しぐるるやしぐるる いとあはれなり

来週いよいよ最終週。

寂しいなぁー

虎に翼

朝ドラ「虎に翼」

これまでも楽しませて頂きましたが、

最終回近づき、関連番組も放送。

虎に翼×米津玄師 スペシャル - 虎に翼×米津玄師 スペシャル

女子部メンバーによる名場面セレクション

、オープニング映像のフルバージョンなど見どころ満載。

特に、沙莉ちゃんと米津玄師さんの対談、

良かったー。

たっぷり「さよーならまたいつか」の世界

お話しいただきました。

(新しいアルバムを発表されたからか

生米津玄師さんを最近よくテレビで拝見するような…エイトJAMも面白かったー)

で、

「さよーならまたいつか」

に関する話の中で特に興味深かったのは

米津さんの語彙力は何処から…という沙莉ちゃんの質問に対しての米津さんの回答。

言葉フェチとのこと、子どもの頃からどう伝えたら正しく伝わるのか、いろいろ調べていたそうな。（笑）

米津さん曰く、難しい日本語は純粋。

意味が多岐に渡っておらず、ひとつのことを表すためだけに、その言葉が存在している…聞き慣れない音にグッとくるとも。

トキントキンに尖った言葉のかっこよさについて熱く語る米津さん。

「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」とか

お気に入りなご様子でした。

引き出しが多そうだ。

で、例えば2番の冒頭

「しぐるるやしぐるる町へ歩み入る」

とか。確かに魅力的な語感。

私は無作法のため、

存じ上げなかったのですが、

種田山頭火の有名な

「しぐるるやしぐるる山へ歩み入る」

という名句からきている？

しぐるるは「時雨」とも考えられるけれど

山頭火の作風からすると

季語を持たない自由律俳句

(「俳句の教科書」サイトでお勉強させて頂きました。)

「冷たい雨が降ろうが、そんなことを気にしているわけには行かない。生きて行くには、雨でぬかるみ歩きづらい山道だって、ただひたすら歩いて行くしかないんだ。」という山頭火の心が表現されているそうです。

確かに寅ちゃんの人生を歩む心情にぴったり

これが、パッと浮かぶところがさすが

米津玄師さん。

私は勝手に椎名林檎さんのワードセンスと

共通するものを感じました。

うんうん。カッコいい歌詞。

Apple musicで鬼リピ中です。

そして、日本語繋がりで。

ひとつしか意味を持たない難しい日本語を

純粋と感じる話を聞きながら、

こちらの話を思い出していました。

見逃し・同時配信 - 100分de名著

100分de名著

ウェイリー版「源氏物語」と「もののあはれ」

これ、大変興味深く面白く拝見。

「あはれ」にいろいろな意味があるということは、遠い昔々、古文の授業で習ったのですが、

「源氏物語」に出てくる大量の「あはれ」

を絶妙に英訳したウェイリー先生とその英語版を見事にわかりやすい現代文に翻訳した毬矢森山姉妹の神業に感動するばかり。

そして

ウェイリー先生にそう訳させた

紫式部女史の

「源氏物語」の素晴らしさ奥深さに慄くばかり。

あはれ

伊集院さんは「エモい」

本居宣長は「情動」

倫理的道徳的なものを超え動かされてしまうもの…そこに感動が生まれるのか。

日本語の表現の

奥深さに

美しさに

感動し、きちんと使えていないわりに

日本人の端くれとして鼻高々。

いやぁー素晴らしい。

「源氏物語」難しそうで気後れしていたのですが、この番組をみて

読んでみたい！と初めて思えました。

日本語

いとあはれなり。

です。

おまけ

トップ画像はこちら。

【博物館】連続テレビ小説「虎に翼」放送に関連した企画展開催のお知らせ（3/25～10/28） | 明治大学

太っ腹、無料！

面白かったです。会期はまだまだ。

虎翼の余韻に浸れます。