G.W皆様いかがお過ごしでしょうか。
私はせっせとお掃除に精を出し、ここにもマメに来るはずが、
遊んで歩いてばかりいます。(苦笑)
ご報告は追い追い。
今日観た舞台もなかなか面白かったです。
…というわけで、なかなか記事は上げられないかなぁ。
そんないい加減な我が家にお運び頂いた皆様に楽しんで頂けたらいいかなぁと久々にこんな創作をご用意しました。
だいぶ前に書き上がっておりましたが、最後が決まらなくてずっと保留にしてました。
結局かなりバッサリ切り取ってUPすることに。
物足りないかもしれませんが、書かないということも先があると想像して頂けたらいいかなぁと思います。
お題は「心温まる韓国の旅」
普通の青年チックな彼はこちらから 心あたたまる韓国の旅
彼の名前はジホと言います。
ほぼあのまんまのストーリーです。(笑)
皆様にも心温まって韓国に行きたいと思って頂けたら嬉しいのですが。
さあ、G.W Let’s妄想っ!(笑)
じゅのさん、お誕生日おめでとうさんです。
お祝を兼ねて。(笑)
今、携帯からなので後で動画リンクしときます。
「心温まる韓国の旅」
「いい度胸してんじゃないかよ。
ここは芸能部。暇こいてる文化部の5倍…いや10倍のスピードで時間が流れてるっつーのに。相変わらず暢気に仕事しやがって。しかも、これ、文化部の企画じゃねーか。」
K出版の芸能部デスク。
電話の音、怒鳴り声が響き、テレビの芸能ニュースがモニターに映る騒がしいオフィス。
その片隅、山積みされた資料の谷間にジホはいた。
書類の隙間に置かれたパソコンに向かっている。
モニターにはつい先日、河東への取材旅行の際に撮った写真が映し出されていた。
彼女の笑顔を眺め思わず顔が緩むジホ。
そばを通りかかったチョルスは後ろからふいに彼に近寄り、そんな悪態をつきながらジホの頭を小突いた。
チョルスはイライラしながらジホの手からマウスを横取りすると、忙しなくクリックを繰り返す。
「 先輩、ちょっと勝手に…」
彼の紹介でこの出版社に潜り込んだ手前強くは逆らえないジホはささやかな抵抗を試みるが無駄だった。
「え?何でクリヤマチアキ?」
「は?」
「は?じゃないよ、何でお前の地方取材のカメラにクリヤマチアキが写ってるんだよ、しかも仲よさげに…これなんてツーショットじゃないかよ、これも、これも…お前説明しろよっ!」
芸能オンチのジホはチョルスが騒ぐ理由をしばらくは理解出来なかった。
チョルスの話を聞くに
どうも先日旅の途中で出会った女性は有名な日本の女優らしい。
「…で?彼女から連絡は?今失踪中なんだぜ」
「失踪中?」
☆☆☆☆
彼女から電話があって再び会ったのは
つい昨日のことだ。
韓国旅行の最終目的地であるソウルを僕に案内して欲しいと彼女は言った。
「会えませんか?」
そう言われ断る理由は何もない。
そして僕と彼女はカロスギルにあるカフェでおちあう約束を交わした。
翌日。
車のない僕は取材の際に乗り回しているスクーターで待ち合わせ場所のカフェに向かった。
テラス席の彼女は、僕を見つけると
手を振り返しながら駆け寄ってきた。
スクーターに跨る僕の姿を見て
「私、オードリーヘップバーンみたいね」
嬉しそうに微笑んでそう言った。
「では王女様、これを」
何だか嬉しくて僕は自慢げにヘルメットを差し出した。
彼女を後ろに乗せ、
街中を走る。
秋風の冷たさも、ほのかに温かい背中も妙に心地良い。
彼女のカメラの中に僕はどんな表情で映っているのだろう。
明洞、景福宮、光化門。
何度も目にしている風景なのに、道連れがいるだけで、空の色も街の表情も違って見える。
ソウルに住みながらも僕はこの日、ソウルを旅する旅人の気分だった。
そしてあっという間に時間がすぎていった。
