back numberは、その名前の由来が
「付き合っていた女性をバンドマンにとられた。彼女にとって、振られた自分はback number(型遅れ)だから」
という風になっている通り、恋愛関係の、特に振られた感じの歌詞が特徴的で、その歌詞が多くの人の共感を呼ぶとして人気を博しているロックバンドです。
歌詞は、振られたことをひきずっている感じの曲がだいぶ多いですね。
しかしながら、その表現の仕方などに定評があり、人気なようです。
これは、普段「後ろ向きになりがちな自分をムリヤリ前に向かせて、前進させる」感じの歌詞の曲を聴くことが多い身としましては、聴く前から、「自分にはあまり合わないだろうな」という印象を受けていました。
ですが、そうは感じながらも、若い人に人気であるという評価を前から耳にしていましたし、店などで耳にするback numberの曲で「良いな」と感じる曲があり、興味がありましたので、結局しばらく期間をかけ、現在発売されているアルバムを軽く全部聴いてみた訳です(ベストアルバム含む)。
実際に聴いてみて感じたことは、
「このバンドを普段から好んで聴いている人は、その歌詞の少々女々しいような印象とは裏腹に、自分の弱さともいえるものに対してより正面から向き合うことができる人なのではないか。」
ということでした。
まず、すでに書いている通り、back numberの曲は、恋愛関係の曲が多いです。
そして、その恋愛は成就しないものであったり、過去の恋愛を振り返ってウジウジ愚痴を言っているような印象の曲が多いです。
しかし、その「女々しい」印象の曲をいつも聴けるというのは、その辛い過去を直視できる、ということでもあるのではないか、と思うのです。
音楽というものは、それを聴くとき、人はそれぞれの理由があって聴くと思うので、人それぞれであるとは思うのですが、back numberを聴く人は、その歌詞的な特徴から言っても、「聴いて共感できて、なんだか元気になれる」という風に感じる人が多いのではないかと感じます(実際そのように言っていた人を知っています)。
僕などは、後ろ向きな感じな曲を聴くと、さらに後ろ向きな気分になる人間であるので、正直、back numberは僕自身にとっては、いつでも聴ける感じのバンドではないな、と感じています。
しかし、その後ろ向きな感じの曲を聴いて、元気になる、というのは一体どういうわけなのか。
僕はそこに、僕のような過去を直視せずにムリヤリ前だけ見ようとする人間と、過去を受け入れて、その上で前進できる人間の違いというものを感じるのです。
過去を受け入れていない人間は、後ろ向きな意味を含む曲は自分の過去を抉られるように感じてとても聴くことができない。
しかしながら、過去を受け入れられる人間は、そうはならず、苦い経験を唄ったような曲を聴いて、その経験とまともに向き合い、前に進むエネルギーを出せる。
以上は勝手な私見であるのですが、当たっている部分はあるのではないか、と思っています。
そしてこのような傾向はback numberというバンドに、そのバンドの構成員の人間性として良く表れているのではないか、と思います。
まず、彼らの見た目ですが、その女々しそうな印象とは裏腹に、結構いかついんですよね…。
下の写真なんかを見て頂くとよく分かると思いますが、特に左端の彼、一体どこを睨んどんねん…と突っ込みたくなりますが、皆さんどうでしょう 笑
また、これはネット情報であり僕自身は行ったことはないのですが、彼らはライブバンドであると言われており、ライブではその演奏も聴きどころのあるところらしいですね。
また、MCも楽しいらしいですよ。
暗い奴らじゃないんかい…と突っ込みたくもなりますが、メジャーでロックバンドとしてやっていくには、やはり色々な部分で努力が必要なのでしょうし、それが出来ている以上、一定以上の明るさはある訳です。また、自分が振られた経験を堂々と暴露して、それをセールスに変えていく姿勢には、人間としての逞しさのようなものも垣間見えます。
暗い作品の多い太宰治なんかも、実際の生活の上では、その作品からは想像できないくらい明るかったらしいですし。
芸術家(アーティスト)の作品から得られる印象と、その芸術家の人間性には解離があるのが普通であると言われていることからも、納得できます。
長くダラダラと書いてきましたが、back numberからは、そのファンの印象、そしてバンドのあり方から
「過去を直視して、愚直に前に進む」
ような姿勢を感じたように思います。
まあ、これは僕の印象ですので、実際にどうかは分からないのですが…
みなさんの印象はどうですか?
ところで、back numberには恋愛関係以外の曲も実はあって、それが僕は好きですね。
長い文章を読んで下さり、ありがとうございました。
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