「いずみ・・・」
「うみ・・・」
お互いに顔を見合わせた。
パラレルワールドに瞬間移動したかのように、別の時空を感じた。
「遅かった。」
「早すぎた、ね。」
まるで、すべてを見通しているように、泉は呟いた。
「ううん。これで良かったのよ。これ以上、過ちを犯さなくて済んで。」
「・・・。」
大粒の涙が溢れ出した泉が、わたしを抱きしめた。
「ありがとう・・・、いずみ。」
「・・・。」
「でも、わたしは、もうどこにも戻れないね。」
妹のエネルギーで、一瞬にして正気に戻れたわたしは、すべてを正しく理解して言った。
「戻れるよ・・・。」
「そうだね。多分、戻ることはできるだろうね。
でも、短い間に、あまりにもたくさんのことが繋がってしまったから、
少し、整理する時間が必要だと思う。」
「少し、ってどのくらい?」
「わからない。すぐかもしれないし、ずっとかもしれない。まるでわからない。
だから、その答えを探しに行ってくる。」
「うん・・・」
いつものように、物分りの良い子だと思いながら、泉の頬をやさしく包む。
「このまま行かせて。お父さんとお母さんには、心配しないようにとだけ伝えて。」
ものすごく酷なことをお願いしていることを許して、と思いながら言う。
「そして、彼、にも。」
「うん・・・」
背中に回していた腕を解いて、頷いた。
4つの瞳は、短い会話を交わした。
ハンカチを渡し、頭を静かに撫でると、空を見上げるようにわたしは歩き出した。
「連絡、ちょうだいね。」
追いかけてきた震える声に振り返り、微笑みながら頷いた。
「行ってくるね。」
はっきりと聞き取れるくらいの声で告げて、バス停に向けて今しがたの坂道を下って行った。
「うみ・・・」
お互いに顔を見合わせた。
パラレルワールドに瞬間移動したかのように、別の時空を感じた。
「遅かった。」
「早すぎた、ね。」
まるで、すべてを見通しているように、泉は呟いた。
「ううん。これで良かったのよ。これ以上、過ちを犯さなくて済んで。」
「・・・。」
大粒の涙が溢れ出した泉が、わたしを抱きしめた。
「ありがとう・・・、いずみ。」
「・・・。」
「でも、わたしは、もうどこにも戻れないね。」
妹のエネルギーで、一瞬にして正気に戻れたわたしは、すべてを正しく理解して言った。
「戻れるよ・・・。」
「そうだね。多分、戻ることはできるだろうね。
でも、短い間に、あまりにもたくさんのことが繋がってしまったから、
少し、整理する時間が必要だと思う。」
「少し、ってどのくらい?」
「わからない。すぐかもしれないし、ずっとかもしれない。まるでわからない。
だから、その答えを探しに行ってくる。」
「うん・・・」
いつものように、物分りの良い子だと思いながら、泉の頬をやさしく包む。
「このまま行かせて。お父さんとお母さんには、心配しないようにとだけ伝えて。」
ものすごく酷なことをお願いしていることを許して、と思いながら言う。
「そして、彼、にも。」
「うん・・・」
背中に回していた腕を解いて、頷いた。
4つの瞳は、短い会話を交わした。
ハンカチを渡し、頭を静かに撫でると、空を見上げるようにわたしは歩き出した。
「連絡、ちょうだいね。」
追いかけてきた震える声に振り返り、微笑みながら頷いた。
「行ってくるね。」
はっきりと聞き取れるくらいの声で告げて、バス停に向けて今しがたの坂道を下って行った。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます