韓国ドラマ「青い海の伝説」(最終話)⑧
韓国ドラマ「青い海の伝説」(最終話)⑦
★★★
「あなたが愛する人に愛されることよ。それしかない。その人に愛される自信ある?」
女はだいぶ気持ちを挫かれた様子で、自分の心臓を気にしだす。
しかし思い直して言う。
「会えば何とかなると思うけど…電話をかけても出ないの。会う方法はないわ」
「そう」
セファは頷く。
「いい勉強になったわね。これを食べたら帰りなさい」
そう言って箸を握る。
女は質問を返してきた。
「あなたは愛されてるの?」
セファは箸を置いた。
「もちろんよ。私しか愛せない。ステキな人にね。だから心臓も元気よ」
「ならどうして海に戻ったの?」
「…銃で心臓を撃たれたの」
女は口を押えた。
「銃で撃たれたの?」
「うん。一瞬でサメを殺すだけあって強烈よ。撃たれてみなきゃ分からないわ」
「…」
「だから海に戻って身体にいいもの食べて…そして、ようやく回復したの。もちろん、それだけでも足りなかったわ」
「どうして撃たれたの?」
「彼を守るためよ。ちゃんと守れたし後悔もしてないわ」
「その人はどこにいるの? 戻ってきたことはちゃんと伝えた?」
「…(これから会いにいくつもりよ)」
一目ぼれの男を捜し求めてソウルまでやってきた若い女(人魚)と別れた後、セファはジュンジェの屋敷に向かった歩いた。歩く道すがら、ジュンジェと過ごした色んな日々がセファの脳裏をよぎった。これらの記憶は自分の頭の中だけで息づいている。
やがてジュンジェの屋敷にたどり着いた。
ジュンジェたちは今、どんな日々を過ごしているのだろう。
セファは気持ちを躍らせながらインターホンを押した。
★★★
「いや、寒いな~」
ドアの向こうで誰かの声がする。
ドアが開きナムドゥが出てきた。
「どちら?]
セファは懐かしそうな表情をナムドゥに向ける。
訪問者が答えないのでナムドゥは無愛想に繰り返す。
「どちら様?」
「ああ~、お話がありまして…、宗教の勧誘なら結構です」
ナムドゥはドアを閉めて引っ込んだ。
内玄関のドアの音がした。セファは慌ててもう一度インターホンを押した。繰り返して押した。
「何だよもう…寒いってのに!」
ドアを開けてナムドゥが出てくる。
「宗教じゃないなら物干し? 新聞? 何の勧誘を?」
「そうじゃなくて…ホ・ジュンジェはいますか?」
ナムドゥはため息をつく。
(ジュンジェを呼び捨てにしてる…またかよ。あいつも罪なやつだ)
「忘れな」
「えっ?」
「忘れるべきだ。訪ねてきた気持ちはわかるが、あなた、あいつに騙されたんですよ」
「何のこと…?」
「あいつに甘い声をかけられ海へでも一緒に行ったんじゃない? でも、それっきりだし、以来、何の連絡も寄こさないから、わざわざ会いにやって来たんだろ?」
「…」
「いつものことなんだ。忘れた方がいい。なぜか親しみを感じるからアドバイスしてやってるのさ」
ナムドゥはセファの肩を叩いて引っ込もうとする。
その時、後ろから声がかかった。
モ・ユランだった。
「ああ、お母さん」とナムドゥ。
セファはユランにも懐かしさを覚えた。
「ジュンジェを訪ねてきたので帰ってもらおうとしてたんです」
「訪ねてきた人をどうして追い返すのよ。ほんとにもう」
ユランはセファを中に招いた。セファは笑顔で応えた。
セファはユランたちより先に中へ入ってきた。中は懐かしさにあふれていた。プールだって3年前のままだった。
感無量にになってティッシュを探す。ある場所は分かっている。そこから何枚も引っ張り出す。そして目と鼻を拭った。
「ちょっとトイレをお借りします」
「ああ、トイレなら…」
ナムドゥに案内される前にそこに向かって歩き出す。
ユランとナムドゥはセファの奇異な行動に呆気にとられた。
「彼女はうちの中を熟知してるようですね」
「そうね…」とユラン。
「みんな留守の時、ジュンジェのやつが連れ込んでたんですね…ああ、まったく、困ったやつだ…」
ナムドゥから連絡が入った時、ジュンジェは車を走らせていた。
「誰だって?」
「俺が知るはずないさ。ロングヘア―の美人で…お前好みののタイプだ。名前はまだ聞いてない。何かやらかしたのか?」
電話してるプールサイドにセファが現れる。
セファを見てナムドゥは電話相手に言った。
「とにかく待ってるぞ。早く帰れ」
電話を切ったナムドゥのところへセファがやって来る。
「名前は?」
「シムチョンです」
「そうじゃなくて本名を」
「これが本名です」
ナムドゥはセファを見た。
「親御さんは個性的だね。家はどこ?」
「遠いわ」
「俺だって遠い」
「南楊州でしょ?」
「そうだ。なぜ、知ってる?」
ナムドゥはセファを怪しむ。
セファは舌でも出したい気分だった。
その態度にいよいよ怪しんでいると、びっくり仰天の宝石が目に飛び込んでくる。この女は翡翠の腕輪をしているではないか。
「何だ、それは? ひょっとして本物の翡翠?」
セファは意味深の笑みを浮かべる。
(金目の物には相変わらず目が早いのね…)
「どうした?」
「ただ、友達のことを思い出して…似てるから愉快で」
そう言われて、ナムドゥも悪い気はしなかった。
リビングに戻ってくるとちょうどチャ・シアがやってきた。
「お母さん、お邪魔します」
シアはセファを見てすぐ訊ねる。
「どなた?」
「お客さんだよ」
「そう…」
シアは先に頭を下げる。ナムドゥの手に軽く触れてから訊ねる。
「彼はまだ?」
「ああ。本当に自分からプロポーズを?」
「女からしたって別にかまわないでしょ」
セファはシアの言葉が気になった。前からジュンジェにゾッコンだったのは知っている。
プロポーズするのはジュンジェに対して…?
2人は向こうでこそこそ話をしている。
セファは2人のところにツカツカ歩み寄った。
シアがセファに訊く。
「私に何か話でも?」
「結婚を?」
「ああ…そうよ」
シアは髪をひと撫でした。
「誰と?」
シアはちらとナムドゥを見た。
「ここに住んでる人と」
「3人のうちの誰と?」
「3人いることをなぜ知ってる?」
「誰なのか答えて、シア」
シアはびっくりした。
「どうして私の名前を知ってるの?」
「まさか、ジュンジェと結婚を?」
「だったら?」
セファの表情は見る間に沈んでくる。
「またなの?」
シアはナムドゥを見た。
「ああ。俺にもそう見える…」
「諦めなさい」
シアは昔の意地悪さで言った。
「彼には忘れられない女性がいて、誰もその女性には敵わないわ。だから無理」
「…」
「私の結婚相手は…」
「興味ないわ」
セファは背を向けた。笑みを浮かべた。結婚するのはジュンジェじゃなかった…。
一方、あっさり背を向かれてシアは気分を害した。
「どうしてこんなにむかつくのかしら?」
ナムドゥはシアの肩に手をやった。シアを連れて二階に上がっていった。
「やっぱりプロポーズされるのを待った方がいいぞ」
セファはシアに微笑ましい目を向けた。
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