「忘れられない思い出になりそう」
そう口にする彼女は僕にあの猫の人形を手渡した。
素敵な思い出のお礼らしい。
素敵な思い出か…。
僕にとっても彼女と過ごした二日間は
日常とかけ離れた楽しい思い出に違いなかった。
手の中の猫が穏やかな顔で僕を見つめていた。
☆☆☆☆
そして今。
僕はとあるホールの前で日本から来韓した新進気鋭の若手女優の到着を待っていた。
今夜、ここで彼女の記者会見が催される予定だ。
彼女の名前はクリヤマチアキ。
僕が素敵な思い出を共有した彼女だ。
先輩に彼女が失踪中だと聞いてすぐ、クリヤマチアキの記者会見を開くというFAXが出版社に届いた。
失踪中だったという衝撃的なニュースのせいもあり、注目度は抜群。
取材会場は混乱が予想された。
芸能界はゴシップネタが大好きなのだ。
コネを使って特ダネをモノにしてこいという半ば脅迫に近い先輩の業務命令に従って、僕は会場にやってきた。
文化部から芸能部に異動して半月。
自然なものを自然にファインダーに収めてきた僕にとって芸能人の写真を強引に撮る行為は不自然極まりないものに思え、違和感が拭えない毎日がつづいていた。
河東のあの彼女が今夜このファインダーの中にも写るのだろうか。
まだ誰も歩くものがいない赤いカーペットの先にフォーカスを合わせ、ファインダーを覗いていると黒いセダンが視界を横切った。
にわかに色めきたつ周囲の空気に驚き僕は辺りを見回した。
相変わらずこの空気に慣れない。
僕が立ち位置を探しているうちに、彼女を乗せた車の後部ドアが開いた。
中から美しく伸びた細い足が顔を出し、僕はその美しさに息をのんだ。
そして、クリヤマチアキが顔を出した。
紛れもなく、二日間を共に過ごした彼女。
ただ、違うのは今日の彼女はスターとしてのオーラに包まれていたことだろうか。
僕はそのオーラに吸い寄せられるようにカメラを構え、人ごみを潜り抜け彼女に近づいた。
どんな間抜けな顔をしていたのか…。
自分では想像がつかないが、
彼女は僕を見つけるなり楽しそうに微笑んだ。
そしてそんな間抜け面の僕に抱きついた…。
☆☆☆☆
「で?抱きつかれてたから、『まるでローマの休日のような国境と身分を越えた女優とカメラマンの恋』
ってスクープの写真がうちだけないんだ…」
他社のスクープ記事をテーブルの上に並べた前でジホはチョルスに絞られていた。
「…」返す言葉がないジホ。
「で?ご親切に他社のインタビューにも答えちゃったんだ…」
「それは、仕方なく。誤解を受けたら彼女に迷惑がかかると…」
「お前はバカか?あんな大勢の前で抱きついておいて誤解も六階もあるかよ」
「だけど、先輩、彼女との関係はそういう…」
「わかった、じゃこうしよう」
弁解しようとするジホの言葉をチョルスが遮った。
「は?」
「お前が昨日見てた取材旅行の写真、あれを本誌独占スクープとして来週号に掲載する。見出しはそうだな…
『王女とカメラマンの河東の休日
2人はこうして愛を育んでいたっ!』
これなら確実に巻き返せる。
ジホよくやった。
早速写真選びと記事の編集だ。
お前、文章もそれなりに書けたよな、かなり堅いけど」
チョルスはジホの返事を待つことなく、そそくさと他社のスクープ記事をかき集め、ゴミ箱に投げ入れた。
「…嫌です。先輩、それは出来ません」
ジホがつぶやいた。
「お前、今なんて言った?」
「嫌です、出来ません」
「出来ないじゃなくて、やるの。わかった?」
「わかりません。出来ないものは出来ません!」
☆☆☆☆
あれから半年が過ぎた。
僕はあの事件をきっかけに出版社を辞めた。
そして今、旅行ガイドブック専門の小さな出版社で契約カメラマンとして働いている。
今の仕事のきっかけをくれたのはあの日河東で訪れた工房の主人である陶芸家だ。
