今回は「全く手を付けていない解き始めの状態」から「確実に塗れるマス・塗ってはいけないマス」を導く方法のPart3です。
今回はヒント数字が「2つ以上」の場合について考えます。
今回は電卓があるとやりやすいかもしれません。
さて、ヒント数字が「2つ以上」の場合の例を挙げてみます。今回は「6 3 2」幅「15マス」とします。
とりあえず「6」「3」「2」の順で成立する全てのパターンを洗い出してみます。
「6」は緑、「3」は赤、「2」は水色で色分けしました。わかりやすさという理由もありますが、他にも理由があります。それは後述。
全部で10パターンとなりました。多いですね。
さて、これを縦に見て白マスにならないマスをあぶり出してみます。すると、
こうなります。水色の「2」は最初の1パターンだけ白マスになるマスがあったので全部消えてしまいました。
この残った5マスは白マスになるパターンがないので、「確実に塗れるマス」となります。よって、
この例はこの形で一旦落ち着きます。
ところで、今回の例は10パターンで済みましたが、毎回総当たりしていると時間がいくらあっても足りませんし、そもそもそんな時間は無駄です。
そこで役に立つ考え方が「両端寄せ」の考え方です。
簡単に言うと、「塗れるマスの塊を限界まで左端・右端に寄せた状態だけを考える」考え方です。
上記の完成形も添えて2パターンに絞ってみます。
最初の10パターンから、一番上と一番下のパターンだけを抽出しました。
これだけでも「同じ色の」マスが確実に塗れるマスと一致していることがわかります。
しかし、これだけだと1つ問題点が浮かび上がってきます。
ピンクのマスはこの2パターンだけを考えた時に白マスになっていないですね。
しかし、実際はそこは未確定のマスです。
この問題点のポイントはただ1つ、「異なるヒント数字に対応したマスが重なっている」ことです。
この「両端寄せ」の考え方では、「同じヒント数字に対応したマスが重なるマス」だけが「確実に塗れるマス」となることを忘れないでください。
なお、「同じヒント数字」とはいっても「同じ値のヒント数字」ではありません。順番が異なればそれは「異なるヒント数字」となります。
例として、「5 5 1」幅「15マス」を考えてみます。
ピンクのマスはそれぞれ「緑の5」と「赤の5」、「赤の5」と「水色の1」と重なっていますが、やはり未確定のマスです。メモ帳なりペイントソフトなりで試してみるとわかると思います。
さて、この「両端寄せ」の考え方ですが、いちいち紙か何かに書き起こしていたら時間も紙も余計に消費してしまうでしょう。
そこで朗報、この「両端寄せ」を暗算する「公式」が存在します。いよいよロジックパズルらしくなってきましたが、実はここがイラストロジックで一番つまづきやすいポイントだったりします。
その公式とは、「列の幅-ヒント数字a-ヒント数字b-ヒント数字c-……-ヒント数字n-ヒント数字の個数+1」です。はい、ややこしいですね。
では、先に挙げた例2つを公式に当てはめてみましょう。
ヒント「6 3 2」幅「15マス」の場合:「15-6-3-2-3+1」=「2」
ヒント「5 5 1」幅「15マス」の場合:「15-5-5-1-3+1」=「2」
偶然にも同じ結果になりましたが、それは置いといて……。
さて、この公式の値、何になるのか?それは、「公式の値より大きいヒント数字は確実に塗れるマスが存在する」ということがわかることです。
公式の値をヒント数字から引き算して、「1以上」になればそのヒント数字は「確実に塗れるマスが存在する」ことになります。
ヒント「6 3 2」-「2」=「4 1 0」
ヒント「5 5 1」-「2」=「3 3 -1」
これで1つ目の例は「6」と「3」、2つ目の例は「5」と「5」に確実に塗れるマスが存在することがわかりました。
では、ここからどうやって「フィールドに出力」するのか?
そのコツは、「1、2、3、4、……とカウントアップしながら、公式の値より大きい値になったらそこを塗る、ヒント数字と同じ値の次は『トン』と、一拍置いてまた1、2、3、4、……と繰り返していく」ことです。
サンプルとして2つの例を左と右の両方からカウントアップした画像を用意しておきます。
公式の値「2」より大きい「3~」の下のマスが確定マスとなっているのがわかると思います。
これをマスターすれば第1の壁は越えたも同然です。
なお、電卓があるとやりやすいと書いたのはこの公式の値を暗算ではなく電卓で導くことができるからです。
特にジャンボロジックになると暗算だと厳しくなってくるので、電卓でも導けるようになると便利です。
ヒント数字と個数を「引き算」して最後に「1足す」というのがややこしいですが、これができるとできないとでは天地の差があるので確実にマスターしたいところです。
ちなみに公式の値が「0」になったらその列は確定します。前述のコツにならえば、「トン」の部分は×マス、他のマスは確実に塗れるマスになります。
また、この公式はヒント数字が1つの場合でも成立します。ヒント数字が「0」でも一応成立しますが、その列は無条件で全部×マスになるので特に意味はありませんが。
長くなりましたが、今回はここまで。次回からは「すでに確定したマスがある状態」から発展させる考え方について取り上げます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます