![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/7a/a777e5dcd61bca8269d2f23ff7a92256.jpg)
「呆れるな、もう…」
チョルスは追い出されてソファに戻る。
アンナは電気毛布の上に寝そべった。
「ああ、ポカポカしていい気持ち」
チョルスを気にしながら寝返りを打ってつぶやく。
「本当に温かい…」
(ここにずっとこんな気持ちで過ごしていたい…)
横になって心地よさそうにしているアンナを見て、チョルスの気持ちもほぐされてきた。そんなアンナを見ながら、チョルスも腕を組んでソファーに背を持たせかけた。
ドックと一緒に仕事をしながらチョルスは言った。
「物置部屋を整理してサンシルにやろうと思ってるんだ」
「どうして?」
「寒いのに広いリビングのソファーで寝てるから可哀相だ。壁紙と床の張替えと家具が必要だな」
チョルスが手袋を脱いで準備にかかろうとする。それを見てドックは訊ねた。
「どうせ出ていくのにどうして部屋を作ってやるんだ?」
「そのまま放ってはおけない。ここにいる間だけでも温かく過ごさせてやらないと」
チョルスは出かけて行った。
ドックは首をかしげた。
「どんどん優しくなってくるなあ…そういえば」
携帯を手に彼はにんまりする。
「ヒョジョンさんを農場に連れていかなきゃーな。いつにしよう?」
コン室長はケジュ親子の飼育する牛小屋を見にやってきた。
「やあ、これがケジュさんの飼育する牛か」
干草を牛にやりながら頭数を数える。
「10頭足らずか…」
そこへやってきたケジュはコン室長と顔を合わせるなり、両手で顔を覆った。そのままコン室長の前を通り過ぎて立ち止まる。
コン室長が声をかけるとまた駆け出していく。彼女をコン室長は追いかける。
「ケジュさ~ん」
ケジュは大きな樹木のそばまで駆けてきて立ち止まる。目には涙が浮かんでいる。ケジュは声を震わせて言った。
「私の牛が…不治の病にかかったの。もう”そんなに長くない”んだって」
「不治の病?」
「どうしたらいい? 可哀相でしかたがないの」
グスグス声を震わせるケジュの肩にコン室長は手を置いた。
「僕が治してあげます」
ケジュはコン室長を見つめ返す。
コン室長は力強い口調になった。
「僕が治してあげます」
「いいの。あなたに申し訳ないわ。”牛の病気を治して”なんてとても頼めないわ」
コン室長は樹木の幹を叩いて叫んだ。
「いくらだ? 牛一頭、いくらだ?」
「パングやー」
BGM”禁じられた遊び”の流れる中でコン室長は訂正する。
「ヨングです」
script type="text/javascript" src="//translate.google.com/translate_a/element.js?2db9cb=googleTranslateElementInit"></script> google-site-verification: google3493cdb