30年以内に70%の確率で起きると言われている首都直下地震。少しでも被害を減らそうと、特集番組を予告する放送局も現れた。それによると、ここ30年来、天災の件数は、どんどん増えていっているという。
天災も病気も突然やってくる場合が多い。健康のためにいくら運動をしようと、病魔は背後から襲ってくる。
天災もしかり。準備をしていようとしていまいと、豪雨で家が流されたり、おぼれ死ぬこともあるし、地震で家屋の下敷きになったりする。
天災も病気も突然やってくる場合が多い。健康のためにいくら運動をしようと、病魔は背後から襲ってくる。
天災もしかり。準備をしていようとしていまいと、豪雨で家が流されたり、おぼれ死ぬこともあるし、地震で家屋の下敷きになったりする。
絶望しかけるときに思い出すのは、松ぼっくりである。
晩秋の山に落ちているこの松ぼっくり。拾ってみればわかるように、笠は開いている。ふだんの我々と同じように、無防備そのものである。
だが、ひとたび水の中に放り込まれると、ジワジワと笠が閉じ、数時間後には完全に、小さな紡錘形のカタマリになってしまう。
天災に遭ったときに、我々もまた、このカタマリのように、なすすべもない。
松ぼっくりを、水から出す。数時間すれば笠は開く。
天災に遭おうとなんだろうと、我々は立ち直り、生き抜かねばならない、と松ぼっくりは教えてくれる。
秋が終われば冬も近い。
冬来たりなば春遠からじと言う。
日本の時代の空気も、晩秋にさしかかっているようである。四季を問わずやってくる天災のために、空気が冬にならぬことを願ってやまない。