その他ニュース
新興の電気自動車(EV)メーカーとして脚光を浴びた米ニコラが詐欺疑惑に揺れている。誇示していた技術の多くがウソだったとの告発を受け株価が急落、創業者が辞任した。クルマを1台も売ったことのない企業が市場から一時2兆円もの評価を得た背景には、「空の器」と呼ばれる上場スキームの流行もある。「ウソの海で米最大の自動車メーカーと提携する方法」。9月10日、辛辣な言葉が並ぶ報告書を公表したのは、ニコラに空売りを仕かける調査会社、ヒンデンブルグ・リサーチだ。2015年にニコラを設立したトレバー・ミルトン前会長が技術を誇大に宣伝し、投資家を欺いたと糾弾した。
ニコラは燃料電池など先端技術を掲げ、宣伝ビデオでは斬新なデザインのEVトラックが駆け抜ける。だが報告書はこの映像は試作車が自重で坂道を転がっているだけだと指摘。自社開発をうたう基幹部品も外部からの調達品である点など数十の不正や疑念を並べた。ニコラ側は当初、「ヒンデンブルグが空売りでもうけるための言いがかりだ」と反論したが、後に試作車が電動ではないことや、外部の部品を使っていたことを認めた。米証券取引委員会(SEC)や司法省が調査に乗り出すなか、9月中旬にミルトン氏が辞任。株価は半値以下に急落した。新興企業の疑惑が耳目を集めたのは、ニコラが米ゼネラル・モーターズ(GM)との提携を大々的に発表した直後だったという事情もある。
GMはニコラの試作車の設計や生産を受託する代わりに、ニコラ株11%を取得する――。両社が9月8日に発表した資本・業務提携。先端技術を巡る新旧企業のタッグと受け止められたが、内実は少し違ったようだ。GMは20億ドル(約2100億円、当時)相当のニコラ株を無償で受け取る。対価20億ドルで、技術力に乏しいニコラの設計や生産を肩代わりする契約とも読めるが、GMは「業界をリードするディスラプター(破壊者)」とニコラを持ち上げた。 以下略 (*日経 記事より)写真:ミルトン前会長は9月中旬に辞任した(19年12月の発表会)=ロイター
その他ニュース(10/08_朝) | ||||||||
国際 | ||||||||
企業 | ||||||||
IT 科学 | ||||||||
国内 | ||||||||
市場 | ||||||||