神奈川県西部にある、今では市町村合併で政令指定都市になった町で結婚生活を始めて5年が経過した1990年代半ば、生活にも少し余裕ができ仕事もプライベートも充実してきた頃の話。
ある日、市内の得意先に集金に行くと道路向かい側に神奈川県下では名前が通っている、◯EIY◯という中古車チェーン店が新規開店していました。
代金回収の仕事を終え、店の敷地内へ。冷やかしのつもりで展示車を物色して回っていたところ、一台の車に目が止まりました。
年式は3年落ちの平成3年型、走行距離は48000kmと3年にしては少し多目。
カラーはダークブルーメタリック。当時圧倒的にパールホワイトが人気のこの車種では珍しいボディカラー。
金額は\115万円、相場より少し安いなぁ、ですが全体としては好印象でした。
その車はTOYOTAチェイサー、グレードはマイナーチェンジで追加された2500ccツインカムエンジンを搭載する、Avnte2.5 (型式JZX-81)です。
・チェイサー(JZX-81型) *ネットより拝借。
○当時のスペック
全長×全幅×全高:4760×1710×1375mm
エンジン:1JZ-GE型 直列6気筒DOHC
総排気量:2491cc
最高出力:180ps(?kw)/6000rpm
最大トルク:24.0kg・m(?N・m)/4800rpm
タイヤ:195/65R15
・1JZ-GE型エンジン(ネットより拝借)
応対に来た店員さんに何故相場より安いのか?聞いてみたところ、3年落ちの年式の割に走行距離が少し多目であること、ボディカラーが人気のパールホワイトと違う事、そしてリヤに軽くぶつけた跡(バンパーがズレている程度)があること、これは販売時完全に修理を確約。そして、開店記念の目玉の一台として販売している、というのが理由でした。
売り場には同年式で走行距離の少ないホワイトのチェイサー(グレードは2000 Avante)が\130万円で売られていましたから開店記念の目玉車というのは納得できました。
その日帰宅後妻にチェイサーの話しをしたところ、「実車を見に行きたいと」言い出し、閉店間際ではありまたしたが見に行きました。ハードトップのボディはカッコ良く、車内の装備はとても豪華、ボディカラーのダークブルーについては人気のホワイトよりも気に入った様で、紺のスーツを着ている様な車と表現していました。反対に気になるのはデジタルメーター、これは直ぐに慣れると店員さんからアドバイスがありました。
・デジタルメーターのインパネ(ネットより拝借)
そして、一通り車を見終わったあとで、妻から「この車を買わないか?」と切り出されました。
えっマジ?資金は?・・・。
閉店間際で時間も遅いため、店員さんには商談中の扱いにして欲しいと意思表示して予約金の1万円を支払い、後日正式に見積書を作成してもらう約束をしました。
後日再び店を訪れ試乗をお願いしたところ、店内であればOK、と了解を得て少し広い店内を低速で試乗。初めて体験する6気筒ツインカムエンジンはとても静かで、そしてアクセルをチョッピリ開けるだけで背中がシートに張り付く様な鋭い加速、当時乗っていカリーナは非力なため、発進時にアクセルを強く踏み込む運転動作がクセになっていたので、この試乗では急発進する様に何度もシャクってしまいました、2.5Lエンジンのパワフルさを実感です。
見積総額は確か130万円強、最終130万円ビッタリにしてくれる事になりました。問題はまたもや購入資金、自宅で貯金通帳とにらめっこし、購入費用だけでなく排気量アップで自動車税や任意保険料、ガソリンもハイオクになるし、など維持費が増える分も加えて試算した結果、ギリギリ何とか買えそうだの結論に、ですが再び貯金が無くなる不安もあり踏ん切りが付かない状態。
ところで、乗っているカリーナは仮にチェイサーを購入した後、免許取立ての弟に譲る予定をしていたのですが、例え1万円でも下取に出して購入資金の一部にしよう、と、店員さんにカリーナの査定をお願いしました。
店員)「この車は下取できないですねぇ。」
はやこま)「1万円でも無理ですか?」
店員)「金額の問題ではなく、下取しても販売できないんです。」
はやこま)「何故??」
店員)「このカリーナは事故車なんです、当店は事故車の販売はできないんです。」
はやこま)「間違いないんですか?」
そう問いかけると、実際に車体の下側を見ながら、「四ヶ所あるジャッキポイントにフレーム修正機で固定した時につく傷がある。」「ドアの内側に防水のシール剤と塗装を塗り替えた跡がある」「フェンダーを外した時取付ボルトのメッキが剥がれ、ボルトが若干錆びている」等丁寧に教えてくれました。まさか、苦労して初めて買った車が事故車(正式には修復暦有車両)だったなんて、とてもショック。
購入時お買い得価格だった理由が数年後、こんな形で判るなんて皮肉なものです。
