座に通うようになりました。

 

 

おかげで休みの日に彼が相手をしてくれなくても

全く気にならなくなりました。

土曜日の午前中に寝ている彼を放って

「じゃあ行ってくるから!」と勝手にでかけました。笑

 

 

つまみ細工は本当に楽しく

私は毎週のように講座に通いました。

当時は私のような20代の若輩者は全然いなかったのですが

(みんな娘さんやお孫さんに髪飾りを作っていたので…)

全く気になりませんでした。

 

 

作った作品は家族に送ったりもして

とても喜んでもらえました。

 

 

おまけにあまりにも楽しそうに受講するものだから

ちょうど人手不足だったこともあり

講座をしているお店で働けることになったんです。

 

 

 

そしてその就職が決まった頃

本当に不思議なもので

彼からプロポーズを受けました。

 

 

 

色々あって

もう今はそのお店はなくなってしまったのですが

そこで働いた時間は今となっては私の宝物になりました。

 

 

 

今になって思うのですが

つまみ細工と出会わなかったら

私は結婚することもなかったかもしれませんし

 

 

結婚していなければ

娘に七五三の飾りを作ることもありませんでした。

 

 

本当に幸運だったなと今も思います。

 

 

 

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なんだか湿っぽい話になってしまいました。笑

 

 

ではここからは元気よく

秋を感じる新作をご紹介させて頂きます!

 

 

今回作ったのは「金木犀のまんまるブローチ」です!

 

 

金木犀は目立たない

小さな可憐なお花なのですが

実は私の実家に金木犀の花が植わっていました。

 

 

一生懸命働いてくれている両親には言えなかったけれど

ちょっと寂しい時もあった小学校の頃の私。

一人になる家に帰るのが嫌だなと思うときもありました。

 

 

でも秋になると金木犀の香りが優しく香ってきて

ほっとした気持ちになっていました。

 

 

「高貴で華やかな香りではないけれど

柔らかくて優しい気持ちにしてくれた」

 

 

そんな金木犀の花をぎゅっと集めて

まんまるのブローチにしてみました。

そんな体験からこのブローチをつけた方が

「優しく柔らかい気持ちで毎日を過ごしてくださるといいな」

と願いを込めています(^^)

 

 

いつもはワイヤーのついた台紙で

花を作っているのですが

今回はブローチ用の台を作りました。

 

 

3㎝角の布を使用することが多い私の作品ですが

小さいお花が集まっている感じにするために

今回は2㎝角にしています。

 

 

 

花芯のペップはより本物に近い印象にするため

自分で白いものに色をつけました。

正直色つけるのは大変なんですけど

妥協したくなくて…

 

 

 

花芯はつまみ細工の命なので!

(あくまで個人の感想です。笑)

 

 

ブローチ部分はクリップと安全ピンの

2way仕様になっているので

帽子やトートバッグのワンポイントとしてや

シャツにつけても華やかになります。

 

また、着物を着る機会が増える秋に

帯飾りとしてや鞄に添えても可愛いです。

 

 

本物に寄せて大きめの葉っぱを作り

クリップ部分の金属が見えないように

そっと隠しています。

 

金属が見えない方が

お花が咲いているような

ナチュラルで洗練された雰囲気になるんです(^^)

 

 

秋らしい作品ができました(^^)

 

 

 

 

こちらの作品はマルシェルで販売しています。

興味がある方は一度ご覧になってみて下さい。

 

 

最後までご覧下さり

ありがとうございました!

 

 

片岡みのり

 

 

 

 


「小さなお姫さまのキラキラ花飾り」~たった一人の自分を大切にして欲しい~

2020-08-25 15:23:28 | 日記

こんにちは、【花摘(はなつみ)】の片岡です。

ブログをご覧下さりありがとうございます。

 

お盆開けの土曜日に布を仕入れに行ったのですが

いつも行くお店のおかあさんが素敵な方で

 (もう60歳は超えておられるとは思うのですが

背筋が伸びていつもシュッとされています…!)

 

いつ行ってもまるで娘と話すように優しく接して下さるため

ついついたくさん布を買ってしまう私です。

 

この年になって思うのですが

「誰から買うか」というのってとても大事なことですよね。

20代は価格重視の買い方だった私も

30歳を超えて「この人から買いたいな」という気持ちを

大事にするようになってきました。

…我ながら「少し大人になったな~」と思います。笑

 

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さて、今日はお店で仕入れてきた

新しい布を使ってできた作品をご紹介します。

 

こちらが今回の作品

「小さなお姫さまのキラキラ花飾り」です。

この作品を作ろうと思ったきっかけは

私の【大学の友人の子供たち】です。

 

その子達は2人姉妹で年齢も近く

顔もそっくりですが

性格や雰囲気がそれぞれ違っていて

「可愛い姉妹を作品で表現したい」と思い

デザインを考えました。

 

 

繊細で少し人見知りだけど

【頭も良く女の子らしい】お姉ちゃん

 

甘え上手でやんちゃ盛り

【愛嬌たっぷり】の妹ちゃん

 