雑誌の文化欄の片隅に載った写真が気にいったらしく、無職だった僕に今の地味な出版社を紹介してくれた。
編集長はかなりの変人だし、給料は恐ろしく安いが、僕が大好きな韓国の心象風景を形にしたような紙面作りで毎日の作業が楽しいし、作り甲斐もある。僕は今の生活に充分満足していた。
今日は順天湾の取材。
美しい景色を撮りつつ、僕はふと彼女を思い出していた。
あの記者会見の夜、チアキは予想通り大変な質問攻めにあうも優秀なマネージャーに守られ、僕は遠い遠い親戚という立場を与えられた。
もちろん僕もインタビューにそう答えた。
答えているうちになんだか本当にそんな気がして可笑しくなった。
いつだったか取材した武寧王陵を思い出したのだ。
意外に僕らは本当に遠い遠い親戚なのかもしれない。
いや、もしかしたらこの先親戚になるのかも…。
目の前に広がる美しい大地をファインダーに収めながら改めて思う。
悠久の時は流れ、美しい大地は延々と広がっている。
僕らはそのほんの一部分、そんな美しい広い大地で大切な時間を共有する縁を持ったのだから。
何も急ぐことはない。
一歩一歩ゆっくりと。
それでいい。
そして、僕はシャッターを押した。
☆☆☆☆
あの日、彼の人なつっこい笑顔を見たら無性に懐かしくなって後先のことも考えず私は彼に抱きついていた。
私の突発的な行動に慣れているマネージャーは驚くことなく迅速に事を処理し、彼は私の果てしなく遠い親戚になった。
もちろん、彼は親戚ではない。
ほんの二日間だったが、素朴で温かくて、穏やかで…そんな彼に惹かれていたのは確かだった。
でも、それを恋と呼ぶにはあまりに早急な気がした。
彼と過ごした二日間にそぐわない気がする。
そんな私は
果てしなく遠い親戚という、どこか他人ではない繋がっているような近さが心地よく、
その設定にどこか満足していた。
半年経った今でも時々彼に電話をしている。
仕事で行きづまったり、時間に追われる毎日がたまらなくなると、彼の声が無性に聞きたくなるのだ。
その感覚はちょうど、釜山映画祭の会場から失踪した時に似ていた。
そしてあの時、韓国の景色や風や彼に癒されたように、彼の声を聞くと癒される気がした…。
私にとって彼はあの時に私を癒してくれた韓国そのものなのだ。
☆☆☆☆
電話のベルが鳴った。
僕は鍋の中のラーメンを気にしながらも慌てて受話機を手にした。
きっと彼女からだ。
窓から綺麗な月が見える夜。
僕は月を窓の隙間から眺めながら彼女の声に耳をすませた。
彼女も日本から同じ月を眺めていると思うと月もどこかロマンチックに見えるから不思議だ。
鍋の中のラーメンがスープの全てを吸い込んでも、月が窓の隙間から見えなくなっても僕らはまだ話し続けていた…。
心あたたまる韓国への旅
私はせっせとお掃除に精を出し、ここにもマメに来るはずが、
遊んで歩いてばかりいます。(苦笑)
ご報告は追い追い。
今日観た舞台もなかなか面白かったです。
…というわけで、なかなか記事は上げられないかなぁ。
そんないい加減な我が家にお運び頂いた皆様に楽しんで頂けたらいいかなぁと久々にこんな創作をご用意しました。
だいぶ前に書き上がっておりましたが、最後が決まらなくてずっと保留にしてました。
結局かなりバッサリ切り取ってUPすることに。
物足りないかもしれませんが、書かないということも先があると想像して頂けたらいいかなぁと思います。
お題は「心温まる韓国の旅」
普通の青年チックな彼はこちらから 心あたたまる韓国の旅
彼の名前はジホと言います。
ほぼあのまんまのストーリーです。(笑)
皆様にも心温まって韓国に行きたいと思って頂けたら嬉しいのですが。
さあ、G.W Let’s妄想っ!(笑)
じゅのさん、お誕生日おめでとうさんです。
お祝を兼ねて。(笑)
