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韓国ドラマ「青い海の伝説」第18話④
韓国ドラマ「青い海の伝説」第18話③
★★★
ジュンジェは駆けつけた母親(モ・ユラン)と父親の話をした。
「あなたの父さんはどうしてこんなことに?」
「検視中だから…明朝には結果が出るよ」
「お酒もタバコも控えるよう言ったのに…」
ユランは黙って聞いているジュンジェを見た。少しはにかんだ。
「年のせいかしら。最近のことは忘れっぽいのに昔のことなんか…」
「…」
「この頃、昨日のことのように思い出すの。お父さんは違ってたようだけど…」
ジュンジェはモランを見た。
「父さんと会ったの?」
モランは頷く。
「ひと月ほど前、偶然、この病院でね。でも、無視されたわ。目が合ったというのに…私のことは忘れてるみたいだった」
「…」
「あなたのお父さんは残酷な人ね」
ジュンジェは母親の言葉を聞きながら、携帯に届いていた父親の最後のメッセージを思い返していた。
―もし生まれ変われたら、もう一度…ユランの夫としてお前の父になりたい。…私は欲深いな。
ジュンジェは言った。
「父さんはほとんど目が見えていなかった」
ユランはびっくりした。
「覚えてなかったんじゃなく、母さんが見えていなかったんだ。無視したんじゃないよ」
ジュンジェは母親を抱きしめた。
息子の腕の中でユランは涙を浮かべた。
★★★
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病院に運び込まれたカン・ソヒはすぐに体調を取り戻した。周囲から人がいなくなるとすぐに身を起こし、電話を入れた。
「イ弁護士? 明日、死亡届を出してください。必要書類を送るわ。それと相続の手続きも始めて。どのくらいかかる?」
「一週間ほどです」
「長すぎるわ。もっと急いで」
チヒョンが戻ってきた。電話かけてる母を見てカーテンを閉めた。
「もう平気よ」とカン・ソヒ。「薬は飲まないから断って」
「母さんだろ?」
「何が?」
「僕には正直に話して。助けるために」
ソヒはためらいつつ認める。
「そうよ」
「…」
「だけど…あなたは知らぬ存ぜぬを通すのよ」
病室を出てきたチヒョンはナムドゥを見かけた。
声をかけるとナムドゥは振り返る。
昏睡状態のナム部長の手指がしきりに動く。彼の見ている夢は佳境に入りだしている。
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武闘訓練をしている私兵たちの前に出てきたヤン氏はひとりに声をかける。
「新入りらしいな…?」
「パク・ムと申します」
「武芸に秀でておるそうだな。息子を助けてやってくれ」
ヤン氏のそばにりりしい若者が立って彼を見ている。
「持てる者の息子は敵が多いからな。わっハハハハハ」
ヤン氏は背を返す。行こうとする若者がパク・ムを振り返る。
2人の目が合った。
チヒョンとナムドゥはしばし見つめ合った。
「はい。なぜ私の名を?」
チヒョンは周囲を窺った。
「お話があります」
チヒョンはナムドゥを人気のない場所に連れて行った。
「じつはジュンジェの仕事が気になって調べたんです」
「ああ…そうですか」
「あなたはジュンジェとは違うようですね」
ナムドゥはチヒョンを見つめ返す。
「ジュンジェは…裏金を狙って詐欺を働いていましたが、あなたは仕事を選ばない」
「…」
「純粋な悪人だ」
「ええ。否定はしませんよ。食事も仕事も好き嫌いがないんです。何でもありだ。それで何か?」
「明日にでも…いや、今日にでも牢屋にぶち込める」
「…」
「どうする? 僕につかないなら刑務所行きだ」
チヒョンは不気味に笑った。
ナムドゥは愛想笑いを返す。
「これでも年上です。タメグチは困りますよ」
「…」
「私は常にお金持ちの味方です。お父様の遺産を相続されるそうですね。わざわざ脅かさなくてもいくらでもあなたに付きますよ」
「…」
「お望みは?」
「ジュンジェを消す」
「消す? どこへ?」
「この世から完全に」
「う~ん、実は…今、すごくほしいものがあるんですが…手にいれるためには、私もヤツが邪魔なんです」
「…」
「いいでしょう。長い付き合いなのでためらっていましたが、やりましょう。いつかは終わる仲だ」
ナムドゥはチヒョンと別れ、ジュンジェたちのところに戻った。
ジュンジェと目が合ったナムドゥは不気味な笑みを浮かべて頷いた。