平方録

お客さん、いい物件ですぜ!

午前9時半のホームセンターの開店時間が待ち遠しかった。
シジュウカラの巣箱を作るための板の調達のためである。
便利な世の中になったもので、インターネットで「鳥の巣箱」と検索するだけで、幾通り、幾種類もの巣箱の設計図を手に入れることができる。
それらの中から、巣箱のイメージにぴったりのものを探し出し、それに合致する板を買ってきた。

久しぶりの日曜大工である(もっとも毎日が日曜日ですがね)。DIYである。
電動ドリルから大工道具セットに加え、釘類の数々に至るまで、たいがいのものは道具箱かそれに類するものの中でこの日の来るのを待っていた。
材料の板だけが身の回りになかったのである。
問題は腕だが、こちらの方は案外覚えありで、小学校4年生の夏休みの工作の宿題で作った駅の模型が、当時暮らしていた町の教育長賞を受けたりしたのである。
職業にこそしなかったが、手先は器用な方と自負しているのだ。

昔取った杵柄というのは、簡単には錆つかないもんですな。
作業を始めて2時間ちょい。
電動ドリルの充電時間が短縮できていれば、もう少し短い時間で完成したはずだが、急に思い立ったので、ドリルの充電が後手になってしまった。
ギコギコ、トンカンの末に完成した巣箱は我ながら…の出来栄えである。
妻に見せたところ「アラッ、すごいじゃない!」「あっという間に出来ちゃうのね」とびっくりしている。
てやんでぇ、オレサマを誰だと思ってんだ。この程度は朝飯メェヨ!ってんだ。

早速、庭の真ん中にある株立ちのカツラの木の真ん中あたりにシュロ縄で括りつけた。
下から見上げてみると、出始めた若葉の間で実に巣箱巣箱していて、絵に描いたようにサマになっている。
何というか、鳥の世界の高級住宅の雰囲気なんである。
しかも、庭の木立に鳥の巣箱一つ架けるだけで、雰囲気がガラッと変わるから不思議である。
わが庭は高原の高級リゾートに引っ越したかのようなのだ。

昨日ベランダのガラス戸をホバリングで上下していたシジュウカラのつがいは今朝も来ていた。
影が写らないように注意しながら観察したところ、東側の物置に絡ませているアケビに例年になく沢山付いた花の周りを飛び回っている。
蜜を吸いに来ているんだろうか、それとも、蜜を吸いに来た昆虫を食べていたんだろうか。
メジロなら蜜を吸うのだが、シジュウカラはどうなんだろう。
まぁ、とにかくバラには沢山虫がつくからねぇ。餌には不自由しないはずだから子育てするには絶好ですゼ、お客さん、いい物件でしょう?

さあてっと、首尾よく住んでもらえるかなぁ。






巣箱は我ながら、なかなかの出来栄え。巣箱の架かる木というのもサマになっている


このつがいがしょっちゅう来ているんである。初めてツーショット撮影に成功
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