つい先日、「桜の花にはまだ早い」と記したのもつかの間、夜来の雨を吸い上げて、桜の枝先が遠目にもわかるほどふっくらと色づいてきた。開花が早いと聞いてはいたものの、早すぎんでねか。
何年も長いお付き合いをさせていただいていると、お客様の中には、転勤、退職、子供の進学、就職などなど、ちょうど節目を迎えた方も多い。
マッサージや、はりきゅうの施術を受けると、カラダのこわばりもほぐれ、ついでにココロも軽くなるのだろうか。具合悪い訴えばかりか、仕事の苦労や職場の愚痴、子どもや家族に言いたい文句のあれこれ、心配なこと、面白かったこと、様々な話を問わず語りに口にしてお帰りになる。
「息子が後継いで野菜を作ってる」「公立受かったの」「娘が今度戻ってきて先生になった」「酒飲みしたくて、何がいいんだか」「通勤が遠くなってちょっと気が重い」「弁当のおかず何いれよか」「下の子が消防士になった」「若いのが集まっていろいろやってるようだ」「大学に入ったと思ったら今度は外国に行くんだと」「畑やらねば」「天気続くと疲れる」「花粉が目にしみる」「晩ごはん何です?ウチは何作ろうかな」
口に出して話すと何となく気も晴れ、カラダもゆるんで、ゆっくりした気分になるのだ。ひととき、この場所で横たわり、各々の疲れを肩からおろして、また歩き出してゆく。
ニコニコ堂治療室は、ただの指圧かマッサージ、昔ながらの鍼灸と、できるのはそれだけ。お世辞は言わないが、話はよく聞く。こんなところでよかったら、いつでもおいで下さいと、申し上げておこう。
それぞれの春、それぞれの日々、さ、引き締まっていこか。