最近は、愛知県内をウロチョロしている私…。
たまには遠出したいと思うと、台風が…！
愛知県津島神社に参拝して、新しい神札を
いただいて来ました。ご祭神はスサノオの命、
疫病退散、無病息災を祈願する神社です。
毎月１日と１５日からしばらくの間、手水舎に
生花が飾られています。津島神社ではこの
”花手水”を”花まいり”と呼んでいます。
今回の”花まいり”は、淡いピンク、白、黄色、
やさしい色合いの花たちで飾られていました。
夏には境内に、たくさんの風鈴が飾られます。
涼し気な風鈴の音が風にのって届いてきます。
風鈴、いつも社務所前に飾られています。
今年は手水舎にも飾られているのを発見…。
風鈴の音、祓い清められる感じがします。
さて、久しぶりに歴史講演会に行きました。
会場は、一宮市尾西歴史民俗資料館です。
歴史民俗資料館の２０２４年度夏期企画展、
”古典の世界”の開催に伴う講演会でした。
テーマは、”栄花物語における藤原道長の
悲しみ”です。明治大学の中村成里先生の
お話でした。申し込みしたら、運よく当選…！
”栄花物語”は、平安時代の歴史物語です。
正編は、藤原道長の栄華を中心に描かれ、
作者は、赤染衛門とする説が有力です。
”道長”と言うと、大河ドラマの”道長”の姿が、
”赤染衛門”というと、やはり大河ドラマの
”赤染衛門”の姿がふと、思い浮かびます。
これ、よい事なのか悪い事なのか別ですが
受講する側は、イメージが浮かびやすく、
興味深く講座を聞くことができるのでは…。
講師の先生も、ところどころ大河ドラマの話を
盛り込みながら、講義を進めていました。
”栄花物語”は、藤原道長を中心に、宮廷や
貴族の生活を物語風に書き記したものです。
藤原道長は、時の権力の頂点に立った人…。
「この世をば わが世とぞ思う 望月の
欠けたることも なしと思えば」
道長の和歌から、彼の人生は自分の思い通り
幸せな一生だったのかな～、と思いましたが、
実際は、そうでもなかった…と言われています。
道長は晩年、娘２人を相次いで失くし、深い
悲しみを体験しました。本人も糖尿病を患い
最後は目も見えない状態だったとか…。
講演会は、従来の権力者道長のイメージ
から離れ、1人の人間としての道長の心を
物語の文章から読み取るという内容でした。
道長の主な奥さんは倫子さん、明子さんです。
大河ドラマの中では２人共、高貴な生まれ…。
倫子さんは、おっとりしたお嬢様タイプ…。
でも実は、しっかり者に描かれています。
一方明子さんは、少々キッツい性格で、
敵に回すと呪詛されそうな（？）怖さが…。
このキャラクター、ドラマの脚色ですよね。
その２人との間に子供が６人ずつ生まれます。
道長は、それぞれの奥さんとの間に生まれた
娘さん２人を、ほぼ同時期に亡くしています。
娘２人は、”流行り病プラス物の怪の祟り”で
あっけなく亡くなった、と書かれていました。
平安時代によくあるパターンなのかも…。
当時、「赤裳瘡」（はしか）が流行ったそうです。
娘も感染して、弱っていったところに、道長に
恨みを持つ物の怪が現れ、娘にとり憑いた…。
物の怪の祟りを鎮め、娘の病が平癒するよう
大勢の僧を呼んで、加持祈祷させましたが
物の怪の力は強く、娘は臨終を迎えました。
道長は弱っていく娘に、泣きながら添い寝…。
妻の倫子も、臨終の娘を抱きすくめ、一緒に
臥せっていた…。必死に回復を祈りました。
大河ドラマのお陰で情景が思い浮かびます。
最高権力者の道長も、一人の人間でした。
”栄花物語”は道長の深い悲しみを細やかな
文章で描いています。作者が赤染衛門なら、
この時代は、多くの女性が文才を輝かせ、
自由に活躍できた時代だったのでしょうね。
90分の歴史講演会はあっという間でした。
道長の深い悲しみの世界を垣間見た後、
現実に戻って、和菓子屋さんでおやつ
タイムです。かき氷、宇治金時を注文…。
ふわふわのかき氷…。さすが和菓子屋さん。
添えられた小豆がとてもおいしかったです。