ケンカもするけど仲良しで

「このまま一緒に大きくなっていって欲しいな」と思う

そんな2人をイメージした作品です。

 

 

 

 

お姉ちゃんをイメージした作品は

繊細な印象を与える

花びらの先が細い【剣つまみ】のお花を中心に

大人っぽいグラデーションのピンク系の色で

 

妹ちゃんをイメージした作品は

愛らしい雰囲気になる

先が丸い【丸つまみ】のお花を主役に

ジューシーなイエロー系で作りました。

 

また、小さくてもやっぱり女の子は女の子、

「プリンセスになりたい!」

「プリキュアになりたい!」

という可愛いお姫さま達です。笑

 

そんな2人の夢が叶うように

花芯と花びらにはキラキラ光る【スワロフスキー】

ヒラヒラと女の子らしいさがりの部分には

【雫型のビーズ】でおめかししました。

 

髪が少ないお子さんでもしっかり留まるよう

パッチンピンを採用

 少し大きくなっても身につけられるように

さがりの部分は取り外しができるようになっています。

 

 

また、この作品に私は

【たった一人の自分を大切にして欲しい】という

メッセージを込めました。

 

先ほどの姉妹もそうですが

例え兄弟姉妹であっても

子供って本当に個性豊かですよね。

 

人見知りの子もいれば

元気いっぱいな子もいるし

大人しくて優しい子もいれば

やんちゃだけど愛嬌のある子もいる

 

そんな個性を大切にして欲しくて

この髪飾りはあえて既存の花をモデルにせず

 

「他の人と違ってもいいんだよ」

「自分というたった一人の存在を大事にしてね」

 という気持ちを込めて製作しました。

 

【浴衣飾り】としてはもちろん

【七五三の髪飾り】にもお使い頂ける

大人っぽい雰囲気に仕上がっています。

 

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つまみ細工の作品の製作過程はこんな感じです。

 

1 デザイン考案・決定

2 材料の選定・準備

3 花本体の作製

4 乾燥

5 各パーツに花を取り付け

6 花芯の取り付け

7 乾燥・完成

 

特に花を作る過程意外で大切なのが

2の準備の段階です。

 

つまみ細工は花を作る工程までに

揃えなくてはいけないパーツが色々あります。

 

例えば

【花を載せる台紙】や【熊手の製作】

とても大切な準備の一つです。

 

熊手はワイヤーの先を加工して

【さがり】をぶら下げるためのパーツです。

(熊手を作っているところです)

 

 

 

(【さがり】とはこのパーツです。1本1本手作りで作ります)

 

 お花を作るのはさほど難しくはないつまみ細工ですが

細かいパーツを揃えるのが意外と時間がかかります。

 

正直に言いますと実際に花を作っている時よりも

準備の時間の方が長いこともしばしばです。苦笑

 

ですが、いくらお花がキレイにできても

前段階がいい加減だと簪はきちんと仕上がりません。

なので時間がかかっても

1つの1つの準備を大切にしています。

(すごーく地味な作業なんですけどね…笑)



また、準備とデザインをしっかり考えていても

イメージ通りに仕上がらないこともあります。

 

「この布花にしてみたら、結構イメージが違った」

ということもよくあるのです。

 

そんな時は

花の形を変えたり、大きさを変えたり、色を変更したりと

作りながら形にしていきます。

 

ちなみに、今回もお姉ちゃんの方の髪飾りも

デザイン段階では緑系だった花を

製作過程で白に変更しました。

 

 

 

 

デザインの段階よりもより洗練されて

仕上がったのではないかなと思います。

 

姉妹や仲の良いお友達と

色違いで身につけて頂くのも素敵だな

勝手にワクワクしてしまう良い作品に仕上がりました(^^)

 

こちらの作品は「マルシェル」限定で販売しております。

気になる方はどうぞご覧になってみて下さい。

最後までお読みくださりありがとうございました!

 

 

片岡みのり

 


白桔梗の花嫁Uピンと帯留め~お母さんにありがとうを伝えるつまみ細工~

2020-07-14 21:17:20 | 日記

こんにちは、【花摘(はなつみ)】の片岡です。

ブログをご覧下さりありがとうございます。

 

毎日雨ばかりでなかなか外には出られませんが

作品の構想を練るには良い機会なので

季節の花や花言葉を調べたりして過ごしています。

「お花の世界は奥深いなぁ…」と想う今日この頃です。

 

さて、今日は先日から取り組んでいた

新しい作品できたのでご紹介させて頂きます。

 

こちらが今回の作品

「白桔梗の花嫁Uピンと帯留め」です。

私がこの作品に込めたメッセージは

「お母さん、今まで本当にありがとう」です。

 

どうしてこんなメッセージを込めたのかというと

お母さんって一番感謝したい相手の一人だと思うんですけど

「ありがとう」って伝えるのって何だか照れくさい相手ですよね。

 

私自身がお母さんに感謝の気持ちを伝えるのが

とても下手だったので

同じ気持ちを持った花嫁さんが身につけて下さると

嬉しいなと思い製作しました。

 