今、携帯からなので後で動画リンクしときます。
「心温まる韓国の旅」
「いい度胸してんじゃないかよ。
ここは芸能部。暇こいてる文化部の5倍…いや10倍のスピードで時間が流れてるっつーのに。相変わらず暢気に仕事しやがって。しかも、これ、文化部の企画じゃねーか。」
K出版の芸能部デスク。
電話の音、怒鳴り声が響き、テレビの芸能ニュースがモニターに映る騒がしいオフィス。
その片隅、山積みされた資料の谷間にジホはいた。
書類の隙間に置かれたパソコンに向かっている。
モニターにはつい先日、河東への取材旅行の際に撮った写真が映し出されていた。
彼女の笑顔を眺め思わず顔が緩むジホ。
そばを通りかかったチョルスは後ろからふいに彼に近寄り、そんな悪態をつきながらジホの頭を小突いた。
チョルスはイライラしながらジホの手からマウスを横取りすると、忙しなくクリックを繰り返す。
「 先輩、ちょっと勝手に…」
彼の紹介でこの出版社に潜り込んだ手前強くは逆らえないジホはささやかな抵抗を試みるが無駄だった。
「え?何でクリヤマチアキ?」
「は?」
「は?じゃないよ、何でお前の地方取材のカメラにクリヤマチアキが写ってるんだよ、しかも仲よさげに…これなんてツーショットじゃないかよ、これも、これも…お前説明しろよっ!」
芸能オンチのジホはチョルスが騒ぐ理由をしばらくは理解出来なかった。
チョルスの話を聞くに
どうも先日旅の途中で出会った女性は有名な日本の女優らしい。
「…で?彼女から連絡は?今失踪中なんだぜ」
「失踪中?」
☆☆☆☆
彼女から電話があって再び会ったのは
つい昨日のことだ。
韓国旅行の最終目的地であるソウルを僕に案内して欲しいと彼女は言った。
「会えませんか?」
そう言われ断る理由は何もない。
そして僕と彼女はカロスギルにあるカフェでおちあう約束を交わした。
翌日。
車のない僕は取材の際に乗り回しているスクーターで待ち合わせ場所のカフェに向かった。
テラス席の彼女は、僕を見つけると
手を振り返しながら駆け寄ってきた。
スクーターに跨る僕の姿を見て
「私、オードリーヘップバーンみたいね」
嬉しそうに微笑んでそう言った。
「では王女様、これを」
何だか嬉しくて僕は自慢げにヘルメットを差し出した。
彼女を後ろに乗せ、
街中を走る。
秋風の冷たさも、ほのかに温かい背中も妙に心地良い。
彼女のカメラの中に僕はどんな表情で映っているのだろう。
明洞、景福宮、光化門。
何度も目にしている風景なのに、道連れがいるだけで、空の色も街の表情も違って見える。
ソウルに住みながらも僕はこの日、ソウルを旅する旅人の気分だった。
そしてあっという間に時間がすぎていった。
「忘れられない思い出になりそう」
そう口にする彼女は僕にあの猫の人形を手渡した。
素敵な思い出のお礼らしい。
素敵な思い出か…。
僕にとっても彼女と過ごした二日間は
日常とかけ離れた楽しい思い出に違いなかった。
手の中の猫が穏やかな顔で僕を見つめていた。
☆☆☆☆
そして今。
僕はとあるホールの前で日本から来韓した新進気鋭の若手女優の到着を待っていた。
今夜、ここで彼女の記者会見が催される予定だ。
彼女の名前はクリヤマチアキ。
僕が素敵な思い出を共有した彼女だ。
先輩に彼女が失踪中だと聞いてすぐ、クリヤマチアキの記者会見を開くというFAXが出版社に届いた。
失踪中だったという衝撃的なニュースのせいもあり、注目度は抜群。
取材会場は混乱が予想された。
芸能界はゴシップネタが大好きなのだ。
コネを使って特ダネをモノにしてこいという半ば脅迫に近い先輩の業務命令に従って、僕は会場にやってきた。
文化部から芸能部に異動して半月。
自然なものを自然にファインダーに収めてきた僕にとって芸能人の写真を強引に撮る行為は不自然極まりないものに思え、違和感が拭えない毎日がつづいていた。
