
足早に空をゆく
雲の切れ間に
ひと際明るい星が見える
黒いスクリーンの上で
河のように流れる紫煙に
飲まれては吐き出される星の
燃えるように赤いひかりがひとつ
辺り一面
至るところに
散りばめられた星の砂
彼らの名前を
わたしは知らない
赤くひかる星の呼び名も
わたしは 知らない
雲にも飲みきれないほどに
そのひかりは強く
目を離すことができないくらいに
その星は 大きく
流星を探しに出たはずが
ただひとつの輝きに
わたしの視線は奪われた
雲の進路など
お構いなしに
堂々と己の道をゆく
大きなあの星
いつか
ふたたび逢えるなら
訊いてみたい事がある