結局、事故車に乗り続けるのは良くない、との判断が決定打になり、この紺色のスーツを着たチェイサーが我が家にやってくることになりました。
さて、下取が叶わなかったカリーナですが廃車するにも費用がかかるし、購入したトヨタオート中古車センターの担当Sさんに相談してみました。Sさんはカリーナを一周見回して、
「まだ売れるので、無料で良ければ引き取ります」の回答。
査定で事故車の判定をされた事は説明せず、無料で引取ってもらいました。雑談の中で、
「当店はディーラー系の中古車センターなので、事故車は売らないです」と、発言。おいおい、実際我が家はこの店から事故車を買ってるし、再度下取してまた売るつもりなのぉ、言ってる事と違うなぁと、心の中で思ってしまいましたが、「もう一生この店から買うことはないだろ」と心に決め、カリーナとはお別れしました。
この紺色のスーツを着たチェイサーが我が家に来た翌年に、阪神大震災が発生し勤務先本社や妻の実家が被災、その同じ月、直後に実祖父が他界し、そして春には神奈川県から現在の栃木県への転
勤・引越し、と様々な出来事があり、その後約5年くらい、走行距離13万キロまで乗ったと記憶しています。高速道路での走行性能も余裕のパワフルさ、アクセルを踏むと静かに聞こえるツインカムサウンド、静かで快適な室内、FR車の軽快なハンドリング、また低速時トルクが大きなエンジンで、加速する際に”ガバッ”とアクセルを踏む必要がないため、燃費はカリーナよりも良かった気がします。もしチャンスが有ればもう一回乗ってみたい車の一台になりました。
マークⅡ3兄弟などハイソカーブームってのがありましたね~
この頃はデジタルメーターのインパネが流行ってたのかな?自分も
同じようなデジタルメーターだったような気がします。
この色のチェーサーは確かに珍しいですね~
3年落ちで115万は確かに安いのでは。
事故車買ったのがディラー系の中古車センターだったのは意外ですね~
ディーラー系だと高いけどその辺は安心感があると思っていました。
友人が乗ってました。
走りが凄いと言う記憶が有ます。
しかし、事故車の見分け方って素人には無理かなあ。
と言うか何処まで事故車扱いされるか難しいのでは。
ちょいと、ぶっつけてへこんだのは事故車とは言えないと
思いますが・・
この頃は規制がきつくなかった事と
安全装備が今ほどでは無く
車重が軽かったので、よく走りました。
だまされた感じなので
強く記憶されているのかもしれませんね。
でも、カリーナもチェイサーも
カッコよかったですよね~
私のクルマの思い出の一番は、
屋根に打ってある鋲周りが腐って
雨漏りした中古のアコード!
「若隠居さんの車に乗るには傘がいる!」
と言われたことがあります~
マークⅡやチェイサーに乗っている人は、私の
羨望の的でした。
一生買えないのではなんて思っていましたよ。
「もう一回乗ってみたい車の一台になりました。」・・・・
私が、ウインダムにそう言う意識を持つのと一緒ですね。
horinbonpapaです。
2台目がチェイサーアバンテ
高級車ですよね。
欲しい車の1台でしたが、
とても手が出る車ではなかったです。
中古車に不安があったのでよけいにですが。
DRの中古車でも事故車とは・・・
格安にゲット出来てよかったですね。
今では直6は絶滅危惧種になっちゃいました。
当時のこのクラスの車は憧れでしてた。友人の親やバイト先の方が乗られていました。
乗り出し価格で130万とはかなりお買い得な気がします。
それにしてもカリーナの販売店はどうなの?と思います。この店では2度と買わないって仰る気持ちは良く分かります。事故車って分かったら身内には譲れませんネ。
確かこの車は海中を泳ぐサメのCFやったような記憶があります。
BMWとかのシルキーな6気筒に対抗するような宣伝をしていたような・・・?
ハイソカーブーム、ありましたねぇ、懐かしいです。
青い液晶(?)の数字がピコピコ動くメーターだったので最初は目がチカチカしましたが、慣れると気にならないものでした。
ディーラー系の中古車店だからと安心し、よくチェックしなかった自分が悪いんですけど、当時はディーラー系中古車店が信用出来なくなりました。
この頃の車は今ほど安全装備が無くて、確かに車重も軽かったですね。
実はこの2つがチェイサーから3代目へ移行するポイントに、このエピソードは後日ブログにて。
事故車の見分け方、今ではネットでレクチャーされているのかと思いますが、当時は情報も少く見極めるのは難しかったと思います。でも、この一件でとても勉強になりました。
この頃は20代前半から半ばなので記憶力絶好調でした、反対に40代後半の今はほとんどダメです(笑
雨漏りする車、ホントに傘さして乗ったら今でしたら楽しそうですね。