こんにちは、【花摘(はなつみ)】の片岡です。
ブログをご覧下さりありがとうございます。
毎日雨ばかりでなかなか外には出られませんが
作品の構想を練るには良い機会なので
季節の花や花言葉を調べたりして過ごしています。
「お花の世界は奥深いなぁ…」と想う今日この頃です。
さて、今日は先日から取り組んでいた
新しい作品できたのでご紹介させて頂きます。
こちらが今回の作品
「白桔梗の花嫁Uピンと帯留め」です。
私がこの作品に込めたメッセージは
「お母さん、今まで本当にありがとう」です。
どうしてこんなメッセージを込めたのかというと
お母さんって一番感謝したい相手の一人だと思うんですけど
「ありがとう」って伝えるのって何だか照れくさい相手ですよね。
私自身がお母さんに感謝の気持ちを伝えるのが
とても下手だったので
同じ気持ちを持った花嫁さんが身につけて下さると
嬉しいなと思い製作しました。
お母さんって、口うるさくて、心配性で
お喋りで、何回も同じこと言ってくるし
ちょっとうっとうしいなって思う時期もあったりして
反抗期は特に冷たい態度なんか取ってしまったり
だけど
小さい頃からずっとそばにいて
友達関係に悩んだ時も話を聞いてくれて
学生時代は毎日のようにお弁当作ってくれて
社会人になっても実家に帰るたびに何かを持たせてくれて
頼んでもいないけど野菜とかお米とか送ってくれたりして
厳しいことも言うけれど
「いつも一番の味方」でいてくれた
そんな存在だと思います。
今回の作品はそんなお母さんに
これから結婚する娘さんから
心からの「ありがとう」を伝えられるように
「花嫁用のUピン」と
「お母さん用の帯留め」をセットにしました。
2つの作品の白い桔梗は同じ布で作り
「お嫁に行って離れて暮らすことになっても
お母さんと娘さんがお互いを大切に想い続けて欲しい」
という気持ちを込めてみました。
ちなみに、白の桔梗というモチーフを選んだのは
白の桔梗には「清楚」という花言葉があり
花嫁にふさわしいと思ったからです。
桔梗は日本の女性らしい雰囲気があって
素敵な花ですよね。
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ではせっかくなので
作品ができるまでの工程をご紹介します。
【白桔梗の花嫁Uピンと帯留めができるまで】
1 デザイン考案・決定
まずはデザインを考えます。
私は必ず「作品のテーマ」を考えるようにしています。
「どんな人がどんな場面で使うのか、何を表現したいのか」を
ハッキリさせてから作品を作ることで
その作品に想いをしっかりと込めることを意識しています。
2 材料の選定・準備
デザインが決まったら材料を集めます。
つまみ細工で一番重要な「布」は
何種類もある中から吟味し
作品の雰囲気を考慮して決めていきます。
布選びについて私のこだわりは
「必ず買う前に自分の目で色を確かめる」ことです。
例えば「赤」と一口に言っても
濃い赤もあれば鮮やかな赤もあります。
七五三に合う「赤」と
結婚式に合う「赤」は違うこともあるんです。
また、意外と知られていませんが
染物は季節や染料の具合によって大きく変わるものです。
ですから
ネットで実物を見ずに買うということは絶対にしません。
色は作品の全体の印象を決めるものであり
妥協したくはないんです。
(ここは私、ちょっととめんどくさい奴ですね(笑))
選んだ布はこれから製作に使えるように
ローラーカッターを使って
正方形に丁寧にカットしていきます。
この他の準備としては
簪やUピンにするパーツを集めたり
花びらをのせていくための台紙も作ります。
3 花本体の作製
材料が準備できたらいよいよ花を作っていきます。
まずはのり台と呼ばれる木の板に
でんぷんのりを薄く伸ばします。
のりが準備できたら
ピンセットで1枚1枚花びらを作って
でんぷんのりの中に置いていきます。
花びらが並ぶ姿もなんだか可愛いです(笑)
花びらができたら少し時間を置いて
花びらの布に染み込ませ
のりが染み込んだら花を作っていきます。
4 乾燥
花が出来たら丸1日乾燥させます。
乾燥させている間も布が縮んだりするので
時々花の形を調整しています。
5 各パーツに花を取り付け
乾燥した花をパーツに取り付けます。
Uピンの場合はワイヤーとフローラルテープを使って
丁寧に固定します。
帯留めは金具の上に花を接着しておきます。
6 花芯の取り付け
ここまでくるとあとは最後の仕上げです。
花の中心に「花芯」を入れていきます。
この花芯を入れる作業
つまみ細工で私が最も好きな作業です。
ですが、とても難しい作業でもあります。
花芯はお人形で言うと「目を入れる」作業のようなもので
何を中心に入れるかによって雰囲気が大きく変わります。
パール、座金、ビーズ、スワロフスキー、地金ワイヤーなど
花芯にできる材料は色々ありますが
今回はより生花に近いイメージに仕上げたかったので
「ペップ」という花芯を選びました。
色は花の雰囲気によって使い分けています。
7 乾燥・完成
ペップの接着したのりが完全に乾いたら完成です。
つまみ細工は技法にもよりますが
でんぷんのりを使用した場合は
作品を作るだけでも「最低丸2日」かかります。
花びら1枚1枚手作業なので
どうしても時間がかかってしまいますが
作品ができた瞬間は
「ずっと育ててきたお花がやっと咲いた」ような
とても嬉しい気持ちになります。
これを身につけた花嫁さんとお母さんが
心から幸せな気持ちになってくれるといいなと
願うばかりです!!
こちらの作品は「マルシェル」限定で販売しております。
気になる方はどうぞご覧になってみて下さい。
最後までお読みくださりありがとうございました。
片岡みのり
※ご購入の場合は先にも述べたように
製作・発送までにお時間がかかりますので
お時間にゆとりをもってご購入をお願い致します。