お母さんって、口うるさくて、心配性で

お喋りで、何回も同じこと言ってくるし

ちょっとうっとうしいなって思う時期もあったりして

反抗期は特に冷たい態度なんか取ってしまったり

 

だけど

 

小さい頃からずっとそばにいて

友達関係に悩んだ時も話を聞いてくれて

学生時代は毎日のようにお弁当作ってくれて

社会人になっても実家に帰るたびに何かを持たせてくれて

頼んでもいないけど野菜とかお米とか送ってくれたりして

 

厳しいことも言うけれど

「いつも一番の味方」でいてくれた

そんな存在だと思います。

 

今回の作品はそんなお母さんに

これから結婚する娘さんから

心からの「ありがとう」を伝えられるように

 

「花嫁用のUピン」と

「お母さん用の帯留め」をセットにしました。

 

2つの作品の白い桔梗は同じ布で作り

「お嫁に行って離れて暮らすことになっても

お母さんと娘さんがお互いを大切に想い続けて欲しい」

という気持ちを込めてみました。

 

ちなみに、白の桔梗というモチーフを選んだのは

白の桔梗には「清楚」という花言葉があり

花嫁にふさわしいと思ったからです。

 

桔梗は日本の女性らしい雰囲気があって

素敵な花ですよね。

 

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ではせっかくなので

作品ができるまでの工程をご紹介します。

 

【白桔梗の花嫁Uピンと帯留めができるまで】

1 デザイン考案・決定

まずはデザインを考えます。

私は必ず「作品のテーマ」を考えるようにしています。

「どんな人がどんな場面で使うのか、何を表現したいのか」

ハッキリさせてから作品を作ることで

その作品に想いをしっかりと込めることを意識しています。

 

 

2 材料の選定・準備

デザインが決まったら材料を集めます。

 

つまみ細工で一番重要な「布」は

何種類もある中から吟味し

作品の雰囲気を考慮して決めていきます。

 

布選びについて私のこだわりは

「必ず買う前に自分の目で色を確かめる」ことです。

 

例えば「赤」と一口に言っても

濃い赤もあれば鮮やかな赤もあります。

 

七五三に合う「赤」と

結婚式に合う「赤」は違うこともあるんです。

 

また、意外と知られていませんが

染物は季節や染料の具合によって大きく変わるものです。

 

ですから

ネットで実物を見ずに買うということは絶対にしません。

 

色は作品の全体の印象を決めるものであり

妥協したくはないんです。

(ここは私、ちょっととめんどくさい奴ですね(笑))

 

選んだ布はこれから製作に使えるように

ローラーカッターを使って

正方形に丁寧にカットしていきます。

この他の準備としては

簪やUピンにするパーツを集めたり

花びらをのせていくための台紙も作ります。

 

 

3 花本体の作製

材料が準備できたらいよいよ花を作っていきます。

まずはのり台と呼ばれる木の板に

でんぷんのりを薄く伸ばします。

のりが準備できたら

ピンセットで1枚1枚花びらを作って

でんぷんのりの中に置いていきます。

 花びらが並ぶ姿もなんだか可愛いです(笑)

 

花びらができたら少し時間を置いて

花びらの布に染み込ませ

のりが染み込んだら花を作っていきます。

 

 

4 乾燥

花が出来たら丸1日乾燥させます。

乾燥させている間も布が縮んだりするので

時々花の形を調整しています。

 

 

5 各パーツに花を取り付け

乾燥した花をパーツに取り付けます。

Uピンの場合はワイヤーとフローラルテープを使って

丁寧に固定します。

帯留めは金具の上に花を接着しておきます。

 

6 花芯の取り付け

ここまでくるとあとは最後の仕上げです。

花の中心に「花芯」を入れていきます。

 

この花芯を入れる作業

つまみ細工で私が最も好きな作業です。

 

ですが、とても難しい作業でもあります。

花芯はお人形で言うと「目を入れる」作業のようなもので

何を中心に入れるかによって雰囲気が大きく変わります。

 

パール、座金、ビーズ、スワロフスキー、地金ワイヤーなど

花芯にできる材料は色々ありますが

 

今回はより生花に近いイメージに仕上げたかったので

「ペップ」という花芯を選びました。

色は花の雰囲気によって使い分けています。

 

7 乾燥・完成

ペップの接着したのりが完全に乾いたら完成です。

 

つまみ細工は技法にもよりますが

でんぷんのりを使用した場合は

作品を作るだけでも「最低丸2日」かかります。

 

花びら1枚1枚手作業なので

どうしても時間がかかってしまいますが

作品ができた瞬間は

「ずっと育ててきたお花がやっと咲いた」ような

とても嬉しい気持ちになります。

 

これを身につけた花嫁さんとお母さんが

心から幸せな気持ちになってくれるといいなと

願うばかりです!!

 

こちらの作品は「マルシェル」限定で販売しております。

気になる方はどうぞご覧になってみて下さい。

最後までお読みくださりありがとうございました。

 

片岡みのり

 

※ご購入の場合は先にも述べたように

製作・発送までにお時間がかかりますので

お時間にゆとりをもってご購入をお願い致します。