河東のあの彼女が今夜このファインダーの中にも写るのだろうか。
まだ誰も歩くものがいない赤いカーペットの先にフォーカスを合わせ、ファインダーを覗いていると黒いセダンが視界を横切った。
にわかに色めきたつ周囲の空気に驚き僕は辺りを見回した。
相変わらずこの空気に慣れない。
僕が立ち位置を探しているうちに、彼女を乗せた車の後部ドアが開いた。
中から美しく伸びた細い足が顔を出し、僕はその美しさに息をのんだ。
そして、クリヤマチアキが顔を出した。
紛れもなく、二日間を共に過ごした彼女。
ただ、違うのは今日の彼女はスターとしてのオーラに包まれていたことだろうか。
僕はそのオーラに吸い寄せられるようにカメラを構え、人ごみを潜り抜け彼女に近づいた。
どんな間抜けな顔をしていたのか…。
自分では想像がつかないが、
彼女は僕を見つけるなり楽しそうに微笑んだ。
そしてそんな間抜け面の僕に抱きついた…。
☆☆☆☆
「で?抱きつかれてたから、『まるでローマの休日のような国境と身分を越えた女優とカメラマンの恋』
ってスクープの写真がうちだけないんだ…」
他社のスクープ記事をテーブルの上に並べた前でジホはチョルスに絞られていた。
「…」返す言葉がないジホ。
「で?ご親切に他社のインタビューにも答えちゃったんだ…」
「それは、仕方なく。誤解を受けたら彼女に迷惑がかかると…」
「お前はバカか?あんな大勢の前で抱きついておいて誤解も六階もあるかよ」
「だけど、先輩、彼女との関係はそういう…」
「わかった、じゃこうしよう」
弁解しようとするジホの言葉をチョルスが遮った。
「は?」
「お前が昨日見てた取材旅行の写真、あれを本誌独占スクープとして来週号に掲載する。見出しはそうだな…
『王女とカメラマンの河東の休日
2人はこうして愛を育んでいたっ!』
これなら確実に巻き返せる。
ジホよくやった。
早速写真選びと記事の編集だ。
お前、文章もそれなりに書けたよな、かなり堅いけど」
チョルスはジホの返事を待つことなく、そそくさと他社のスクープ記事をかき集め、ゴミ箱に投げ入れた。
「…嫌です。先輩、それは出来ません」
ジホがつぶやいた。
「お前、今なんて言った?」
「嫌です、出来ません」
「出来ないじゃなくて、やるの。わかった?」
「わかりません。出来ないものは出来ません!」
☆☆☆☆
あれから半年が過ぎた。
僕はあの事件をきっかけに出版社を辞めた。
そして今、旅行ガイドブック専門の小さな出版社で契約カメラマンとして働いている。
今の仕事のきっかけをくれたのはあの日河東で訪れた工房の主人である陶芸家だ。
雑誌の文化欄の片隅に載った写真が気にいったらしく、無職だった僕に今の地味な出版社を紹介してくれた。
編集長はかなりの変人だし、給料は恐ろしく安いが、僕が大好きな韓国の心象風景を形にしたような紙面作りで毎日の作業が楽しいし、作り甲斐もある。僕は今の生活に充分満足していた。
今日は順天湾の取材。
美しい景色を撮りつつ、僕はふと彼女を思い出していた。
あの記者会見の夜、チアキは予想通り大変な質問攻めにあうも優秀なマネージャーに守られ、僕は遠い遠い親戚という立場を与えられた。
もちろん僕もインタビューにそう答えた。
答えているうちになんだか本当にそんな気がして可笑しくなった。
いつだったか取材した武寧王陵を思い出したのだ。
意外に僕らは本当に遠い遠い親戚なのかもしれない。
いや、もしかしたらこの先親戚になるのかも…。
目の前に広がる美しい大地をファインダーに収めながら改めて思う。
悠久の時は流れ、美しい大地は延々と広がっている。
僕らはそのほんの一部分、そんな美しい広い大地で大切な時間を共有する縁を持ったのだから。
