言葉喫茶【Only Once】

旅の途中で休憩中。

星の名

2020-08-15 21:04:30 | 言葉






足早に空をゆく
雲の切れ間に
ひと際明るい星が見える


黒いスクリーンの上で
河のように流れる紫煙に
飲まれては吐き出される星の
燃えるように赤いひかりがひとつ

辺り一面
至るところに
散りばめられた星の砂
彼らの名前を
わたしは知らない
赤くひかる星の呼び名も
わたしは 知らない


雲にも飲みきれないほどに
そのひかりは強く

目を離すことができないくらいに
その星は 大きく


流星を探しに出たはずが
ただひとつの輝きに
わたしの視線は奪われた

雲の進路など
お構いなしに
堂々と己の道をゆく

大きなあの星

いつか
ふたたび逢えるなら
訊いてみたい事がある