何も急ぐことはない。
一歩一歩ゆっくりと。
それでいい。
そして、僕はシャッターを押した。
☆☆☆☆
あの日、彼の人なつっこい笑顔を見たら無性に懐かしくなって後先のことも考えず私は彼に抱きついていた。
私の突発的な行動に慣れているマネージャーは驚くことなく迅速に事を処理し、彼は私の果てしなく遠い親戚になった。
もちろん、彼は親戚ではない。
ほんの二日間だったが、素朴で温かくて、穏やかで…そんな彼に惹かれていたのは確かだった。
でも、それを恋と呼ぶにはあまりに早急な気がした。
彼と過ごした二日間にそぐわない気がする。
そんな私は
果てしなく遠い親戚という、どこか他人ではない繋がっているような近さが心地よく、
その設定にどこか満足していた。
半年経った今でも時々彼に電話をしている。
仕事で行きづまったり、時間に追われる毎日がたまらなくなると、彼の声が無性に聞きたくなるのだ。
その感覚はちょうど、釜山映画祭の会場から失踪した時に似ていた。
そしてあの時、韓国の景色や風や彼に癒されたように、彼の声を聞くと癒される気がした…。
私にとって彼はあの時に私を癒してくれた韓国そのものなのだ。
☆☆☆☆
電話のベルが鳴った。
僕は鍋の中のラーメンを気にしながらも慌てて受話機を手にした。
きっと彼女からだ。
窓から綺麗な月が見える夜。
僕は月を窓の隙間から眺めながら彼女の声に耳をすませた。
彼女も日本から同じ月を眺めていると思うと月もどこかロマンチックに見えるから不思議だ。
鍋の中のラーメンがスープの全てを吸い込んでも、月が窓の隙間から見えなくなっても僕らはまだ話し続けていた…。
心あたたまる韓国への旅
ジホなるビョンホン若くていい男よね~
バイクに跨りヒョイと上げる手
いつも何となく角度も上げる時間も同じで・・
この動画に添っているけどこのジホ君の環境や状況が良く理解出来ます。
だから何となく素人っぽいのね。
根掘り葉掘りの中でビョンホンがジホのような人物を想定した
そんな寛治でませて頂きました。
部屋の片づけ途中、お茶を飲みに来て一休みにはとても良いお茶菓子頂きました~。
ご馳走様でした。<(_ _)>
根掘り葉掘りの中でビョンホンがジホのような人物を想定した
そんな感じで読ませて頂きました。
です。m(_ _)m
あのCMを見て素人っぽくてオーラがないというか。
温かくて柔らかい彼がいいなぁーって思いました。
熱い恋人同士というよりはゆっくり穏やかに温かい愛を育んで欲しい…。
韓国と日本がかつて結ばれていたように結ばれてほしいそう思いこんな展開です。
気長に。(笑)
「千の顔をもつ男」にオーラがなくて平凡で取り柄がないような男の役、キラキラの彼にメロメロなファンがドン引きするような役を是非やってほしい…なんて思うのは贅沢でしょうか。きっとJSAで彼に目をつけたbumomさんには
ご理解頂けるかしら。
だからこの彼に惹かれるのかもしれません。
ほ~っこりしてます
心温まる・・・顔が弛むお話をありがとうございます。
あぁ~今でも時々電話してるんだぁ・・・なんて、自然に思えてしまう。
最近は、いざって時のオーラが物凄いから、消した時の彼とのギャップにドキッとしてしまう
なんだか、手が届きそう?
onでもoffでもどんなんでもドキドキです。
韓国の片田舎・・・美しいですね
わが国にもこんな景色はあったはず、最近見てないなぁ~(GWだから行けば良いのにね)
いきなり旅に出た女優チアキ、びょんは羨ましく思っただろうね。
大きな責任背負ってる彼にはちょと難しい。
けど・・・チャールズが「彼女は遠い遠い親戚です」なんて釈明した日にゃ~
私たちは腹を括らないとね
ところで、これ・・・オンエアされてます?
何処で見られるんだろ???
ピッタリとはまるお話をどうもでした。
あの彼も好きです。
オ-ラがないというより普通の青年を演じてるから、キラキラは封印なのね。
やわらかい笑顔が最高です。
なんでもいいのかも・・・。
あのCMもばんばん流すといいのに。
こんなビョンホン、ご存知かしらとかね。
きっと空港あたりのテレビで流しているのかしら。この話もあまり聞かないけれど。
ジウちゃんとの共演のときは羽田でよく見かけましたけれど。
この普通の彼もいいですよね~。
こんな彼と旅をしたらさぞかし楽しいだろうなぁ~。
彼所縁の場所もいいけれど
この案内の場所へ是非旅行したいと思いワクワクしております。
彼も東京で3日ぐらい失踪させてあげたい。(笑)
そうでしょ~。私もヨン様CMは観たのですがこれは未見です。
アイリスの時間とかに流れたら「こんな顔もあるの??」とみんな喜んでくれそうですよね~。
おつきあいありがとうございます。
これを一番最初に観たときに
「こんな人かなぁ~」と勝手な思い込みで書いてみました。
普通の青年で穏やかでガンガン仕事が出来るというより、好きな仕事を丁寧に時間をかけてコツコツやるタイプ?
そんな穏やかな彼を書いてみたくなったので短いながらこんな展開でした。
これ、目撃情報ないですよね・・。
一体どこで流れているんでしょう。。
私も知りたいですっ!
連休も終わりですね。お天気も良く楽しい休日を過ごされましたか?
春から色々あってご無沙汰してました。
久しぶりの創作、思わず出てきちゃいました。
なんだか仕事を忘れて楽しんでるようなビョンホン氏の笑顔がとても素敵で大好きです。
ジホ、まさに好きな仕事を楽しんでしている。そんな感じですね。遠い遠い親戚っていうのもなんだかいいですね。ゆっくりと育まれていく愛?
今のビョンホン氏にはちょっと無理なのかな
ホットするお話ありがとうございました
久々パソコン開けました~
なんと創作を書かれていたとは・・・
「地味な男を書いて・・・」と聞いていたようなそうでなかったような・・・
韓国交通公社の彼でしたか~
なるほどなるほど。
彼らしい。
あの動画の彼を感じます。
あの動画の彼、なぜ?って言うくらい
喋らなかったよね~
言葉が通じないのはわかるんだけど、
アクティブな割りに黙ってた(笑)
要領よく、適当に、その場限りでひょいひょいと仕事ができないタイプ。
でも、野心も出世もない変わりにすごく自由だよね。
本当に好きなこと(いや、人に迷惑かけてまでは仕事したくない?)そんな生き方してるね。
チアキもそんな彼だから一緒にいたんでしょうし、素でつきあえたんでしょうね。
K出版(多分、教保出版だね(笑))の芸能デスクの喧騒をすごく感じる。
その中でキャップ(チョルス)に怒鳴られてる彼をリアルに感じるわ。
そして車から降りた女優チアキが彼を見つけてかけよった時の一瞬当惑した彼の表情。
そこには男女の愛はなかったよね。確かに。
その後も二人は電話でたまに長話する仲なんだね。
恋愛に持ってかないところがいいね。
将来はわからないけど、今の関係だから続いてるみたいな。
チアキが特にそういう相手を欲してそうだしね。
地味な役!!!
そうよね!ビョン、エキセントリックな役が多かったから、ここらで(どこらで?)地味な役やったらいいね。
青い鳥って映画見た?
吃音の教師(阿部寛)
そんな役とかね。
そんな映画は興行成績、だめだと思うけど(笑)
やってほしいな。
お祝いどうもありがとう!!
お蔭様でやっと彼の歳に追いつきました(爆)
お元気そうで何よりです。
連休ゆっくり過ごせたんですが、すっかりぼけちゃって(^_^;)
昨日からお仕事は散々です。(T ^ T)
さてさて、
創作おつき合いありがとうございます。
このCMを見ていたら、こういう温かくて不器用で純朴そうな淡泊な彼を書きたくなりました。
韓国料理って刺激的な部分も多いですが、
あっさり薄味であーホッとする…みたいなものも多くてこんなクジョルパンみたいな彼もたまにはいいかなと。(笑)
そうそう。
あのCMに出てくる長い長い歴史と、遠そうで実は近い二つの国と広くて美しく見ていて癒される大地がテーマですので、広い大地のような彼と長い時間をかけて遠そうで近い関係を是非紡いて欲しいと祈り。(笑)
今の彼にはちょっと難しいですかね。(^_^;)